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2010/01/04

『夏目友人帳 (9)』 緑川ゆき(作)

Natume9 作者のあとがきによれば、9巻では「群れ」とか「集団」をテーマに描いてみたのだそうだ。基本個人主義で生きてきた夏目であり、一匹狼(?)で居られるほど強い妖のニャンコ先生なだけに、集団だからこそ学べるものであり、力強さを感じとることを体験させたかったようだ。
そこに的場の再登場から、夏目大ピンチな展開もあるけれど、こちらも集団の力で危機回避。「仲間」という心温まるエピソードがベースになっている。
プラス特別編「夏目観察帳⑤」の短編も収録されている9巻である。

大きくは2つの物語とオマケが一つという感じ。
ひとつめは”妖の恩返し”ちっくな感じに「塵も積もれば山となる」を組み合わせたかのようなお話で、如何にも優しい夏目らしい、『夏目友人帳』らしいストーリーだったと思う。
相変わらず厄介事に自ら首を突っ込んでしまうところに変わりないが、自分を大切にすることもようやく覚え始め、少しずつ変わり始めている夏目がちょっぴり強く逞しくなったと感じられるのは良い傾向に思う。
ふたつめは「友人帳」目当てで夏目に襲いかかる妖の軍団、そしてそれを狩る的場一門の罠に夏目が巻き込まれてしまう事態に発展。金銭で動き、力で妖を使役し、非人道的(非妖道的?)な行いも平気でやってのける的場一門とは直感的に相容れないと、(どころかキケンにさえ思っている)夏目であり、「友人帳」の存在を最も知られたくない人物のひとりが的場だ。逆に的場は夏目やニャンコ先生には興味深々で、夏目の過去やレイコさんの存在もすっかり突き止めているのだから警戒心は高まる一方。
ニャンコ先生ともども的場の別邸(結界)に閉じ込められてしまった夏目で、まぁ最終的にはなんとか脱出するものの、ニャンコ先生の正体はバレるは、ヒノエやミスズらと合流したところを的場に垣間見られるは(結果的に夏目に味方する妖の格の違いを見せつけた形にはなったが)、「友人帳」の存在も薄々勘付かれた感じになってしまったので、この先不穏な話が多々登場することになりそうだが、夏目を慕う妖も増える一方だし、面白い戦いになるかもしれないな。(卑劣で手段を選ばなそうな的場であり、対して夏目があの性格である以上、なんとなく戦いの図は目に浮かぶけど)。

泣かせるエピソードが上手い緑川先生だけど、今回は「夏目観察帳⑤」が一番泣けた。まだ夏目が親戚中を転々とたらい回しにされていた頃のいちエピソードなのだけど、すっかり独りに「慣れた」夏目と、本当の夏目を垣間見ることのできたクラスメイト女の子の切なさが胸に沁みる物語だった。
どちらかというと本編がややマンネリになってきているだけに、ストレートに核心を突く短編がより良く感じら得るといった感じだろうか。

10巻は夏ころの予定とのこと。1月・7月発売のサイクルて定着かな?

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