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2010/01/25

アニメギガ(29)~音楽家:梶浦由記

第29回目のゲストにして、2010年の第1回目を飾ったのは音楽家の梶浦由記さん。アニメソング(サウンドトラック)からライブ活動まで積極的に活動されている音楽家さんで、私としては(ご本人としても出世作となった)『機動戦士ガンダムSEED』でのEDテーマや挿入歌ではじめてお名前を知ったのだが、以降『SEED』シリーズに限らず梶浦さんが音楽参加されているアニメはとりあえずチェックし(あとで知ることも多いが)、気に入ればサントラCDを購入もしくはレンタル、また番組のOP/ED曲・ニュースや情報番組などでもふいに聞こえてきた音楽から「これはもしかして梶浦さん?」と聞き分けられるくらいに聴き込んでいる好きな作曲家さんになっている。

1996年に『新きまぐれオレンジ☆ロード』でデヴューして以来、数々の作品に楽曲を提供している梶浦さん。曲作りに置いては、まず作品の内容や世界観と矛盾がないよう心がけているとのことで、特に日本語の歌詞がのる主題歌などでは、コトバ(歌詞そのもの)が意味を持ってしまうため、非常に気を使っているそうだ。またOP曲では視聴者の気持ちを切り替えさせて作品の世界に取り込むような曲を、挿入歌やED曲では余韻が残るようなドラマティックな演出を意識的に行っているとのことだった。・・うん、ホント『SEED』のEDの入りは特に定評があるもんね。(アニメギガでもちゃんとそれが紹介されて嬉しくなった。アスランとキラの予期せぬ再会という第1話のラストシーンとED曲「あんなに一緒だったのに」のイントロが重なったところから延々サビの途中まで♪)。
とにかく歌詞(コトバ)にはこだわりがあるようで、【梶浦語】もそうした中で生まれたものらしい。【梶浦語】とは、女性コーラスが唄っているどこの国の言語とも知れない意味不明な歌詞(コトバ)のこと。韻を踏むように微妙に変化しながら唄われるコトバは、メロディーと寄り添うように絡み合ってとても美しい響きを奏でていく。だから何と言っているのか、訳詞(意味)が知りたいと思うファン心理は良く解る。・・でも、実は完全に”造語”でまったく意味が無いのだそうだ。簡単言うと、心地よい音だけを選んだ”音の羅列”みたいなものでボーカルも”楽器”のひとつ、という感じだろうか。とはいえ確かにコトバにも聞こえるし、想像力が掻き立てられるのも間違いなく、梶浦作品の特徴の一つとして定着するのも納得だ。

楽曲提供のみならず、ライブ活動も積極的にこなされている梶浦さん。ライブ活動は良い気晴らしであり、やはり生の(時差のない)レスポンスが齎らす爽快感とか一体感とかというものは感動的で、一度味わうと癖になるのだそうだ。今後もライブ活動は止められない、ってことだね。

梶浦さんの原点は父親が好きだったことから触れる機会が多かった「オペラ」にあるらしい。ピアノの伴奏にはじまり、高校生で既に作曲を手がけ、大学時代にバントを結成しメジャーデヴュー。その後家庭の事情もあって就職したが、バンド活動は止めることなく両立を目指していたとのこと。しかし両立が難しくなったことから音楽一本に絞り、プロ活動に専念することになったという。
アニメ音楽の仕事では、現在でも一緒に仕事をされること多い真下耕一監督の影響を多大に受けたとのこと。(『EAT-MAN』、『NOIR』、『.hack//』シリーズなど10作品でコンビを組んでいる)。基本的には「自由に」というタイプの監督だが、聴かせるBGMを受注することが多く、それでいて場面場面に合わせた音楽というモノの在り方を色々勉強させて貰ったのだそうだ。そして『NOIR』の時に見事に音と映像が一体化した感動を味わい、サントラの世界に魅せられていったとのことだった。
サントラの作曲では、オーダーリストや脚本のほかに背景画をお願いするとのことで、映像から見えてくるイメージをも曲にのせるこだわりよう。しかし、映像を作る側と音楽を作る側のこだわりが必ずしも一致しないことから、『空の境界』の時は互いに譲れない部分で白熱し、ギリギリまで調整を繰り返すような苦労もされたとのこと。これには、やはり畑違いのジャンルとして分かりあえない部分があるのだと知り、それでも妥協はしたくない気持ちからアプローチはし続けるべきだと学んだとのことだ。

アニメの音楽は無限の可能性を秘めているというのか、ジャンルの多さとバラエティの豊かさ、自由度の高さが魅力的だと言われる梶浦さん。今後の展望としてはコレというものはなく、音楽なら何でも・・という感じだが、音と映像の融合による感動をもっともっと味わいたいと、アニメ音楽にはずっと携わって行くことになるだろう、とのことだった。
最後に、梶浦さんにとっての音楽とは?の質問には「あえて、娯楽」と答えられた。好きで好きで、すべてでありコレしかないといえば、趣味・娯楽として生活の一部みたいなものなのだろうね。今後も引き続き応援し続けたいと思う。

※再放送は、2010/1/30 土曜日(金曜深夜) 午前0:50∼1:29[BShi]

次回は声優大集合(3)。小林ゆうさん、名塚佳織さん、千葉繁さん、森川智之さんらの総集編(未公開シーンつき)。

放送日は、2010/3/1 月曜日(日曜深夜)午前0:20∼1:09[BS2](予定)

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コメント

この番組、はじめてちゃんと観られました。それが梶浦さんだったというのも嬉しい限りです。
どんな人なのか全く知らなかったんですが、ボーカリスト石川千晶さんと『See-Saw』で組んでいたのが彼女だったとは驚きました。
石川さんの透明感のある声と梶浦さんの切ないメロディ。そら、エエモンになりますわね。
新番組『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のKalafinaが歌う主題歌もいきなり泣かせてくれましたよ。
お話の中で一番嬉しかったのが、アニソンの可能性というか、なんでもアリというのはすごいことだ、ってくだり。私もアニソン、アニメ音楽ってのは映画音楽を越えてると思うので画面の前でそやそや!とはしゃいでました。

来週の特集も見逃さないようにせんといけませんねえ。

投稿: よろづ屋TOM | 2010/01/26 13:04

■よろづ屋TOMさん、こんにちはsun
アニメギガ、いいでしょ(^^)
声優さんも良いけれど、露出の少ない制作陣の話はもっと良いので大好きです。

それにしてもTOMさんともあろう御方が『See-Saw』だったことをご存じありませんでしたかw
まぁ、私も「SEED」にハマるまでは『See-Saw』自体知りませんでしたケド(^^;

Kalafinaも聴かせてくれますよね。
もともと「アディエマス」とかが好きなので、女性コーラス多用は私のストライクです。

>アニソンの可能性というか、なんでもアリというのはすごいことだ、ってくだり。
実は私も(^^)
ミスチルもイイし、コブクロも好きだけど、映画やアニメのサントラを聴く方がもっと好きだったります。
”フロントグランドミュージック”って本当に映像と一体になって記憶され、音を聴くだけで映像が目に浮かぶって凄いなぁ~ってずっと思ってましたし。
映画音楽ってメインテーマばかりが有名になるけど、アニメは場面場面にまでブレイクダウンできるし、何でもありで無限大って私も思います!

投稿: たいむ(管理人) | 2010/01/26 17:23

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