「サイドウェイズ」みた。
大人ならではの諦めと葛藤から、最後には「もう一度!」と勇気が湧くような気持ちにさせてくれる、イケテナイ男たちのほんの1週間の物語。
ワインはほとんど飲まないのだけど、観終わったらなんだか無性にワインが飲みたくなった。L.A.に行った時に土産で買ってきたナパ・バレーのヴィンテージワインを飲んじゃおうかなぁ。
『サイドウェイ』のリメイクだけど、小日向文世&生瀬勝久といった”日本人らしさ”を漂わす芸達者な俳優陣であることからも、より共感しやすく、より見やすくなっていたと思う。
無為に過ごしてきたワケではないけれど、何かを成し遂げたような達成感も無い人生。40歳を過ぎ、無茶にも無謀にも臆病となり、何にでもなれると信じていた若き日の自分を懐かしく思い出してはその頃の自分にさえ憧れを抱く日々。
利害関係が無く、共に”若気の至り”をやった友だちとは一生そんな付き合い方が出来るもので、2流シナリオライターの道雄(小日向)と、雇われ店長婿養子(1週間後に挙式予定)の大介(生瀬)の気の置けない関係は見ていて羨ましくなる位に愉しげだ。(2人に限ったことではないが)遠慮のないボケとツッコミには何度となく笑わせてもらった。
偶然ナパ・バレーのレストランで旧知の麻有子と再会する二人。麻有子と友人のミナとの出逢いは、道雄と大介につかの間の”青春”を思い出させる。
「旅」とは気持ちを大きくさせるもので、大介は道を踏み外そうとするし、道雄も勘違いで舞い上がったりするのだけど、最終的には2人とも冴えなかった自分自身を見つめ直す数日となった。
もはやそう簡単に何がか変わるモノでもないけれど、「まだまだ」であり、変われる予感がする清々しい物語。美味しそうな料理と数々のワイン、ナパ・バレーのロケーションは美しく、柔らかな空気に満ちた映像が心地良かった。
地味目だけど、素敵な映画だと思う。
総評:★★★★☆ 好き度:★★★★☆+ オススメ度:★★★★☆
ミナの菊地凛子ちゃんがとても愉快。正真正銘日本人なのに、完全に”日系3世アメリカ人”にしか見えなかったし
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20年振りにロサンゼルスに降り立ったシナリオライターの道雄と、道雄の留学時代の親友で、かつてはTVのヒーロー番組の主人公を演じた事があるが、今はロサンゼルスのレストランで雇われ店長をしている大介。二人は、大介の結婚式を前にワインの産地ナパ・バレーへドライブ旅行をする事に。訪れたレストランでかつての片思いの相手、麻有子と再会した道雄は、彼女の成熟ぶりにショックを受け、ワインをガブ飲みして酔いつぶれ…。 gooより}}}
国境を超えてリメイクされる作品..... [続きを読む]
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... [続きを読む]
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おいしいワイン イッツ オンリィ マイン
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受信: 2009/11/04 23:13
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このサイドウエィ。彼らにとって間違いなく輝く思い出になったことだろう(笑) [続きを読む]
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受信: 2009/11/10 22:40
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【 60 -13- 1ヶ月フリーパスポート=8 】 今日は、朝5時起き、争議に入っているとある神戸の労組のオルグ&そこの経営者との折衝・午前と午後に二つの委員会・その次は運輸局を講師に迎えての学習会、ここんとこ多忙を極めて準備不足だったのにかかわらず、このすべてをもちまえの火事場力にて、なんとかかんとかこなしてきた(当社比)。
インプットとアウトプットのバランスが崩れてくると、なぜか眠れなくなる、いや、眠れなくなると言うよりも、夜中早くに目が覚めて、それ以降ちゃんと睡眠に戻れない、「あー寝なきゃ〜」... [続きを読む]
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コメント
小日向さんと生瀬さんの珍道中が楽しかったです。
こらこらワインでうがいすんなぁぁぁ!とかね。(笑)
何というか、日本人がアメリカでしたくても出来ないようなことをやってくれている気がして気持ちよかったかなって。ただ、4人が揃ったらみんな上手いんだけど、何か急に小ぢんまりしちゃった気がして。小日向&生瀬も別れて行動しちゃうし…。
まあリメイクなんでそこは変えられないんでしょうけどね。^^;
投稿: KLY | 2009/11/03 20:31
なんかね~
40過ぎてやっと
根を下ろす事にしました、
「もうええ加減おちつかなくっちゃ」
っていう2人でした。(笑)
かなり笑いました。
私もまわりもゲラゲラと。
ワイン云々というよりは青春プレイバックでしたが。
投稿: Ageha | 2009/11/03 22:35
■KLYさん、こんにちは
女性陣に出会うまでの珍道中とテンポの良い会話が愉快でしたね(^^)
アラフォーのロードムービーでは、登場人物が揃うとあんなものなのかもしれませんね。ハメをはずすにも大人にはどうしても限度があるし、内容も多かれ少なかれあの手のモノでしょうし。
ワインでガラガラは良くあるパターンだけど、どこだって大顰蹙ですよー(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/04 20:03
■Agehaさん、こんにちは
いつまでも少年の心を捨て切れずにいた「おっちゃん」たちでしたねー。
ゲラゲラまではいかないのはお土地柄かな?
私はププっ何度も吹く出していたけどw
で、私は「センチメンタルジャーニー」が頭に浮かびましたよ(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/04 20:08
ここぞとばかりカリフォルニア州観光局のCMが流れ出しましたね。
まあ、悪い事ではないですけど、どうせなら、
日系になりきってた菊池凜子あたりを観光大使にするとか・・・
なんて、考え過ぎかなーーー。
投稿: ひらりん | 2009/11/04 23:45
■ひらりんさん、こんにちは
凛子ちゃん、なりきってましたよね(^^;
もともとヘンなしゃべりの子だけど、見事にはまってたなぁーって思いました。
親善大使ってのも面白そうですね。
ただ、あれだけ知事に知名度があると、誰よりも宣伝効果がありそうですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/05 12:44
こんばんは!!
生瀬&小日向さんいいコンビでしたね。
期待通り楽しかったです。
ぶつけた車に石までぶつけてる2人の姿に・・
「まったく男ってヤツは~!」と思いましたよ(笑)
でもこの男の友情ってやつがなんかいいのよね~♪
女性人もとってもステキだったので・・
私としては恋愛よりもこの4人には固い友情を結んでいく
そんな姿がみたかったなぁ。
そんな関係に憧れてるのよねぇ・・(笑)
投稿: くろねこ | 2009/11/06 00:07
■くろねこさん、こんにちは
>「まったく男ってヤツは~!」と
ですよねぇ。
浅はかというか、浅ましいというか(笑)
ぶつけた傷と叩いた傷ってバレバレなんだけどなぁ。
>男の友情
そうそう、私もソコが好きです。
さっぱりとしててでも、きちんと相手を思いやっていて。
女が混じるとなかなか上手くいかないものですねー(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/06 19:37
たいむさん、おはようございます。
勇気がわいてくる映画でしたね。
僕としては、小日向さんの頭のことを麻有子と大介がいじるシーンは、「やっぱりな」と思いつつ、笑ってしまいました。
菊池凛子は、日本人というより、日系アメリカ人って感じでしたが、片言に聞こえる日本語が可愛らしく、英語を流暢に話す姿は逆に貫禄があったように見えましたね。
「バベル」では耳の不自由な女子高生を演じていましたが、日本語での会話と英語での会話とのギャップがあるところが良く、「バベル」とは180度違う印象を受けました。
アラフォー向けの映画かもしれませんが、20代の僕にも十分楽しめました!
投稿: ミスターシネマ | 2009/11/07 10:42
■ミスターシネマさん、こんにちは
道雄いじりは愉しそうでしたねw
現実のもああいう光景って良く合って、いいなーっていつも思いますけどw
凛子ちゃんはあんまり好きじゃないのだけど、世界に通用する女優さんになりそうな独特のオーラが感じられますね。
20代でこの映画の雰囲気を気に入るとはなかなか(^^;)
あーならないようにね(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/07 20:08
たいむさん、こんにちは^^
TB&コメント、ありがとうございましたm(__)m
道雄の「こひ」、なかなかいいですね~♪
ぼくもこの映画は凛子チャンがいいエッセンスになっていたと思います。
他の作品ではそんなに感じなかった等身大(やや若過ぎ)の
彼女のナチュラルな演技を観た思いでした。
人それぞれ、色んな人生と、そして様々な出会いがあっていいんですよね~♪
投稿: cyaz | 2009/11/11 08:57
■cyazさん、こんにちは
もともと凛子ちゃんは個性的なのだけど、今回は上手く絡み合っていた感じでしたね。
毎日どれだけ不特定多数の人々とすれ違っていることか。その中の、ほんの一握りの出逢いを大切にしたいものですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/11/11 19:39