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2009/11/23

アニメギガ(28)~アニメ監督:神山健治

第28回目のゲストはアニメーション監督の神山健治さん。美術スタッフ出身というちょっぴり異色な経歴を持つ監督で、代表作には『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ、『精霊の守り人』、『東のエデン』などがある。MCの渡邊さんも、村井さんもイチファンのように番組を楽しみにしていたのが良くわかる感じで、私個人としても良くぞ呼んでくれた!と待っていた回だ。

いつもどおりに監督のプロフィール&作品紹介からスタート。『攻殻S.A.C.』のダイジェストは事あるごとに使用されるし、本編も度々観ているものなのだけど、それでもしっかり見てしまう。素子ぉ~、バトーさーん、トグサくんっ!とお馴染みの面々が登場すると嬉しくなる。
でも、残念ながら番組のトークは、押井監督の事(当初は影武者になれれば良かった。初監督作品『ミニパト』では完全に模倣したつもりだったが、確実に現れ出た差異から自分の個性(作風)を見出すことになった。「攻殻S.A.C.」では随所に「GHOST IN THE SHELL」と同じ場面を挿入することでリスペクトしながらオリジナリティを表現している。”刑事ドラマ”になったことがその現れのひとつ)だったり、『攻殻S.A.C.』(草薙素子)の”縦の動き”(これも「GHOST IN THE SHELL」へのリスペクト。縦移動は非日常な動きであり、素子の超人性を表現している)だったり、サリンジャーに影響を受けている事(「S.A.C.」での”笑い男事件”や”ライ麦畑でつかまえて”の引用。10代の自分を自分の作品の中に残して置きたかった)だったり、当初ファンタジーは作りたくなかった事、それでも『精霊の守人』を作ったのは”人間ドラマ”だったからであり、そのためにリアリティあるファンタジーにこだわったこと※参考:『精霊の守人』徹底トークイベント、観覧。 ・ NHK:にんげんドキュメント「対話がアニメを作り出す~監督 神山健治~」 ・ 「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」)だったりなどなど、神山監督作品に触れ続けていれば、特典映像やオフィシャルログ、雑誌のインタヴューなど、必ずどこかで言われているのを見ている話ばかりだったように思う。
これもどこかで聞いたような気もするが、神山監督は高校で自主制作を始め(それが出来る学校を選んで進学したとのこと)、行き詰まりを感じたところで学ぶためにプロの世界へ入ったとのこと。(業界に”入る”事が目標ではなかったところがサリンジャー効果か?)、美術→脚本・演出→監督へとステップアップしてきた神山監督。美術スタッフあがりであることが、逆に背景美術監督との関係を円満にするような気遣いはされているようだ。
『東のエデン』について、制作動機だの、意識した点などはこの1年で何度となく語られてきた話で、おそらく11/28から公開の『東のエデン 劇場版Ⅰ The King of Eden』などのパンフレット等にも記載されるだろう内容なので割愛。

神山作品の緻密さは、作品に”構造を持たせる”(画面に映っていないところでも世界は動いており、それぞれの人生がある。それらを意図的に組み込んだり外したりすることで視聴者に”可能性の幅”を与える)ことで成立しており、それこそが神山監督が最もこだわっているところでもある。完全オリジナルである『東のエデン』では小説やCDドラマで補完されている裏ドラマがあり、画面に見え隠れしているモノを探すのも一興。
けれど、完全に計算しつくされている『東のエデン』のようでいて、世界は常に変化していることであり、”ニート”についてなどの既成概念を突破らって思考の角度を変えた時、既にスタートしていた『東のエデン』も軌道修正すべきだと判断されたようで、まさに「生きている作品」へと変化していったようだ。(それでも緻密に練り上げられてる作品だというのが素晴らしいが)。

次回作はまだ考えられないが、『東のエデン』より更に低い年齢層を中心にした作品をつくりたいという思いが漠然ながらも芽生えてきているらしい。その作品がオリジナルか否か、ターゲットが大人か子供かで大きく異なってくるけれど、どんな作品になるのかちょっと想像できない感じでもあり、実現される日を楽しみに待ちたいと思う。

神山監督にとっての「アニメーションとは?」との最後の質問には、「生きがい」と答えられていた。アニメがあって良かったとも言われており、神山監督も生涯現役を貫かれるものと思い、私もこれからもずっとずっと応援し続けていきたいと思っている。

※再放送は、2009/11/27 土曜日(金曜深夜) 午前1:15∼1:54[BShi]

次回は音楽家の梶浦由記さん。『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ好きの私にはとても思い入れのある方で、『ツバサクロニクル』や『Pandora Hearts』など多数のサントラCDを所有。2010年の一発目として嬉しくもふさわしいと思う人選に感謝!

放送日は、2010/1/24:月曜日(日曜深夜)午前0:20∼0:59[BS2](予定)

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