「幸せはシャンソニア劇場から」みた。
予告編では少年が目立っていたように見えたことから、もっと『ニュー・シネマ・パラダイス』のような物語かと思っていたが、主人公は少年ではなく親父の方だった (いや親父がスゴク良かったけど)。
親父:ピゴワルは、35年間ずっと週60時間労働で”シャンソニア劇場”を支え続けてきたスタッフのひとり。司会嬢でもある奥さんとの間には1人息子のジョジョももうけた。しかし、1929年の世界恐慌以降の不況のあおりをモロにくらうのは娯楽施設の宿命。1936年、ついに劇場は経営難から閉鎖へと追い込まれ、ピゴワルら劇場スタッフは失業者となる。ついでに奥さんは不倫の挙句に失踪。ピゴワルが落ちぶれてしまうのは無理も無い話だろう。そんな父親でもジョジョは大好きなんだね。こっそり父親の旧友にアコーディアオンを習い、しかも中々な腕前から大道芸人よろしく小遣い稼ぎをして密かに家計を支えていたりもする。
残念ながらそのことが切っ掛けでピゴワルは保護能力がないとみなされ親権を剥奪されてしまうことに。ジョジョは再婚している母親のもとへ引き取られ、さらに失意のどん底をさまようピゴワルとなる。・・がしかし、元仲間の1人が閉鎖された劇場を無断で解放。それに乗じてピゴワルは劇場の再起にすべてを掛けて奮起することになる。息子を取り戻すには定収が必要であり、一石二鳥を狙ったのだね。
不意に訪ねてきた劇場に縁ある娘をメンバーに加え、なんとか復活にはこぎつけるものの、観客を満足させるだけの出し物が無いのでは結局は元の木阿弥。劇場(娯楽施設)の安定維持には、優れた演出家と才能ある演者が不可欠で、常に新鮮でなくてはならないということが改めて思うところだ。
再び閉鎖となるシャンソニア劇場。またしてもどん底に落ちたピゴワルを救ったのは、移籍して実力をあげた娘であり、ジョジョにアコーディオンを教えた旧友、そして引き続き復活に尽力しようしている仲間たちと、ジョジョだった。ホントは条件を満たしていないのにジョジョが戻るのは反則なんだけど、ピゴワルの生命線だし、これなくして再起はないものとして良しとする。再会での合唱シーンは最高だったし
ジョジョの師匠であるマックスが演出したミュージカル仕立ての演目は大好評。映画としても最高の盛り上がりに涙をポロポロとこぼす私だった。そして人気と共に興行成績もうなぎ上りでいよいよ劇場を買い戻そうというときに悲劇は起こってしまうのだけど、決してそこで暗くなるお話ではなく、人々の温かさに最後の涙を浮かべるラストとなっている。
やっぱり音楽はイイね。心を潤す文化の極みだね(どっかできいたセリフだなぁ)。久しぶりに嬉しさからボロボロ泣いちゃう素敵な映画だった。
総評:★★★★☆+ 好き度:★★★★☆+ オススメ度:★★★★☆
父子の話以外にもいろいろな物語が絡み合ってることを捕捉しておかなくちゃかなw
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コメント
たいむさんこんばんは^^
これ最近のお気に入りの1作です。たまたまなんですがシネスイッチ銀座で見たんですね。あそこのスクリーンてちょっと高いところにあるんで、普段はちょっと観にくいんですが、今回は逆にクライマックスで自分がシャンソニア劇場に座って観ているかのようでした。そりゃもうぼーっと魅入っちゃいましたよ。
ホント素敵な映画でした♪
投稿: KLY | 2009/10/17 23:44
■KLYさん、こんにちは
こちらもようやく公開で、もうずっと楽しみにしていました。
思った通りの素敵な作品に満足ですw
シネスイッチ銀座は行ったことが無いけれど、テアトル新宿みたいに舞台とカーテンの劇場かしら?
雰囲気があってピッタリかもしれませんねw
投稿: たいむ(管理人) | 2009/10/18 09:49
こんにちは~♪
たいむさんのところでも昨日から公開だったんですね。
音楽のある映画って好き!
盛り上がるし、感動しちゃう率が高い!(笑)
ツボは笑えないモノマネ王子(ネーミングから凄いよね)かな~。
彼のお葬式で、友人たちがサイケなジャケットを着てるのもよかった。
投稿: ミチ | 2009/10/18 16:31
■ミチさん、こんにちは
ええ、こちらもこの土曜日からでした!
音楽モノは良いですよね!
でも、同じく音楽モノの「路上のソリスト」が同時に公開になったのだけど、こっちは重苦しくってね。見る順番を間違ったみたいです。
モノマネ王子は寒かった。。。(笑)
せっかくやり直したのに悲劇王になっちゃいましたね。
ピゴワル不在のお葬式は洋服の演出に泣き笑い。
素敵な映画でしたね。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/10/19 10:43