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2009/10/23

BSマンガ夜話:第36弾 (3) 「もやしもん」

第3夜は『もやしもん』(石川雅之)。しょっぱなからヤレ脚だヤレ後ろ姿だとマニアックな指摘が飛び交うような、3夜目にして一番”マンガ夜話”らしい盛り上がりを見られたような気がする。(「何ページのこの絵」とか例題を示しながら、みんなでパラパラページをめくるところが1夜も2夜もほとんどなかったように思うし)。
アニメから”菌たち”の可愛らしさの虜になった私としては、原作のドキツイ(人間の)絵が好きになれず1巻で読むのを止めてしまったのだけど(アニメは全部見た)、その後どんどん主人公:直保の影が薄くなっていったとか、女性陣+ケイがより強烈になっていったとか、ストーリーそのものがユラユラと揺れまくっている「もやしもんワールド」の話には、(夜中だというのに)大笑いしながら見ることになった。

「もやしもん」という作品は、彼ら専門家に言わせると、どうもマンガとしてカナリ型破りなモノになっているらしい。ゲストの山田五郎さん情報では担当編集者がマンガ部門では初心者で、またいしかわさんの推察によると原作者も、漫画のパターンに捉われていない)予想外な描き方をする、”漫画どっぷり”ではない漫画家ではないだろうかと言われ、”一般的”ではない路線へと平気で流れていけるような環境が出来上がり、それが奇妙にも上手く作用した結果が「もやしもん」なのではないかという話になった。
そして絵の話になり、やはり山田さから「脚・後ろ姿・斜め俯瞰」の3パターンの頻発が指摘され、「絶対に脚フェチ」とか、好き嫌い(力の入れどころ)が顕著に表れるタイプの人とか、『もやしもん』を語るというよりは原作者の”石川雅之”を分析するような展開に突入してしまった。
決して描けない漫画家ではないと思われるのに、同じであろうがなんであろうが好きなモノ・描きたいモノにはトコトン力を入れ続ける反面、どんどん菌よりに簡素化されていく主要キャラたちいて、好き嫌いありきの中でも全力投球で出来ている、もはや趣味に走りまくった作品(原作サイド)という評価に皆が頷くような感じになった。(特に男性陣)。
対して女性陣は「菌」よりの目線とリアリティある蘊蓄から漫画を楽しみ、人間模様も(絵も)ほとんどどうでも良いというような感覚で、どちらかといえば私はそっちにより頷けるかなぁーと思った。(個人的には絵が重要ポイントだから止めちゃった私だけど)。
結論として、ちっとも膨らまない人間関係(恋愛話)はじめ、(樹教授の陰謀説など)放置されたままの多くのエピソードなどから、実は既に「破綻」しているんじゃないかと思われるふしもあるけれど、今はその破綻すら良い具合にかもされて多彩なファンを掴んでしまっている事実からも、結果オーライ的な現状を続けていても良いんじゃない?といったところに落ち着いた。(個人的には収集が付かないまま終わるのがコワイなぁーと思ちゃうけどね)。

久しぶりのマンガ夜話。結局3夜(実質4夜)ともリアルタイムで見てしまってやや寝不足気味。11月末には早くも第37弾用の公開収録(お題は「リアル」:井上雄彦」)があるとのことで、次回は2月か3月か、早々に放送されるんじゃないかと期待する。
しばらく音沙汰がないアニメ夜話も気になるところだが、やっぱりトークはマンガ夜話の方が断然イイって改めて思った第36弾だったかな。

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コメント

私は原作もアニメも好きで、よくあのアクの強い絵でアニメ化できたと感心したもんです。
ただ、アニメは原作の持つ『熱』までは描けるところまで続いてない気がするんです。
私は酒や味噌、醤油のような発酵ものが大好きで、それらの持つロマンこそが『もやしもん』の凄みでもあるのです。
そんなもん、描いた人は誰もいなかったもの。

たしかにウンチク系ではありますが、ずっとずっと熱いんですよ。語り口が。
たしかに絵は個性的すぎるし、個人的にも女性キャラが拒絶状態に近くて全然入れ込めないんですが、読み進んでゆくとだんだん好きになっていって、可愛く見えたりもするのでやはり話作り、人間観察が上手いヒトなんだと思うのです。
実は最新8巻でかなり感動したんですよ、私。恋愛ネタもしっかり膨らんで進展してるんです。たしかにイマドキのノリではないけど、50〜60年代の映画ファンである私にはあの“時代遅れな純情”がよく分かるのです。
たいむさんのレポートを観る限り、この夜話を観たら、私「どこを観てんねん」と憤慨しそうな気がしてきました。

逆に言えば、『げんしけん』の作者のように、あまりにもヒット作が作家自身の投影であったが為に、他の作品では魅力を出し切れないのではないか…という懸念にも繋がる気がします。

ところで前回の井上雄彦氏。この前のドキュメンタリー番組が色々と物議を醸しただけに、次回のマンガ夜話が注目されるのは間違いなさそうですね。

投稿: よろづ屋TOM | 2009/10/24 00:22

■よろづ屋TOMさん、こんにちはsun
まずは最初に謝っておこうかしら?
もし私の記事で番組に嫌悪感を持ってしまったのだとしたら、それは私の力不足かなって。
私自身が原作を途中放棄しちゃってるので、初めて見て聞いたところをさらに私のフィルターをとおした形で書いてますので、ねじれているかもしれません。
番組は終始和やかで、決して作品や作者を貶しているような、悪意が感じられるトークではなく、アイのある討議だったことをフォローしておきたいです。確かに彼らの定規では作者を不可思議な人物と感じている方が多かったけれど、とにかく様々な魅力を兼ね備えた作品で、見る(読む人)によってそれぞれに愉しめるモノがあって価値を見いだせる作品と言うのが総評と思います。
“時代遅れな純情”もね、恋愛話については「全員が超奥手」みたいなトークもあったんですよ。

アニメしかまともに見ていない私には、残念ながらTOMさんのおっしゃる「熱」の部分がよくわかりませんが、きっと同じ角度から読まれている読者さんも多いかと思います。
いろいろつっ込まれる作品って、カタチは違えど本当に愛されているって思いますので、それぞれのアイは否定せずにそのままに受け入れたいですね。

>井上雄彦氏
「バガボンド」ではなく「リアル」ってところがマンガ夜話ならではって気がしますが・・・どうかな?
公開収録の回なので、番組は良いものになるんじゃないかな?楽しみです!

投稿: たいむ(管理人) | 2009/10/24 19:31

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