« 「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」みた。 | トップページ | DVD「24 -TWENTY FOUR- Ⅶ」(Vol.6-7)みた。 »

2009/09/03

「セントアンナの奇跡」みた。

Miracle_at_stanna なんの前知識もいれていなかったため、いきなりのズドンimpactには唖然としてしまった。てっきり戦争映画と思っていたわけで「え?サスペンスタッチなの?」と困惑してしまう私。けれどやはり戦争映画には違いなく、スドンimpactの発端がソコにあったという事を延々と見せてくれる映画だった。
いやー、結論が出るまでが長かったcoldsweats01

何故その殺人は起こったのか?
第2次世界大戦後、帰還兵(英雄)となったヘクターは善良なる市民としてごく平凡に暮らし、円満な定年退職を3ヶ月後に控えていた。そんな時期に残りの人生を棒に振りかねない殺人を犯したヘクターの心理は常人には理解しがたいものだ。さらにヘクターの自宅からは戦時中に行方不明になっていた、イタリアの彫像の頭部が大事そうに保管されているのが発見され、ますます不可解な事件になっていく。ヘクターの”殺人動機”はなんだったのか?それ説明するには長い長い昔話から始めなければならないものだった。
事の発端は「第2次世界大戦」にまで遡る。ヘクターらは”黒人部隊”として最前線に駆り出されナチス・ドイツと戦っていた。しかしアメリカでは人種差別が当たり前のように横行していた時代でもあり、白人士官との行き違いからヘクター・トレイン・スタンプス・ビショップの4人は孤立してしまい、途中トレインが拾った少年と共にイタリアはトスカーナの村へを堕ちのびることになる。トスカーナの村とてドイツ兵に囲まれており、決して安全地帯ではないのだけど、それでも一時の休息を求めて地元パルチザンらも集まってきて、”ヘクターの殺人事件”に繋がる役者が村に揃うことになる。(ちなみに彫刻は、戦地でトレインが拾い「神の御加護」があるとして後生大事に持ち歩いていた)。
ヘクターらアメリカ黒人兵とアンジェロ少年、捕虜となったドイツ兵にイタリアのパルチザン、そして村人。彼らがひと所に集まったのは偶然か必然か。出会ったことで無関係ではなくなってしまった彼ら。それぞれの過去と因縁が絡み合い、結果的に現在にまで持ちこされてしまった結末が”ヘクターの殺人事件”という、なんともまどろっこしい話なのだが、どこを省略しても疑問が残る出来事で、ならば全部聞くしかないという感じだ。

とにかく疲れる映画だった。それぞれの行動を追っている分、英語・イタリア語・スペイン語・ドイツ語が入り乱れ、場面転換もクルクルと頻繁で付いていくのが大変。時間の流れはひとつでも、人間の数だけ時間は流れているとつくづく思うところ。また、伊達にR-15ではない映画で、でもアニメちっくなカット割りや演出で軽減されて救われた気がする。

悲劇の中に”奇跡”を見るような、そして救われるラストにほっとする映画。殺人の動機はおそらく一言でも説明できるけれど、すべてを聞き終えて漸く溜飲が下がるような話。ラストは予想どおりなのだけど、救われる映画は見終わったあとが楽でいいやねw

総評:★★★☆☆++   好き度:★★★☆☆++   オススメ度:★★★☆☆++

ひとつ気になっているのが、ヘクターを救ったドイツ軍上級士官のその後。敗戦後に彼はどうなったのだろう?

|

« 「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」みた。 | トップページ | DVD「24 -TWENTY FOUR- Ⅶ」(Vol.6-7)みた。 »

コメント

こんばんは~。^^
スパイク・リー監督らしい相変わらずの問題作ですなぁ。しかも黒人差別だけじゃなく戦争の悲劇までからめてくるとは、上映時間が長くなっても無理ありませんね。^^;
でも、実際私はセントアンナの悲劇とか知らなかったんで、啓蒙されたという意味では監督の望みどおりだったのかななんて思っています。

投稿: KLY | 2009/09/04 00:36

■KLYさん、こんにちはsun
私も知らないことばっかりで、戦争映画はいつもそう。
人種差別がこんなところで、こんな風に表現されるとは思っていませんでしたし、とにかく見応えのある作品でした。

でも長い!
尻上がり盛り上がっていくのだけど、教会のシーンと村の一掃はキツカッタです。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/04 09:09

スパイクリーの映画、けっこう観てるわりに最近のはイマイチ合わなかったんですけど
こちらはラストが壮快でした〜。
前半はちょっとキツかったけど^^;
途中から面白くなりましたね。
もう少し短かったらもっと良かったかもhappy01

投稿: mig | 2009/09/04 20:17

たいむさん、こんばんは^^
見応えありました!とにかく長かったですよね(^^ゞ
ですが、珍しく睡魔には襲われませんでした(笑)

>とにかく疲れる映画だった

この一言に、クスッと笑ってしまいました(笑)
ほんと、疲れましたよねえ(笑)

予想外に残酷、残虐なシーンがあって、重い作品だった
のですが、ラストに救われて、気持ちが軽くなりました!

確かに、あの上級仕官のその後気になりますね(^^;
もののわかる、いい人でしたので、敗戦後、処刑とか
されてないといいのですが・・・

話変わってすみません(^^;
もうサブウェイ123ご覧になったんですね^^はやっ!
★が4つだったので、明日安心して観に行けます(笑)
感想アップしたらまたお邪魔しま~す♪

投稿: ひろちゃん | 2009/09/04 23:13

■migさん、こんにちはsun
前半、それぞれが絡み合うまでが長かったですねー。
もう少しコンパクトにまとめてもらえると助かりましたが、これだけの内容を詰め込もうとしたら、こうなっちゃうのかな?
「地獄の黙示録」じゃないけど、本当はもっと長かったんじゃないかな?なんて思ってしまいますねw

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/05 09:36

■ひろちゃん、こんにちはsun
そうですか、こんなに長いのに睡魔に襲われませんでしたか(笑)

肉体的もあるし、精神的にも疲れましたねー。
とにかく色々なことがあり過ぎて、頭の中を整理するのが大変。混乱することも多々あって、女性的視点からは、スタンプスに色目を使いながら、ビショップとデキちゃう彼女に「えええー」だったとかも。だれでも良いくらい寂しかったのかな?(^^;
戦争ってイヤですね。

昨日は休日出勤の代休でした♪
金曜はレディスデーで一律千円ですし、金曜公開万歳!ですw


投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/05 09:47

実はそんなに長い作品だとは全然思わなかったです。

>殺人の動機はおそらく一言でも説明できるけれど、すべてを聞き終えて漸く溜飲が下がるような話
全く、その通りですね!
長い回顧録でしたが、惹きこまれましたし、
女神が運んだ奇跡に、素直に胸がいっぱいになりました。

投稿: kira | 2009/09/05 10:39

■kiraさん、こんにちはsun
私は見る前に3時間近いと気づいてしまったので、覚悟していました。
でも、後半から加速していくので長さは言うほどには感じないのですよね。

>女神が運んだ奇跡
そうですね、やはりアレらは「奇跡」とするのが一番良さそうに思いました。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/05 21:35

こんにちは。TB&コメントありがとうございました。

最初のサスペンス調の展開から始まって、戦争や人種差別の悲劇を描いていくストーリー展開には引き込まれました。ハードな物語に、ほんの少しのファンタジーが隠し味として効いていましたね。

ドイツ軍士官はどうなったでしょうね。できれば生き延びていて欲しいものです。

投稿: えめきん | 2009/09/06 18:45

たいむさん、こんばんは!

確かに長かったし内容も濃かったので、観るのにエネルギーがいる作品でした。
スパイク・リーの作品でしたが、黒人視点だけではないところが新鮮でした。
レッテルで人を見がちですが、そうではいけないと感じさせてくれる作品でした。

投稿: はらやん | 2009/09/06 20:24

■えきめんさん、こんにちはsun
サスペンス調によって「つかみはOK」となり、基本的には戦争やそれに伴う悲劇的なアレコレだったけれど、ミラクルな締め方で後味もすっきりした気がしています。

ドイツの仕官さん。戦犯で裁かれていないと良いなーと思ってしまいますが・・・

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/07 12:29

■はらやんさん、こんにちはsun
マジレスで失礼しました(^^)
戦争のことに限らず色々な問題が凝縮されてましたね。とても見ごたえがありました。
「奇跡」を絡めて軽くしてくれたのは意図的なものでしょうか?
おかげで救われた気分ですけどw

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/07 12:31

こんにちは♪
やっぱり長かったよね、コレ。
眠くはならなかったのだけど、中だるみしたような気もする~。

子供を逃がそうとするドイツ兵がいるのはなんとなく分かるの。
無駄な殺戮をしないナチス将校がいるのも分かるの。
でも、そこで自分の拳銃を渡すかな~?なんて思っちゃった。
それこそがセントアンナの頭部のご加護なのかな?

ヨーロッパ戦線にもたくさんの黒人兵が行ってたんだねぇ。
頭の悪そうな白人の上官にムカつきました~(笑)

投稿: ミチ | 2009/09/07 22:23

■ミチさん、こんにちはsun
明るい作りで、中~後半に怒濤の展開になっていくから眠くなったりはしないけれど、集結するまでが長く感じました。

>でも、そこで自分の拳銃を渡すかな~?
うん。私もえ?ってなりましたが、冒頭のアレに繋がると思えば・・・なのかな?

はっきり言って予定調和も多いファンタジックさが満載でした。
「奇跡」ってことで、最初からファンタジーなのかもしれないけれど(^^;

白人だってだけで威張り腐る愚か者はむかつきますねー。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/08 20:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106009/46100294

この記事へのトラックバック一覧です: 「セントアンナの奇跡」みた。:

» セントアンナの奇跡 [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
 『女神は<奇跡>を、 人に託した 運命より強く、 この子を守りたい』  コチラの「セントアンナの奇跡」は、第二次世界大戦下の1944年のフィレンツェと現代1983年のニューヨークを舞台に、実話を基にしたスパイク・リー監督による7/25公開のR-15指定の戦争サスペン....... [続きを読む]

受信: 2009/09/03 20:53

» セントアンナの奇跡 [LOVE Cinemas 調布]
スパイク・リー監督最新作。社会派で常に人種差別問題を提起してきた監督らしく、今回もその信念が息づいている戦争ドラマです。メインの出演者は「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー」デレク・ルーク、『7つの贈り物』のマイケル・イーリー、ラズ・アロンソ、オマー・ベンソン・ミラーの4人。2時間43分の大長編です。... [続きを読む]

受信: 2009/09/03 23:51

» セントアンナの奇跡 / MIRACLE AT ST. ANNA [我想一個人映画美的女人blog]
{/hikari_blue/}{/heratss_blue/}ランキングクリックしてね{/heratss_blue/}{/hikari_blue/} ←please click スパイク・リー監督の3年ぶりの最新作。 スパイク・リーの映画では音楽も最高!な「モ・ベター・ブルース」が好き。 その後の作品もけっこう観てるんだけど、どうもここ数年のはわたしには合わなくて。 (いや今また見直せば昔観たのはまた違う感想になるかな?) これまでもアメリカ社会における黒人の姿を描いてきたスパイク・リー。... [続きを読む]

受信: 2009/09/04 20:15

» ★セントアンナの奇跡(2008)★ [CinemaCollection]
MIRACLEATST.ANNA女神は<奇跡>を人に託した映時間163分製作国アメリカ/イタリア公開情報劇場公開(ショウゲート)初公開年月2009/07/25ジャンルドラマ/戦争/ミステリー映倫R-15【解説】社会派の名匠スパイク・リー監督が史実をヒントに綴られた同名小説を映画化した戦...... [続きを読む]

受信: 2009/09/04 23:15

» セントアンナの奇跡 [to Heart]
女神は<奇跡>を、 人に託した 原題 MIRACLE AT ST. ANNA 製作年度 2008年 上映時間 163分 映倫 R-15 原作・脚本 ジェームズ・マクブライド 監督 スパイク・リー 出演 デレク・ルーク/マイケル・イーリー/ラズ・アロンソ/オマー・ベンソン・ミラー/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ヴァレンティナ・チェルヴィ/マッテオ・スキアボルディ/ルイジ・ロ・カーショ/ジョセフ・ゴードン=レヴィット 社会派の名匠スパイク・リー監督が史実をヒント... [続きを読む]

受信: 2009/09/05 00:57

» 「セントアンナの奇跡」 枠組み思考の悲劇 [はらやんの映画徒然草]
印象深いシーンがありました。 登場人物が神に祈りを捧げているシーンです。 アメリ [続きを読む]

受信: 2009/09/05 08:04

» セントアンナの奇跡 [5125年映画の旅]
アメリカの郵便局で一人の男が射殺された。犯人は黒人の男で、動機はおろか被害者との関係も全く不明だった。そんな中、犯人宅から女神像の頭が発見される。それは、大戦中に行方不明になっていたフィレンツェの橋の一部だった。何故、犯人はこんなものを所持していたのか...... [続きを読む]

受信: 2009/09/06 18:29

» 映画 【セントアンナの奇跡】 [ミチの雑記帳]
映画館にて「セントアンナの奇跡」 スパイク・リー監督が同名の小説を映画化。 おはなし:1983年、平凡な黒人の郵便局員が客を射殺する不可解な事件が発生。この事件の背景には、第二次世界大戦中のイタリアでのとある出来事が隠されていた・・・。 ベトナム戦争モノには黒人兵がたくさん登場するのですが、第二次世界大戦モノではあまり目にしません。当時はまだまだ人種差別があり黒人は後方での建設、補給・輸送など、日の目が当たらない割に疲労の激しい部署に回されていたとか。それでも25万人もの黒人兵が従軍していた... [続きを読む]

受信: 2009/09/07 22:20

» mini review 10438「セントアンナの奇跡」★★★★★★★☆☆☆ [サーカスな日々]
第二次世界大戦中のイタリアで実際に起きた虐殺事件を基に、兵士の葛藤(かっとう)と心の交流をサスペンスタッチでつづる戦争ドラマ。『マルコムX』のスパイク・リー監督が同名の小説を映画化し、リアルな戦闘シーンだけではなく、人種を超えた人間の尊厳と希望を見事に描き切った。主要な4人の若き黒人兵を、『大いなる陰謀』のデレク・ルークや『7つの贈り物』のマイケル・イーリーらが好演。戦争の無意味さや、人間の温もりがダイレクトに伝わってくる。[もっと詳しく] 「奇跡」があったかなかったかということより、「奇跡」を... [続きを読む]

受信: 2010/02/08 21:53

« 「ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~」みた。 | トップページ | DVD「24 -TWENTY FOUR- Ⅶ」(Vol.6-7)みた。 »