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2009/09/09

「3時10分、決断のとき」みた。

310 男の生き様をしかと見届けたぞ!って思うバリバリの西部劇。
逮捕した強盗団のボス:ベン(ラッセル・クロウ)を監獄のあるユタ行きの列車に乗せるため、報酬目当てで護送の任に志願した傷痍軍人で現在は牧場主人のダン(クリスチャン・ベイル)。
コンテンションの駅までの危険な護送の旅の中で、正反対な立場の2人の間に芽生えるモノ。それは決して友情などではないけれど、確かに通じあっていた。グっとくる映画だった。

各地で20件を超える荒っぽい強盗を繰り返し、リスク回避のためには身内の犠牲も厭わない冷酷無情な強盗団のボスがベン・ウェイド。対して、片足を失ったことから除隊を余儀なくされ、病気の息子の療養のために砂漠地帯で牧場を経営しているダン・エヴァンス。しかし、町の有力者の裏工作から借金をするように仕向けられ、借金のかたに痩せた土地をも奪われる寸前に陥っているダンだった。
ベンは荒くれどもを束ねるだけあり、”神の手”と噂される凄腕の早打ちというだけではなく知性にも長けた男で、手下たちから慕われ尊敬されていた。そんなベンが不覚にも逮捕されたなら、手下たちがベンの奪還にくるのは当然のこと。偶々逮捕劇の場に居合わせたダンは200ドルの報酬を求めて護送の手伝いを引き受けることになる。
ベンの手下たちを欺いて、コンテンションの駅へ急ぐ護送団ご一行様。長い旅路の中、ベンは事のほかダンに興味を持ち、あれこれ話しかけるが取り合うダンではなかった。油断からベンによって次々護衛の仲間を失うことにもなるが、ベンとダンは時に協力しあうなど、次第に互いの本質的な何かを感じ始めて行くのだった。
いずれにせよ、ベンは仲間のもとへ戻りたいし、ダンは列車に乗せなければならないという使命があることに変わりはない。けれど、いざコンテンションに到着し、列車を待つばかりとなったところで、手下たちが追いつき、ベン奪還のために容赦のない攻撃を始めたところで、相容れない2人の間に成立したモノがあった。答えていなかったベンの質問に対するダンの答えから、ダンの命懸けの決断の裏にあるモノに共感したベンだ。ダンの為にひと肌脱ぐ結論を出したベンは、それだけ自信に満ちていて、盗賊にしておくには勿体ないくらいの器のデカい奴なんだよね。

ダンのこと、息子のこと、ベンの手下のこと、ベン自身のこと、そしてベンの馬。きっとそうなるんだろうな、と思ったとおりの結末。けれど”神の手”による爽快感と決してバットエンドではない余韻が残された気持ちの良いラストだった。期待どおりに奥深くてカッコ良い西部劇だった。

総評:★★★★☆+   好き度:★★★★☆   オススメ度:★★★★☆+

まだ痩せていたころのラッセル。いつになったらこのくらいに戻ってくれるかしらね?

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コメント

たいむさんこんばんは!
たいむさんも評価たかいですねぇ。てか単純にすごい面白かったです。何でこんなに日本で公開遅かったんだろう。西部劇だからって話をどなたかがしてましたけど、日本人て西部劇嫌いじゃないと思うんだけどなぁ。(笑)クリスチャン・ベイルが久々に相方に喰われないで存在感を出してましたよね。ラッセル相手にこんなんできるなら、『ダークナイト』や『ターミネーター4』はなんだったんだろう…。(苦笑)

投稿: KLY | 2009/09/10 01:24

■KLYさん、こんにちは
こちらもやっと公開になりましたが、ほんと日本になんでもっと早く公開しなかったのでしょうね?
私も日本人が特別西部劇を敬遠しているとは思いません。

『ダークナイト』も『ターミネーター4』も、個性の強いサブキャラだっただけに、正統派すぎが存在を薄くしてしまいましたが、私はけっして悪いとは思っていなくって・・・。時の運がないのかな?
ラッセルはまず痩せてもらわないとだけど、ベイルは変わらずこれからも期待してます!

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/10 19:13

>決してバットエンドではない余韻が残された気持ちの良いラストだった。
そうだ!決してバッドエンドではない!ですよね。
私は、ラストはああいう風になるとは思わなかったですよ(涙)
ラッセルもベイルも息子役のコも、みんな良かったです!!

投稿: あん | 2009/09/10 23:38

■あんさん、こんにちは
こちらもやっと公開です(^^;

>バットエンド
ダンはちゃんとウィリアムの言葉を聞いたし、決断の中には覚悟もきっと含まれていたはずと思えば、バッドエンドには思えないですよね。
しかもベンが仇をとってくれたし。
そんなベンは脱獄を前提にダンの覚悟にのって、台無しになったけど、ちゃんと列車に乗って、お馬さんをしっかり呼び寄せる・・と。
やはりバットエンドじゃないなぁーってね。

役者がそろってましたねー(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/11 00:09

たいむさん、こんばんは☆彡
さすが~~たいむさん!すべて予測ついちゃったんだ(笑)
私なんて最後どうなるんだろう?とドキドキハラハラ
もんでした(笑)ものすご~~く久しぶりに観た
西部劇で、こんなに感動するとは思ってもいませんでした(^^;
ダンとベンの二人の間に芽生えたのは友情では
なかったと私も思いますが、心は通じあいましたよね(T^T)
ジョニーファンはラッセル苦手な人が多いのですが(笑)
このラッセルはカッコよすぎ~ステキでした(*^o^*)
ベイルはストイックな役柄が好き(マゾ?笑)
ですよね~ラストの真相(心情)告白が見せ場で
泣かせて頂きました(笑)
こう言う作品好きだわ~~♪

投稿: ひろちゃん | 2009/09/15 23:39

■ひろちゃん、こんにちは
すべてじゃないけど、早撃ちはどこかで出てこなくちゃヘンだし、となると、ねぇ(^^)
でも、ダンの足のこととか、心中とかまでは読めませんでしたから、グッと来ましたよー。

ベイルは食われっぱなし・・とか言われて不憫に思っていたけれど、こんなに良い作品に出てたじゃないですか!
SF系じゃないほうが良さそう??

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/16 21:41

あけましておめでとうございます~♪
旧年中はたいへんお世話になりありがとうございました。
今年もたくさんお話させていただきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いしますね。
いやぁ~これは本当しびれましたね~。
男の生き様、ロマン、素敵でした。
ラストは悲しいけど、爽快でしたよね。

投稿: miyu | 2010/01/03 20:46

■miyuさん、明けましておめでとうございます
>男の生き様、ロマン、
ですよねぇ~~~~。
期間限定公開だったのだけど、見逃さなくってホント良かったって思ってます。

昨年はたくさんお話出来ましたね。
今年もいっぱいお話いたしましょう!

投稿: たいむ(管理人) | 2010/01/03 23:27

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