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2009/09/27

劇場版「空の境界 -第七章-殺人考察(後)」みた。

Gate_of_seventh_heaven 【式。君を ―――― 一生、許さない。】
これは第七章のコピーだが、「許さない」には「はなさない」とルビが振ってあるあたりで、たぶん結果的にはハッピーエンドなのだとほぼ確信しての鑑賞。なんというか”幹也の根拠なき確信”をさらに信じる、そんな希望的観測の二乗のような感覚だったりもするのだけど、どちらに転んでも成立するだろう物語なので、なんらネタバレを仕入れることなく鑑賞した。

状況証拠では、常に式は限りなく”黒”に近いと示していたこの物語。それでいて「式は誰も殺していない」という証明のようなモノを次々と見せつけられて”白”だと確信を強めてしまうエピソードでつづられている物語だった。
・・はたして【解決編】での結果はというと、幹也の希望的観測も、私の希望的観測も、裏切られることはなかった。正確に言えば、幹也の懇願を事実上式は反古にしたことになるのかもしれないけれど、「許さない=離さない」なのであれば、もはや”手遅れ”だったことからも、”世間的にお咎めなし”に繋がる「正当防衛」という解釈に転じたってことになるんだろうな。とはいえ、式への抑止として「(殺したら)許さない(ゆるさない)」とは幹也にしては良くぞ言ったもので、幹也が式の弱点に足り得ていなければまるで意味のない言葉。幹也としても4年という歳月と全身全霊を掛けた式への深い愛情の勝利を確信していたものと思われ、幹也的にももはやどちらに転んでも・・・だったのだろうと思うところではある。(それは、隠されていた第二章「殺人考察(前)でのラスト部分のやりとりや出来事が明かされることで、”根拠なき確信”の裏付けのようなものが幹也にはあったと判ったから思うことでもあるのだけど)。
それにしても、幹也はしぶとく、我慢強かった。4年の間に心も体もより強く大きくなっていた幹也。ようやく辿り着いた真実も事実も過酷なものだったし、今回式のために失った代償は決して小さくはなかったけれど、それでも良かったねとしみじみ思って泣けてくる結末。本当に良かった、彼が報われて。
・・ということで、私にとっての『空の境界』とは「黒桐幹也」の物語だった。世界観とか概念とかも興味深かったし、アクションも見どころだろうけど、やっぱりどこまでも揺るぎなく静かに闘う幹也を魅力的に思い、彼が”普通”で決して”白馬の王子様”じゃないところも好きだと思う。

とにかく、シリーズ初心者の私としては納得の行く最終章を迎えられて嬉しく思う。これで劇場版シリーズは終了となるが、折角なので近いうちに小説で補完したいと思う。それにしても、基本エログロ系なところは覚悟していたが、七章は予想外にそういった描写は多くなくて助かった。小説を読むことを考えると視覚的にキワドイものが脳裏に焼き付くとキビシイもんね。

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コメント

いや~、実際キツかったですよ。
結構エロくなかったですか?
キモくなかったですか?

文庫化されてますが
ノベルズの段階で原作は読んでいて
どう映像化されるのか楽しみでした。
う~ん、内容が内容だけに絵で見せられると
キツイ部分もあったものの、
ラブストーリーとしては
かなりスイートなものでした。
内容とのギャップがアハハハハ~。
特に最終章はね。(笑)

投稿: Ageha | 2009/09/27 17:51

■Agehaさん、こんにちは
うん、キツくなかったとは言いませんよー。でも、「痛覚残留」よりはマシじゃないですか?(^^;
とはいえ6章のラストで食ってるシーンを無防備にも見てしまったときには軽く吐き気をもよおしたので、このシリーズを観るときは予測して回避するように自己防衛していたこともありそーですw
慣れたくないですしねー、こういう描写は。

あら文庫にもなってましたか。さすがご職業がらですねw
私は程よいノベルズ版の中古を安価でしいれました。先に映像と音がある分サクサク読めて良いですが、やはりエログロはささっとスルーです(^^;

>ラブストーリーとしてはかなりスイート
でしたね(#^^#)
互いにゾッコンなのに、歯がゆいったらないしねwプラトニックというよりはピュア♪
でも、嬉しいですよ、収まるところに収まってくれて。
同人系では続編もあるとか。気にはなりますが、同人系はちょっと苦手です。でも、原作者の同人誌であり、2次創作とも違うから読んでみたい気はするけれど。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/09/27 18:56

こんばんは。

こちらでもようやく公開になりました。

『空の境界』というシリーズ全体で見れば全然納得出来るラストですが、『殺人考察』という物語の結末と考えると、あのオチは少々甘ったるい感がありましたね。黒桐の告白は、エピローグまで引っ張って欲しかったです。

シリーズ全体を評価すると、完全にアニメファン、原作ファンを対象にした内容でしたね。エログロといい、話の難解さといい。
もう少し一般向けの配慮をしてくれても良かったと思います。

投稿: えめきん | 2009/10/13 23:07

■えきめんさん、こんにちは
あら、まだでしたか。えきめんさんトコのほうが断然都会ですしとっくの昔かと思ってました。

実際のところ、エログロもラブも萌えもアクションもみんな詰め込んであるマニア向けの作品ってことなのだと思います。だからどれもこれも「思いっきり」。
大いに痛いし、大いに甘い。

小説を読むとコトバの難解さはあまり感じられませんでした。世界観にしてもかえって文章だから四苦八苦説明しているところがあり、映像での一目瞭然のほうが分かりやすいともいえます。(特に「矛盾螺旋」とか)。
でも、確かに「素」で一般人が見るには優しくない作品だと私も思いました。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/10/14 12:45

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