「９６時間」（試写会）みた。

『24』のジャック・バウアー（小山力也氏）による面白ＴＶＣＭ予告編がＯＡされているが、確かにジャックが”4倍（96）”に嫉妬(?)するのも納得できるような、なんでもアリで全く容赦ないブライアンの暴走っぷりが凄い映画だった。
誘拐された娘の名前が「キム」で同じなのは偶然か？いずれにせよ原題『Taken』に対して邦題は明らかに『24』を意識してる？って思うけれど、見れば頷けるし、何よりオヤジが頑張るアクション映画もなかなか良いものだと思った。
（以下、内容に触れているのでご注意を）。

政府の元（凄腕）秘密工作員のブライアン。仕事がもとで離婚した妻は一人娘：キムを連れて資産家と再婚。しかしブライアンにとってもキムとの完全別離は耐えがたく、思い切って工作員を引退、近くで娘を見守ることを決意したばかりだった。長いこと危険な裏世界で生きてきたブライアンなだけに、キムに対しては過保護ともいえる心配のしよう。「フランスへ友達と旅行がしたい」というキムの希望に対しては言語道断と言わんばかりだ。とはいえ、娘に嫌われるのが何より辛いブライアンなだけに「逐一連絡を入れること」などいくつか条件を付けてしぶしぶ許可することに。すっかり有頂天なキムだが、世間知らずで隙だらけなのは一目瞭然。同行者が軽率で思慮の浅い友達だったことも災いし、フランスへ着くや否や人身売買を得意とする組織に誘拐されてしまうのだった。
飛行機はすでに到着しているのに、一向に連絡を寄越さないキムにイライラなブライアン。キムも折角の楽しい旅行に水を差す過保護な親にウンザリ気味だが、結果的にブライアンとの通話がその後のキムの運命を大きく左右するのだがら、親の心配（愛情）は有難く思わないとね。
「96時間」とは、キムが拉致されてから売り飛ばされるまでに掛る時間で、救出可能なタイムリミットとのこと。以後は足取りどころか手掛かりすら得られなくなるというデッドラインとも言えるようだ。
なんとしてもタイムリミットまでにキムの居所を捜しあてようと、感情のままに突き進むブライアン。誘拐に関わった者には一切手加減することなく、情報提供者でさえ情け容赦なく制裁を加える。（つまりは皆殺し）。「悪」を完膚なきまで叩きのめす割り切りっぷりが爽快といえば爽快だけど、あまりの黒さと非情さにはやや唖然としてしまうところも。
なんらかの組織に所属していれば「ルール」という一線があったり、越えても「任務」という体裁で取り繕うことが出来そうだけど、今や完全に私人で私事な状況にリミッターなどあろうハズがなく、つくづく「恐ぇ～」と思った次第。まぁ裏世界では、人身売買された少女たちがどんな目に合うのか散々見てきたわけで、実の娘がダーゲットとなれば理性なんぞぶっ飛ぶわなぁ、ってキツくてキワドい内容ではあるんだけどー。
銃撃戦、格闘戦、カーチェイス、なんでもありな上に頭脳的でスマートな面もみせてくれる、まさしく元(凄腕）秘密工作員のブライアン。もしかしたらジャック・バウアーの上かもしれないの個人的都合だけの爆走っプリを堪能！

総評：★★★★☆+　　　好き度：★★★★☆　　　おススメ度：★★★★☆

しかし、いくらペアの試写会で夏休みとはいえ小学生の男の子を連れてきていたお父さん。一応R-12なんだし、内容くらいはリサーチはすべきだったのでは？