『3月のライオン(3)』 羽海野 チカ (作)
今回も親友(?)二階堂くんが零のために良い仕事をしてくれた♪
『兄者に 桐山のアタマをかち割ってやって欲しいのです』
かつて暴走してた自分自身が零に救われて恩義と友情を(勝手に)感じちゃってる二階堂くん。それ以来ずっと零を客観的かつ冷静な視点で見つめているだけに、零が心に抱えているモノを察し、そのため視野が極端に狭く偏っていることを看破した二階堂くんなのだろう。『兄者』とは、3巻での【獅子王戦挑戦者決定トーナメント】で零が対戦する相手:島田八段のことで、幸田の義理姉をめぐって因縁のある後藤九段にも引けをとらない大先輩棋士だ。零はこの島田八段を下せば後藤と対戦することになるのだが、すっかり自己中心的な思考回路に陥っている零に対して、それほど将棋の世界は甘くはない、というもの。
「ああ、今、この段階でポッキリと折られて良かったね、零くん」と思うお話だった。
実際にはこれまでも何度となく折られている零なワケで、特に川本三姉妹と出会ってからは自分を見つめなおすことが増えてきている零なのだけど、今回の敗北は他の”気付き”と共にリセットと前進の役割を大きく担うことになったようで、癒されて再生し始めた零のカタチが見えてきたようで嬉しくなった。
大人として一人でやることを、独りになることと思い込んでいた零なのだね。
零の理解者のひとりともいえる担任の先生もナイスアドバイス&フォロー。欠席ガチで留年の危機に陥っている零を親身になって助けてくれる。元来将棋ファンだったことが縁を深めたといえばそうなのだが、一教師として精神的に不安定な生徒を見る目は確かなのだね。
『1人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。-でないと実は 誰も おまえにも 頼れないんだ』
名言です!
必要とされることの嬉しさ、すなわち存在の肯定。みすみす自分から手放していた事実。
(カットのどこにもウロコはないけれど)零の見開いた目からウロコが落ちたのが見えた気がした。だって、私の目からも落ちたから。
そしてその言葉を実行するかのように、零の口から発せられる願い。
アタマをカチ割られて、目を見開かされて、ひとつ壁を乗り越えた零。まだまだだけど最初に比べればものすごい前進!
『3月のライオン』は本当に【様々な人間が、何かを取り戻していく優しい物語】だと思う。
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コメント
二階堂のオシゴトは本当に立派だった!
零君よりもある意味大人だよね~。
>1人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ
うん、本当に名言!
たいむさんも頑張り屋だからあまり人に頼らないタイプなのではないかしら?
私は「どうにもならなくなる」前に人に頼ってしまうタイプだわ(汗)
もうちょっと頑張ってみろ自分、って感じだわね。
投稿: ミチ | 2009/08/22 15:08
■ミチさん、こんにちは
こちらにもありがとうございます!
見た目は可愛らしい二階堂くんなのだけど、おぼっちゃまな割に大人ですよね。
零くんも二階堂くんの友情をしかと受け止めてほしいなって思いますよ。
いや~、私は根性無しですよ(^^;
それで毎年「まず決める、そしてやりとおす」を新年の目標に挙げるんですから(笑)
でもそれでなんとか体裁を保てるようになったこの頃かな?
頼るのって悪いことじゃないんですよね。頼り方を間違わなければ、ですけど。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/08/23 23:17