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2009/08/11

「のだめカンタービレ」22巻

Nodame22 1年ぶりの新刊!
最終章ということで、千秋とのだめの間に立ちはだかる最後の試練という感じ。シュトレーゼマンのチャチャが入ったことで事態はより深刻かつ複雑に。互いに想い合ってるというのに、どうしてこんなにもすれ違ってしまうのか?
「これから」という感じで何一つ決着をみない22巻で基本的にはシリアス路線だけど、しっかり笑いの要素も盛り込まれているのが『のだめカンタービレ』。読み応えアリ!
(以下、ネタに触れていますのでご注意を。)

千秋とRuiの完璧な演奏にショックを受け、糸の切れた凧のようになってしまったのだめ。思い余って千秋にプロポーズという切り札までも使ってみるが、到底千秋が頷くはずもなく。そんなのだめの糸を掴んで引っ張ったのはシュトレーゼマンだった。
「千秋を踏み台にして、飛び立つ時デース!」と、何を思ったのか本気でのだめを自分のロンドン公演でデヴューさせるという。実際、決まっていたプログラムまで変更してピアノ協奏曲を組み込んでしまったシュトレーゼマン。無名のピアニストの抜擢にはオケもスタッフも興味津津。しかし開けてみればビックリ箱 (玉手箱か)。リハの段階でのだめの強烈な個性に誰もが魅了されることになる。(ミルヒと呼んでシュトレーゼマンを思いどおりに動かす”のだめ”には、そりゃ一目も二目も置かざる得ないしねw)
そのころパリでは「病欠届」を出して姿をくらましたのだめに仲間と学校側が戸惑っていた。イタリアで連絡を受けた千秋はに思い当たるところすべてに連絡してみるものの、のだめの行方は一向に知れない。やがてエリーゼからの問い合わせでようやく居所を掴むことなるが、問い合わせの内容からロンドン公演デヴューという寝耳に水な情報に唖然とする千秋。そして戸惑いながらも公演当日にはしっかりロンドンへと向かう千秋。
ロンドン公演は大成功!会場の度肝を抜いた個性的なのだめの演奏は大絶賛の嵐となる。そして千秋は思う、「”天使”はオレか」と。
・・圧倒的なのだめの演奏に、シュトレーゼマンのいう”踏み台”を自覚した千秋という感じなのだけど、私としては「本当にそうなの?」と思うところ。確かにのだめは千秋の「天使」だったけれど、千秋とのだめ、2人が出会ったから両方に結果が付いてきただけで、どちらがどうとかないと思うんだよね。相乗効果。いずれにしても結果論で物事を見始めたらオシマイだよなってね。
それにしても、公演後にのだめの楽屋へ向かう千秋だったが、のだめの拒否をくらってそのままトンボ帰りすることになるのがちょっと切ない。千秋には会いたいけれど、どこかしら後ろめたさが先に立つのだめだと感じられるから許せるけど。結局、この2人は互いが大事で、互いを愛していて、「2人で演奏したい。2人で至上の喜びを分かち合いたい」と思ってるってことなんだよね。

満足な演奏の後には燃え尽き症候群の傾向があるのだめ。派手なデヴューを飾った無名のピアニスト”のだめ”の評判は世界を駆け巡って一大センセーションを起こしているにも関わらず、すっかり抜け殻化して「もう弾けない」と言い残して失踪。(ちなみに失踪先はエジプト)。のだめ失踪の報は千秋にも届くが、のだめのことでは思考が定まらず沈没した状態の千秋で、さらにエリーゼから「ブラジル公演」を押しつけられるなどなど、探すに行く余裕などどこにもなし。(ここですべてを投げ打って探しに行かないのがこの漫画の良いところと思うけど)。
そんな符抜けた千秋の前に現れたもう一人の千秋...・・というところで「つづく」となった22巻だ。

・・のだめにとっての「救世主現る?!」と思いきや、実はドンデモないことをしでかしちゃったシュトレーゼマン。音楽家同士旧知だったシュトレーゼマンとオクレール先生。のだめのデヴューはオクレール先生の耳にも届いており、たまたまロンドンでばったり遭遇した際には「何もかも台無しだ」とシュトレーゼマンを散々に批難するオクレール先生だった。時間をかけて大事に一つずつ積み重ねてきたものを一晩で崩されてしまい、周囲が騒ぎだしてしまった今、この先どう生きていくかはのだめの判断に任せるしかなくなってしまったようだ。
シュトレーゼマンにしてみれば、ちょっとした悪戯心と親心が入り混じった軽い気持ちだったのだろう。聴力の不安もあっただろうし、自分自身に退屈(鬱屈)していたものもあったのかも知れない。事実、「あなただけツヤツヤして」とオクレール先生に指摘されているように、のだめとの「最高に楽しい音楽の時間」はシュトレーゼマン自身にも命を吹き込んでいた。のだめを利用した、といえば聞こえが悪いけれど、そういうことも多少なりともあったんだろうね。

確執だらけの父親との再会が千秋にどんな影響を与えるのか。(すっかり弱ってる千秋だから反発する元気もなさそうだけど)。
「もういいよね?」なんてすっかり引退モードののだめがエジプトで何を学ぶのか。
今度はのだめが”人生のすごろく”で立ち往生・・・というカットが面白い予告編だか、内容はかなりシリアス??23巻は11月発売予定とのこと。”いよいよクライマックス”から最終巻となるか?!待ち遠しいぞ!!

実写版『のだめカンタービレ 最終楽章』:前編は12/19劇場公開、後編は2010年春公開予定。アニメ第3期『のだめカンタービレ フィナーレ』は2010年1月から”ノイタミナ”にて放送!
すべての”のだめ”がみたび動き出してとても嬉しい!!

「のだめカンタービレ 23巻」感想 

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コメント

オリジナルアニメーションDVD付き初回限定版コミックス22巻を買いました。
コミックスはまだ読んでいませんが^^;、アニメは松田幸久@東地宏樹さんの破壊っぷりがもの凄くて面白かったです。最後に高橋くん@石田彰さんに迫られた松田さん。キャーっ!(^o^) サラとベリエスの関係もぶち壊しです(笑)。

投稿: ayuto | 2009/08/16 10:21

■ayutoさん、こんにちは
わぁ~良いなぁ。
ギリギリまで迷ったのだけど、アニメDVDも買ってないから今回は通常版にしました。
そっか、高橋松田が大暴走ですか(笑)
「パンドラ」で毎度のように暴走しているブレイクに満足していますが、東地さんの分だけ「のだめ」が面白そう。

いよいよ今週ですねー。
会場でお会いできるかしら?
あとでメールしますねw

投稿: たいむ(管理人) | 2009/08/16 13:22

こんにちは~♪
最終章はかなりシリアスモードになってきましたが、それでも随所に笑いがあるのが助かります。

>2人が出会ったから両方に結果が付いてきただけで、どちらがどうとかないと思うんだよね。相乗効果
そうなのよね、千秋様の「天使は俺か?」に「そんなことないよ~~」とフォローを入れてしまいました。
同じ道を極める時は何かを犠牲にしなくちゃいけないのかなとも思うけれど、やっぱり二人には音楽も愛も成就させてほしいです。
マンガの世界なんだもんね。

投稿: ミチ | 2009/08/22 15:04

■ミチさん、こんにちは
随所の笑いがこれまでどおりなのでホッとしますよね(^^)
ここで日本の仲間が登場するとは思ってなかったのでそれも嬉しかったし。

>「そんなことないよ~~」
わーい、ミチさんもですか!
そんなことないですよね?でもそう考えるのが千秋のいいところ。どこまでものだめ自身とのだめのピアノが好きな千秋なんですよねw

ほんとハッピーエンドをお願いしたいです。
欲しいものは両方手に入れなくちゃね(^^)
そう信じているけどw

投稿: たいむ(管理人) | 2009/08/23 22:58

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» のだめカンタービレ 22巻 [のほほん便り]
もはや、クライマックスの予感ひしひし、ですね。 ついに、のだめ快挙! やったぁ  (それだけに、ダンナさんは「演奏シーンの“絵による表現”が多く、文字が少ない分、サクサクと読めすぎて寂しい」と贅沢にボヤいてた) 前巻が、とても切ないものだっただけに、ミルヒーとの共演。一枚も二枚も脱皮した巻で、本当にヨカッタヨカッタ。 オクレール先生とミルヒーのご対面には、笑っちゃいました 事態は、当人達を超えて、大きなうねりとなり、焦る千秋… どうなるどうなる? ふたりの運命。ますます、... [続きを読む]

受信: 2009/08/21 09:47

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