「ラスト・ブラッド」みた。
原題は『BLOOD:THE LAST VAMPIRE』で日本アニメである原作と同じ。けれど邦題は『ラスト・ブラッド』としており、微妙に意味の違った印象を受けるものだった。一般的に日本では「VAMPIRE(ヴァンパイア)」とは「吸血鬼」のことを言う。それを「オニ(鬼)」と表現(解釈)したこの作品。日本の”オニ”に対する概念もかなり広いと思うが、それでも外国人的感覚と日本人の感覚の差異を考慮して、あえて『ラスト・ブラッド』という邦題にしたのかもしれないと考える。(ちなみにセリフは更に「デーモン」と言ってるから混ぜ込ぜもいいトコなんだけど)
映画は色々な意味でイタイ作品だった。(ドバドバっと血しぶきが飛びまくる、さすがは「R-15」指定のアクション・ホラーなのだけど、それは笑っちゃうくらいに飛びまくるから、痛いのが苦手な私でも平気なんだけど) 原作に対するリスペクトは感じられるものの、完全なる新解釈の別作品と思って良さそうだ。小夜(サヤ)のセイラー服&三つ編おさげだったり、冒頭の地下鉄のシーンや翼手化した”オニ”をジープで追って仕留めるシーンなどは完全にアニメの再現でアニメファンはにやりとするところだろう。しかし、後は素材だけを拝借という感じ。もともと40分程度でしかないアニメであり、大幅に設定や登場人物を変えないと一本に映画にならない事から手を加えるは理解できるし当然と思うのだが、あまりに「日本風」を意識し過ぎた感じがして、結局”トンデモ日本”になっているから反って微妙な印象が残ってしまう。ストーリーもサヤの葛藤を中心にしたことから、展開がバレバレで在り来たりなものになってしまっていた。(ちなみにアニメでは小夜視点は一切なく、最後まで謎めた存在まま、その正体は「まさか」な事実をほのめかすことで表現したものだった) それでも、アクション(特に翼手化してから)は、明らかに”CG”とわかるマンガチックな映像にもかかわらず、サヤの「これでもか!」っていう”数十人斬り”は圧巻(唖然?)であり、老カトウの凄まじい死闘も見どころで、実写ならではの生々しさや迫力が感じられた。また、”オニゲン(=小雪)”の妖艶な美しさは圧倒的。(ラスボスとしては呆気なかったけれど)冷酷無比な最強最悪な敵としての存在感はバリバリだったと思う。 面白くなかったこともないが、面白かったと言えるほどでもない。そんな感じ。
総評:★★★☆☆+ 好き度:★★★☆☆ オススメ度:★★★☆☆
アニメはもっとクールでドライな作りの非常に秀逸な作品。(脚本が神山健治監督だか贔屓しているわけではない…んー多少はあるかw )。まぁ比較ばかりするのもなんなので、アニメが気になった人には「是非オススメ」とし、自分の目で確かめて欲しいと言っておこうか。
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(原題=Blood The Last Vampire)
----これって、確か以前、日本でアニメーションになってたヤツだよね。
苦手の押井守関係の作品の中では、すんなり観られたとか言っていなかった?
「よく覚えているね。
それはフルデジタルアニメーション『BLOOD THE LAST VAMPIRE』のこと。
押井守は企画協力。
あれっ。これって何をすることなんだろう?
まあ、いいか。
監督は当時大友克洋原作・脚本『老人Z』で話題となった大久保弘之が務めている。
あのアニメのオモシロさは、
舞台が... [続きを読む]
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「ラスト・ブラッド」★★★☆
チョン・ジヒョン 、アリソン・ミラー 、小雪 主演
クリス・ナオン 監督、2009年、91分、香港
「セーラー服姿のチョン・ジヒョンが
迫り来るバンパイア(オニ)を日本刀で
バッサ、バッサと斬りまくる、
傑作には程遠いが、これはこれでアリ、
鮮血ほとばしるヴァンパイアムービー」
父親を殺したオニゲンへの復讐を胸に
ヴァンパイアを見つけ出しては殺し、
宿敵のオニゲンの出現を待ち続ける主人公、
そして最後の戦いが始まった。
... [続きを読む]
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[日本刀アクション][ホラー][アニメ原作][グロ][実写][洋画][スコープ][R15]
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出演:
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(原題:BLOOD: THE LAST VAMPIRE)
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出演:チョン・ジヒョン、アリソン・ミラー、小雪、リーアム・カニンガム、JJ・フェイルド、倉田保昭、コリン・サーモン、マイケル・バーン、マシエラ・ルーシャ、ラリー・ラム
戦国時代、大量に流された人の血によって力を得た種族“オニ”。
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コメント
いかにも西洋人には受けるんでしょうかねぇ。
東洋の美女(西洋人から観たら美少女)が日本刀持って
デーモンを斬りまくる…。
アニメの方が素晴らしすぎて残念な作品になってしまったと思います。
投稿: KLY | 2009/06/03 23:19
■KLYさん、こんにちは
西洋人にはウケるのかしら?
この作品は架空の設定だからそれなりに許せるのだけど、外国人の持つ日本のイメージにはいつも苦笑いさせられてしまいます。
ただのアクション・ホラーになっちゃったのが残念でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/06/04 07:08
こんにちは
コメントありがとうございます。
100人切りは刀が血のりで切れなくなるので本当ならありえないでしょうね。(笑)
まぁ、アジアンビューティを観賞にいったということで・・・(^^ゞ
投稿: はっしぃ | 2009/06/04 23:34
■はっしぃさん、こんにちは
>血のりで切れなくなる
そそ、刃こぼれするわ、ベタベタだわってね(><)
>アジアンビューティ
男性にはすこぶる人気なんだけど、私は良さがわからない・・・(^^;;;
投稿: たいむ(管理人) | 2009/06/04 23:45
こんばんは♪
面白そうなお話だったんですけどちょっと残念な作品でした。
血しぶきが丸くて笑っちゃいました。
サヤの日本刀があんな黒い筒に入っててよく斬れるなぁと感心しましたよ^^;
投稿: yukarin | 2009/06/05 00:46
たしかにいろんな意味でいたかったですね。
投稿: まりっぺ | 2009/06/05 16:56
原作は余り気にしないので、設定変わってても構わないんですが、
ちょっとキャラ設定が浅いし、
ストーリーにも平凡なアクション・ホラーでしたね。
チョン・ジヒョンちゃんは、ずっと怖い顔しっぱなしだしーーー、
魅力半減でしたね。
投稿: ひらりん | 2009/06/06 01:48
■yukarinさん、こんにちは
オリジナルを知らない層でもコレではイマイチじゃないかなって思いましたが、やっぱりですか(^^;パーツは良いけど、やっぱり趣味の世界から出ていない、制作陣の自己満足みたいな作品になちゃっててツマラナイ映画でしたね。
■まりっぺさん、こんにちは
ええ。イタイ作品でした。
■ひらりんさん、こんにちは
チョン・ジヒョンに全く興味がないんで、ストーリでも見せて欲しかったのですが、まったく残念な作品です。
設定を変えるのは構わないけ、あまりのトンデモはいただけません。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/06/07 21:15
何時もお世話になっております。
てっきりたいむさまこの作品パスするつもりかと思っていたので他の方にアニメを観ていた人すら書かないと書いてしまった次第です・・・
それはさておき原作のアニメを2倍の時間で描いた作品ですが、どうしても原作アニメがあるとその作品と比べてしまいますよね。ゆえに多くの意見は酷い・・・となるようですが、元々最後の敵を倒すという目的だけ観ていけばそんなに謎に感じず観れた作品でした。
R15+指定でしたが、血が飛び散る以外は下手なホラーのG指定と変わらない感じがするんですけれどね・・・
投稿: PGM21 | 2009/06/07 21:15
■PGM21さん、こんにちは
最初から見るつもりでしたけど、がっかりです。
単なるチープなホラー映画でしたね。
良く出来ている原作なだけに期待もしていませんでしたが、余りに酷いでのオリジナルと比べて酷さを強調したくなる感じでした。
投稿: たいむ(管理人) | 2009/06/07 21:37