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2009/05/20

『リストランテ・パラディーゾ』&『GENTE〜リストランテの人々〜』 オノ・ナツメ(作)

Ristorantepardaiso 現在フジテレビの”NOISE”枠で放送されているアニメの第1話を見た。何気に見ただけだったが、見終わって、その心地良さに速攻でググっている私が居た。そして結局原作本を大人買い。それでもまったく「後悔なし」!...どころか「大満足」かもhappy01
アニメの作画は決して好みのものではなかったし、原作漫画もしかり。でも何だろう?この妙に人を惹き付ける雰囲気は。人間ドラマがとても穏やかで優しくて、とにかく絵(表情)からもストーリーからも、大人ぁ~な魅力がじわじわ伝わってくる素敵な物語なんだなぁheart
『リストランテ・パラディーゾ』は全1巻。『GENTE(ジェンテ)〜リストランテの人々〜』は(『リストランテ…』の外伝にも関わらず)全3巻。併せて4冊をほとんど一気読みしてしまった。

この作品はイタリアはローマの片隅にある、とあるリストランテが主な舞台。《カゼッタ・デッロルソ》はスタッフ全員が”老眼鏡紳士”という少し変わったリストランテ。けれどレベルの高いスタッフと物腰の美しさが女性にウケて予約ナシでは席が取れないほどの盛況ぶりを見せている。もちろん料理も絶品。超一流のシェフの料理が目当ての客も少なくない。

『リストランテ・パラディーゾ』は、《カゼッタ・デッロルソ》のオーナー(ロレンツォ)を訪ねてきた女性(ニコレッタ)が主人公の物語。
***ニコレッタは現オーナー夫人(オルガ)と前夫との一人娘。しかしオルガはニコレッタを実家の母親に預け、「バツイチ子持ち」を隠してロレンツォと結婚していた。(ロレンツォは「バツイチは圏外」とオルガに言っていたらしい)。音信不通ではないものの、ニコレッタが成人するまでにオルガが会いに来たのは数えるほど。いい加減業を煮やしたニコレッタはオルガの秘密をロレンツォに暴露すべく田舎から上京して来たのだった。ニコレッタは、あっさりロレンツォと会うことが出来たものの、「切り札」はオルガによって封じられてしまう。釈然としないながらも、《カゼッタ・デッロルソ》の雰囲気とカメリエーレ長のクライディオに魅了されたニコレッタは、暫く滞在することを条件に暴露を保留することに。
その日以来、ニコレッタはオルガの”友人の娘”として《カゼッタ・デッロルソ》に通い始める。第一に気になるクラウディオに対する気持ちが”恋”なのかどうかを確かめる為だったが、ロレンツォはじめ、ルチアーノ、ヴィート、ジジ、フリオ、テオという(カナリ個性的なメンツではあるけれど)誰もが心優しい紳士ばかりの《カゼッタ・デッロルソ》にすっかり居心地が良くなり、”仕事”としてストランテの厨房で雇って欲しいと申し出ることになる。
生真面目なクラウディオであり、大きく圧し掛かる元妻の存在から中々心を射止める...とまでは行かないが、優しいクラウディオやリストランテの人々とその家族との交流から、やがてニコレッタの母親(オルガ)に対するわだかまりはすっかり消え失せ、完全に心を開いてオルガと”良い(母娘)の関係”を築きはじめることになる。***
ニコレッタとオルガの関係を知っているのは、ニコレッタがココだけの話で教えたクラウディオと直観で気が付いたジジ、そしてオルガの大学以来の親友でクラウディオの元妻であるガブリエッラだけ。確かに母親失格のオルガだったけれど、”他人”としてだから見えてくるモノがあるんだね。自力で気が付いた誰もが同じ理由を言うのも実に良い。
”ホロリ”とさせてくれる素敵なラストに嬉しくなること受け合い。読み終わって心地良さに満たされた私だった。

Photo 『GENTE〜リストランテの人々〜』は、《カゼッタ・デッロルソ》の開店直前から始まる物語。そして主役を交代しながらそれぞれの物語が描かれている。
***ロレンツォが《カゼッタ・デッロルソ》のカメリエーレとしてルチアーノをスカウトするところから始まる。そしてルチアーノと芋ずる的に採用されるクラウディオ。《カゼッタ・デッロルソ》の前身のリストランテからのジジ(ソムリエ)とマルツィオ(厨房)に、カメリエーレ経験はないものの飛び込みで採用されたヴィート、予め決まっていた腕の良い女シェフ:ヴァンナに、若いシェフのダリオでスタートする《カゼッタ・デッロルソ》だ。(ちなみに”老眼紳士”はオルガの趣味で、オルガがルチアーノをとても気に入っていたことから、ロレンツォが引き抜いたといっても過言ではない。)
ダリオこそ、”老眼鏡”の中では何となく居場所を失って2か月で辞めてしまうが、そこで代わりに入るのがテオになる。メインシェフのヴァンナとぶつかることが多いテオだったが、テオの”ドルチェ”は定評があり、ヴァンナも認めるところ。美味しい料理と”老眼鏡紳士たち”による《カゼッタ・デッロルソ》は常連客による口コミ効果もあって軌道にのるが、やがてヴァンナも家庭の事情から渡米することとなり、代わりにフリオが採用されることになる。これで全員集合。***
《カゼッタ・デッロルソ》を中心に、それぞれ全員にスポットを当てた様々な人間模様が丁寧に描かれている為、『GENTE…』が全3巻になったのもうなずける。『リストランテ…』ではロレンツォとジジの関係を描いた話がとても良かったが、他のメンバーも同じように様々な過去を持っていて、出会いがあり、別れがあり、決して「後付け」とは思えない彼らのそれまでの人生と、現在進行形で進んでいる人生がいきいきと描かれている。どれもこれも彼らの人となりが感じられる良い話ばかりで、またしても心地良さに満たされることになる。
『リストランテ…』ではそうでもなかったが、『GENTE…』になって私のルチアーノの株がどどーんと上がった。変人ジジが「カワイイ」と読者人気はジジが№1らしいが(私も『リストランテ…』では文句なくジジだったが)、やはり『GENTE…』はルチアーノに始まってルチアーノに終わる感じなんだよね。ややツンデレ気味の(…だからか?)大人なルチアーノがとにかく素敵だ。(ホントは誰もが甲乙つけがたいキャラクターで全員◎なんだけど)

『リストランテ・・・』は、『GENTE…』の2巻と3巻の間の話であり、ニコレッタの登場シーンが別角度から描かれているのが面白い。それ以後も、ニコレッタが主人公になることはないけど”その後”が描かれているので、後半は続編としても楽しめる。
アニメは原作に少しばかり枝葉を足している感じ。まだ3話までしか見ていないが、雰囲気を損なわない付け足し方をしているのでまったく気にならない(どころか、上手く肉付け出来ている印象)。巧い具合に『GENTE…』を挿入しているのもまたよろし。公式ページによると、”マルゲリータ”なるオリジナルキャラクターも登場するようだしコチラも楽しみとなった。

余談だが、書店で本を探している時に絵がそっくりの”basso”という漫画家さんの本を見つけた。後で知ったが”basso”とはオノ・ナツミ先生の別名で、「BL」路線を”basso”名義で描かれているとのことだった。『リストランテ…』を読みながら、妙に色気ある紳士たちと思い、「まぁ執事ブームの上にイタリア男だしぃ」と解釈していたが、「どうりで」なワケだったんだねcoldsweats01  なるほど納得!・・・とはいっても、「オノ・ナツミ」作品であるこの2作品には一切”艶めかしい”シーンは登場しないので、生々しい「BL」ジャンルが苦手な人でも安心して読めると思う。逆に、まったく嫌みのない作品なので、私は幅広くたくさんの人にお勧めできる作品と思っている。

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