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2009/05/14

「フィッシュストーリー」みた。

Fisth 「僕の孤独がぁ~(ダダダ ダン)  魚だったらぁ~(ダダダ ダン)♪」
何度も繰り返して聞かされると必ず頭の中でエンドレスにグルグルと回ってしまうような曲の一つと思う。何たってヘンテコリンな歌詞だし、「ダダダ ダン」はキレがイイ。
未読の伊坂作品ということで、ならば余計な知識を入れることなくまっさらなまま挑むのがベストと思い、予告編もチラシも見ることなく鑑賞した。そしてたぶん正解happy01 荒唐無稽な話と絡み合う伏線に笑い、ほんのり心が温かくなる物語とその結果発表にニッコリ。面白かった!(以下、ネタに触れているのでご注意を)

伊坂幸太郎作品は読めば面白いのだけど、少々アクが強いこともあって好んでは読まない。よって『フィッシュストーリー』も未読なのだけど、だからこそ心待ちにしていたこの映画。映画『アヒルと鴨のコインロッカー』がモロにツボにハマった私で、中村監督はじめ同じチームで作られるとなれば、期待しないわけがない!ってね。

「2012年、地球に彗星が衝突するまであと5時間」・・・と、思わず”宇宙戦艦ヤマト”を彷彿してしまうような冒頭で始まる。米国の”「アルマゲドン計画(映画の再現)」”が途中で頓挫したことから誰もがこの世のカウントダウンを思う中、予想外にも「アルマゲドン計画」が再始動し、まるで映画みたいに地球は窮地を脱することになる。
映画は、その成功の陰に「フィッシュストーリー」という1曲の歌が大きく関係していたことを描いている。「フィッシュストーリー」は30年前に売れないバンド”逆鱗”の最後の曲として作られた曲。当時から現在まで、ほとんど陽の目を見ることの無かった曲だが、発表の数年後、曲の途中に1分近い”無音部”があるという趣向に”ホラーチックな尾ヒレ”が付いたことが切っ掛けとなり、ある人物の運命に大きく影響を与えてしまうことになる。それこそが「地球を救う」に至る発端で、月日が流れ、めぐりめぐって「本当に地球を救っちゃう」ことになるのだから滅茶苦茶スゴイわけだ。また、何故この曲に尾ヒレが付くような”趣向”が施されたのか…にまで話が掘り下げられており、バンド結成から最後の作詞・録音に関するエピソードが実に良かったりする。

『アヒルと鴨・・』同様、映画は各エピソードをワザと断片化し(原作がそうなのかもしれないけど)、しかも結果を見せないという意地悪仕様になっている。よって最後になって一本に収束された時、多いに爽快感が得られる仕組みである。けれどこの物語の場合は割と予想しやすいかもしれない。思うにワザと隠したネタそのものは左程重要ではなく、看破されるのもアリって作りな気がした。それは、全てが凝縮されたラストでの一連のネタばれシーンを見ると分る気がする。「誰も知らない”フィッシュストーリー”」が「現実」になる瞬間の目撃者が観客で、全ての過程を知る唯一の証人となったのが観客なんじゃないかな、ってね。
最終的に何とも言えない爽快感と心地良さが得られる作品。良かった!

総評:★★★★☆   好き度:★★★★☆  オススメ度:★★★★☆

俳優さん達(大森・濱田・森山、2人の子役くん)の目元がよく似ているのは親子・兄弟を想像させるフェイクを狙った配役なんだろうなぁ。途中まですっかり騙されてたしcoldsweats01
それにしても石丸謙二郎演じる予言者(?)のおかしな言動は人の心を逆なでするよね。これも『アルマゲドン』を意識したものかしら?

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コメント

たいむさん、こんにちは~

私も「アヒルと鴨~」は大いにツボにはまりました!原作を上回った成功例だと思っています。
「フィッシュ~」の原作は短編でしたが、上手に膨らませていました。

私は逆鱗パートが一番好みで~
レコーディングシーンは鳥肌立つくらい感動しちゃいました♪

爽やかなラストもいいですよね!

投稿: hito | 2009/05/14 16:57

たいむさん、こんばんは。
このラストの爽快感はさすがアヒルの伊坂×中村コンビ、とても良かったです。

私も1番印象的だったのが逆鱗パート。レコーディングの1分も良かったですが、それよりもそのあとの居酒屋でこの曲が将来誰かの運命を変えてほしいと語り合うメンバーたちに、なんかグッときてしまいました(^-^*)

投稿: GAKU | 2009/05/14 20:46

こんにちは♪
ところどころにヒントは出ているので、それほど「うわ~~」ってことではないけれども、あのラストの映像はそれまで自分が思い描いていたことが正解であったことを示してくれるから嬉しくなりますよね。
お次の伊坂作品はちょっと毛色の違う「重力ピエロ」ですけど、どうなってるか楽しみですね~。

投稿: ミチ | 2009/05/15 20:08

■hitoさん、こんにちはsun
「アヒル・・」は後で原作を読んだのだけど、映画のほうが良かったぁ~って私も思いました(ネタを知らないほうが・・・ってことなのかもしれないけど)

>逆鱗パートが一番好み
やはり原点ですしねー。
ちびノリダーが正義の味方の元って言うのも何かの縁かしら?(笑)

■GAKUさん、こんにちはsun
レコーディングの後、みんなでしみじみ夢を語って盛り上がるシーンは良かったですね。「もしも」の話を広げていくって楽しいですし。で、「売れないから」って締めくくりかたも「逆鱗」ならではでした。

伊坂×中村は今後も見逃せません(^^)


■ミチさん、こんにちはsun
そうそう、「アヒル・・」ほどのインパクトはなかったのだけど、それでもうわ~で見事なんですよね。答え合わせで2度美味しい、みたいな爽快感が好きです(^^)

「重力・・」は何やら重そうな雰囲気だけど、私も楽しみにしています!

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/16 08:40

こんにちは♪

なんだろ、純粋だった自分を思い出す作品?happy02
むかし、心の底にあった願い事?sweat01dash
いえばいうほど恥ずかしい、、けど(笑)
あったらいいな・・が詰まっていて
かっこ悪いけどカッコイイ、好きな作品でしたscissors

投稿: kira | 2009/05/16 14:14

■kiraさん、こんにちはsun
>なんだろ、純粋だった自分を思い出す作品?
あ、ソレ、なんかわかる感じです!

妄想をふくらませてあれこれ考えるの愉しいし、でお現実はそうそう上手くは行かなくて。。。

原作は読んでいないけれど、ほわっと心が温かくなる映画でしたね(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/16 15:41

今までの映画化だと
アヒル…が一番好きかな。
切なさを取るか
クスクス笑えるハッピーエンドかだけの違いで
甲乙つけがたいですが。
森山未来や多部未華子のキャラは原作と異なりますが
バチスタと違ってそれすらいい方へ転んだ気がします。

仙台では、ゴールデンスランバーの撮影が
始まったそうです。
ピエロもアヒルもそうですがすっかり
伊坂映画の街になっちゃいましたね。
また中村監督がメガホンとるらしいので楽しみです。

投稿: Ageha | 2009/05/17 22:55

■Agehaさん、こんにちはsun
基本的にはクスクスが好きなんだけど、「アヒル・・」はホント良かったですよね(^^)

「アヒル・・」は後で原作も読みましたが、「フィッシュ・・」は考え中。だいぶ原作に味付けされているとのことなので、気になってますけど。
そっか、アレンジも上手かったのですね。

>仙台では、ゴールデンスランバー
コチラも未読ですが、中村監督で撮影開始ですか!
楽しみですね~~。(仙台うやらましー)

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/18 19:39

ラストで爽快感を味わった後に流れる斉藤和義さんの「Summer Days」を思わず口ずさんでしまうくらい、気持ちのいい映画でしたよ。

ほんと、まさかあんな繋がり方をするとはね~。

投稿: にゃむばなな | 2009/05/18 21:27

■にゃむばななさん、こんにちはsun
伊坂作品ので「繋ぎ」の面白さは「アヒルと鴨・・」で経験済みでしたが、この作品も上手くバラして上手くつなぎ合わせたものですよね。
この爽快感がある限り、やめられないといいますか、次も期待しちゃいますね。

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/19 21:53

こんばんは。中村義洋作品はこれが初めてでしたが、大変楽しませてもらいました

特撮好きにはいきなりゴレンジャーでつかみはOKでしたが、そのうえ高橋克実さんが出ている。演技がデンライナーの車掌さんそのまんまで実に笑えました
恐らく彼が70年代編、80年代編に出てくる誰かの息子なんだろうなー、なんて予測しながら見てたのですが、わたしの予想はよくはずれるということで

>全ての過程を知る唯一の証人となったのが観客なんじゃないかな、ってね。

なるほど! 登場人物にはもうしわけないけど、なんか得した気分になりますねー

映画はこれ一本しか見てませんが、伊坂小説は4作ほど読みました。いまのところは『死神の精度』が一番気に入っています

あと多部未華子ちゃんは、いま朝ドラでがんばってますね

投稿: SGA屋伍一 | 2009/05/20 20:18

■SGA屋伍一さん、こんにちはsun
伊坂作品がまったく原作どおりに映画化されることはないようですけど、しっくり原作ファンも納得させるのは中村監督だけですね。監督は伊坂作品の良き理解者なのでしょう。

石丸さんはウザい役どころだったけれど、「特撮つながり」を思うと私も愉しくなりました♪

>登場人物にはもうしわけないけど、なんか得した気分
そうなんですよー。少なくとも私はそう思ってます。
「逆鱗」のメンバーは、例えこの時代に生きていても、昔語った妄想が現実になったって事をきっと知らないしね。全部を知っているのは私たちだけなんですよね(^^)

>『死神の精度』
映画は見ましたが、原作は読んでないんですよ。原作がとても良いという話よく聞くのですけど(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/20 22:54

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