BSアニメ夜話で『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
作画の後藤隆幸さん・田中敦子さんがゲストで登場!田中さんは「世の中に不満があるなら自分を変えろ!それが嫌なら、耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ!」と舞台裏で素子を演じた後、登場!相変わらずお美しいこと(^^)!
そしていつものように、大まかなあらすじに登場人物紹介と作品評を加えたナレーションで3分程に纏められたダイジェスト映像が流された。ありとあらゆる名場面が使用され、どの話のどこのシーンか全て判ってしまった自分がコワい(・・といいつつ、実は自慢?)
しかし、やはりというか(「公開収録」だからというのではなく)前二夜とはだいぶ違った雰囲気の夜話になっていたと思う。
新装開店してからのアニメ夜話は、数人のゲストやレギュラー其々のお気に入り場面を元にして、まず当人がアツク語り、メンバーが援護射撃や解説などを加えつつ話を膨らませていく形式を主軸に、制作スタッフゲストによる秘話等で盛り上がる番組になり、一夜目の『ジャイアントロボ』も二夜目の『海のトリトン』
も、あーでもないこーでもないといつもの様にワイワイみんなでディスカッションする形だった。だが、三夜目の今回。確かに構成は同じなのだけど、『攻殻
S.A.C.』があまりに難解複雑な作品なことから、一つのエピだけをスポットで抜く事が出来ず、(映像紹介も含めて)全てにおいて説明、補足、また説明が必要で、そしてほとんどの会話は「解説」といった感じになり、ディスカッションというよりは、誰かの話に聞き入るだけになっていたように思った。今の私ならば、社会学者の宮台先生や岡田さんの発言の内容を理解できるので、興味深く聞くところだったけれど、そうした「解釈」の話をする場としては、あまりにも時間が短く、分る人だけが分るような、説明不十分で中途半端な印象が残ってしまった。(よって小難しくもあり、レヴューが非常に書きにくい)
折角の後藤さんや田中さんがゲストなのにお話があまり聞けねかったのも残念なところ。後藤さんが持参された”設定画集”などのお披露目もあったけれど、それだけって感じだったし。
個々のお気に入りのシーンとはいえ、あの9話:「CHAT!CHAT!CHAT!」(松嶋初音さんチョイス)や、「アオイ君と瀬良野社長での事件の発端シーン」(宮台真司さんチョイス)を取り上げてしまったのも時間がなくなる原因の一つと思う。どちらのエピも、1時間かけたって話が尽きないところであり、あれらを一口で語って盛り上がるだなんて不可能に近い。チョイスが被らないようにするのは当然でも、いろんな『攻殻』を見せようとして欲張っちゃったのが裏目になっちゃったかな?と思った。
ちなみに、後藤さんのお気に入りで紹介されたのは、第一話の冒頭、「世の中に不満があるなら自分を変えろ!・・・」のところ。でもカッコ良さだったり、「作品のテーマが凝縮されていたセリフ」・・といった意味合いからの事ではなく、第一話として「ここから苦労の日々が始まったのだなー」という感慨であり、如何にもスタッフ的な仕事色の濃いチョイスだった。また一番好きなキャラでは「トグサ」を挙げられた後藤さん。こちらも「描きやすい」が理由で、後藤さんら制作スタッフにとって『攻殻』って本当に難儀な大仕事だったんだなーと思うところ。(登場時の田中さんも、声優としては「2話で映画一本分の苦労」と言われていたけれど)
そんな田中さんは、25話「孤城落日」から、素子のセーフハウス内でのバトーとのシーン。いつも身に着けていた”腕時計”には、実は特別な思い入れがあった素子。素子の気持ちを理解したバトーの無謀といえる行動とタチコマ達の犠牲によって手元に戻った時計。それを愛でるような仕草と会話の間合いから、表情(顔)が描かれずとも互いの感情が手に取るように伝わってきて、演じる上でも気持ちが乗せやすい細かな演出が施された秀逸なシーンだったとして選んだとのことだった。
岡田さんは、「タチコマ」。ラボ送りとバトーさん救出作戦の自己犠牲。何度見ても涙が込み上がる感動も名シーンであり、岡田さんにしては定番で少し意外だった。
ゲストの松嶋さんは素直で率直な発言にイヤミがなく、ヘンに分った気になっていないところが良かった。(対して、監督大好きといいながら、美術スタッフだったことも知らない誰かはいつもながらに鬱陶しい)。宮台先生の社会学者的解釈は「なるほど」と思うところ。独自分析を断定口調ではなく、あくまで自論として語る控えめな配慮が感じられて好印象。まぁ、学者の本心なんてわかんないけどねw
『攻殻S.A.C.』がアニメ夜話で取り上げられたことは喜ばしい事で、他には士郎原作や押井攻殻との比較だったり、「カメラマップ」という技法の話だったりと様々で、番組は決して悪いものではなかったけれど、少ーし勿体無かった気がする。『2nd.GIG』や『S.S.S.』と共に、いつか「とことん」で取り上げて貰った方が尚良かったかもしれない、という感じかな?
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コメント
しまった、見逃しました(>_<)記憶を並列化させてほしい(笑)
DVDでも付録的に神山監督やスタッフのトークが収録されていましたが、あんな感じだったのでしょうかね。
ぜひ見てみたかったです。
投稿: GAKU | 2009/02/27 21:51
あのシーンは泣ける
外骨格一つで少佐がボロボロにやられたのも見てるから、武装も無いタチコマたちががんばろうとした時点で涙腺がゆるい私はうるうるでした。
と、はじめまして(m´・ω・`)m
なんかね、東のエデンのブログパーツクリックしたらこっち飛んできた
そんで、挨拶がてらコメントなどしてみました
投稿: sowjun | 2009/02/28 02:59
■GAKUさん、こんにちは
監督不在・・・というところが大きく違ってるかなぁ。
DVD特典やオフィシャルログなどなど、様々なところで神山監督自ら事こまかに制作意図が語っているし、種明しもされているから、絶対的な部分では今更他者が口出し出来るところってあまりないんですよね。
ただし、素人が明後日から持ち込むような感想は目から鱗だったりするし、潜在意識的な部分が学問的に証明されたり・・・というのはまだまだあるかもしれない。
監督不在だからこそ、個人の好き嫌いで話をするとか、監督分析とかいった話がもっとあったらよかったなーって感じです。
でもねー。やっぱり監督の話が一番分り易いし、面白いですね(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2009/02/28 16:20
■sowjunさん、こんにちは
はじめまして。わざわざのお立ち寄りありがとうございました。
タチコマたちの必死な戦いには目を潤ませ、「なんて無力なんだ」で感極まり、「決して無力ではないぞ」で、ダーっと決壊しますよね、毎回(^^)
もう一つ、「てのひらに太陽を」も、なんど聞いても、タチコマでなくても涙が浮かんでくる私です(^^)
「東のエデン」、楽しみですね!
投稿: たいむ(管理人) | 2009/02/28 16:37
今思うと、全てが懐かしい…。
というわけで、たいむさん、こんにちは。決して、イジメでは
ないんですよ。全部こなさないと気が済まない性格なので(笑)。
素子のセリフ、懐かしいですねぇ。たいむさんがこの作品の話
を記事にされたときに、私が間違えて(笑)書いちゃったのが
このセリフだったと記憶しております。
で、お約束ですが、見逃しました。珍しく、うちの奥さんもチェ
ックしてなかったなぁ。残念。
ちなみに、松嶋初音さんは高校生グラビアアイドル時代に、よ
くお目にかかっておりましたが(^^ゞ、NHKは「元グラビアアイ
ドルで、今はグラビアをあまりやっていていない、清潔感があ
る女性」を引っ張ってくるのが、ものすごく上手だったりしま
す。
まぁ、NHKは教養番組&語学番組の女性出演者で、圧倒的な実
績があるから、当たり前なのかな。
加藤ナッキーは、グラビアアイドルでなかったところが、敗因
でしょうか?(>_<)
投稿: ラフマニノフ | 2009/05/11 00:15
■ラフさん、こんにちは
まったく律儀なお方なのですね(^^;
>素子のセリフ
あの頃、ラフさんの思わぬ参戦を非常に嬉しく思ったものです。
SWと攻殻の共通点が生まれたことで、パイプが太くなりましたしね。そこにエヴァが加わり、のだめが・・・となって今があるわけだし。
アニメ夜話の再放送情報をアップしましたが、BS-hiじゃどの道ダメみたいですね。残念!
協力者はいらっしゃらないのかしら?
>ナッキー
アヤツが出ているだけでチャンネルを変えたくなりますが。。
話題にもしたくないかも
投稿: たいむ(管理人) | 2009/05/11 17:23