ずどんとストライク!『夏目友人帳』
昨年末、いきなり”私のお気に入り”に雪崩込んだのが『夏目友人帳』 緑川ゆき(著)の漫画&アニメ。
作品に触れる切っ掛けは、よろづ屋TOMさんのご推薦(アニメ)だったけれど、昨年春くらいから、タイトルだけは目にしていた作品。一番最初に見たのは多分Amazonの「おすすめ品」一覧だったと思う。ユーザー別に過去の購買・閲覧履歴から自動的に割り出される「あなたへのおすすめ品」。私にはあまり役立たないのでほぼ放置していたのだけど、今回のことでは「案外侮れない?」とデータ解析の有効性を確認した感じ。
しかし単純にシステムは見直したが、プロファイル的な分析は何となく癪にさわり、同時にちょっとした恐怖を感じた。購入履歴は謂わば趣味やライフサイクルに関する個人情報のルツボ。「おすすめ」がコンピュータの自動抽出とは分かっていても、いざ当たってしまうと薄ら寒く感じられ、情報の流出を懸念してしまう。履歴が販促に使用される分にはまだ良いが、良からぬ事に使用されない保障は無く、これも便利な通販の落とし穴と自覚し、あまり履歴を蓄積しないほうが身の為・・・と思った次第。(反映させない事は出来ても、履歴は消せないのが厄介)
いきなり脱線したが、勧められるだけあり、確かに『夏目友人帳』は私のストライクゾーンに入っていた。
まずアヤカシが登場する作品であり、ギャグ過ぎずシリアス過ぎず、ヒトについてだったり環境についてだったりが何気に埋め込まれ、ほんのり嬉しくなったり切なくなったりする心の揺さぶり加減が絶妙で、ツボを突いて来る作品だった。そうだなぁ~内容は『HOLiC』と『犬夜叉』と『蟲師』と『鬼太郎』を混ぜ合わせながら、全くどれでもないモノを抽出した感じ??アニメと原作の調和が見事に取れているところも良い。おそらくどちらから入っても気にならない、数少ない作品の一つに加えられると思う。
といいつつ、私はどちらかと言えばアニメ贔屓気味。音楽がハマっているし、芸達者なニャンコ先生のアドリブがGOOD♪ まぁそれはともかく、アニメで持った違和感が、原作どおりだと確認したことから、他にも色々不満を生じてさせたのが理由かな。
第1に、妖怪とアヤカシと物の怪などモロモロに悪霊や神様までもが区別なくごっちゃに扱われているのが頂けない。ファンタジーと思えばアーダコーダと重箱の角をつつくツッコミは無粋と思うが、それでも「妖怪」とは”現象の象徴的存在”のようなモノであり、意味もある。また、「名前」とは「呪」でありソレを縛るモノ。”友人帳”に書かれた「名前」が本体を支配すると語りながら、”友人帳”とは無関係なアヤカシが安易に「私は○○」などと自ら名乗るのは可笑しすぎるしあり得ない。「妖怪」という言葉を使う以上、自身の曖昧なイメージではなく、まずきちんと「妖怪」について学んで欲しいと思った。
第2に、『夏目友人帳』はほぼ1話読みきり型の連載だが、既に6巻にまで進みながら、毎回毎回冒頭での設定説明に2ページ前後を費やすのが面白くない。特異な設定だけにそれなりの説明は必要と思うが、毎度同じ説明文の繰り返すのでは、ファンは飽きてスキップするのみ。ある程度の回数を過ぎたら省略し、必要に応じて補足しつつ、空いたスペースで内容を充実させる方が余程ファンサービスだと思う。せめて言いまわしや挿入位置を変えるなどの工夫が欲しいところだ。
第3には、これは作品とは無関係だけど《花とゆめコミックス》恒例の作者の欄(雑誌では広告欄)について。えーと、「何故、手書きじゃないんだろう?」。(私はこの欄での活字変換を見たことがなかったから非常に驚いた)。整然と揃った活字印刷は物凄く味気なくてつまらない。作者に対して親近感どころか興味すら湧かないから、プライベートな内容でも途中からスルーしはじめた私だった。(助っ人のお二人の絵と文字のほうが余程素敵に思えたくらい)。ファンへのメッセージなのだし、枠いっぱいの文章を活字で印刷するよりも、どんなに悪筆でも、数行でも良いから手書きして欲しいものだなぁと私は思うのだが・・・。本編中でも、吹き出しの外に書き足されたさりげない手書き文字って魅力的でしょう?それができるのに何で?ってちょっと思う。
なんだか妙なところでの辛口発言となったが、作品が良いだけに、残念で勿体無くて、あえて書かせてもらうことにした。(個人的な戯言と思って貰った方が良さそうだが)
原作は7巻が本日発売!同時にファンブックも発売されるとのこと。地方なので明日以降にしか手に入らないが、併せてお買い上げ~の予定。(なんだかんだ言いながらも作品は評価しているし、好きなのよん♪)近いうちに感想をアップしたいと思っている。
そして、アニメは1クール13話が夏に終了したが、早くも2期目の『続 夏目友人帳』が1/5深夜から放送開始らしい(地域によって異なる)。残念ながら1期目も2期目も地元では地上波・衛星波共に放送が無いのだが、まだ1期目のDVDの発売すら終わっていない状態。アニメはゆっくりと消化する予定。ただし放送がない分、近所のレンタルショップでは全滅。結局「通販レンタル」に頼らざる得ないのがイタイところで、最初の話に戻ってしまうわけだ。けれど通販は付き合い方次第でもある。上手に付き合って便利に活用したいものだ。
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コメント
(≧∀≦)/ はーい。火付け役です………が、か、辛いな。( ̄ロ ̄lll)//
原作は読んでないんで「うあー、そうなのか」としか返しようがないんですが…
ワタシ的には八百万の神様と妖怪とはごっちゃでいいと思ってるんでむしろそこに親近感を覚えたんですよ。日本の神様たちはひとつ間違うと悪霊になるし、妖怪も悪さもすれば益にもなるし。霊世界的には一緒だと思うんですが。
私も勉強ってしたことないからなあ…(-_-;) 神様と妖怪は“混ぜるな、厳禁”なんですか?
でもライナーノートが活字ってのはたしかに惜しいですね。たまにありますが文章量とも関係あるし、作品の演出の一環としてそうする場合もありますが…これはやはり一度読んでみないといかんなあ。
そらそうとニャンコ先生役の井上和彦氏には驚きますね〜。009島村ジョーっすよ。まあご当人の地はいたってひょうきんな方らしいけど、何度聞き返しても同じ人が演じ分けているとは信じられませんでした。
投稿: よろづ屋TOM | 2009/01/06 10:41
■よろづ屋TOMさん、こんにちは
名前をあげちゃってすみません(^^)
>か、辛いな。( ̄ロ ̄lll)//
辛いっすか?やっぱり(^^;;;;
書いてから、そういえば「八百万の神」とか「付喪神」とかはあるか~ってちょっと思ってましたが、何分「京極夏彦の世界」が大好きなので、ちょっとこだわりがあるんですよ。「アヤカシ」って曖昧な定義なら大目に見たんですけど、思いっきり「妖怪」ってなってたんで「むむむ」ってな感じです。「友人帳がアヤカシを縛る」・・って設定だけをどこかのホンモノから拝借したように思え、後は都合よく適当に、ってツメの甘さが気に入らない感じです。
>神様と妖怪は“混ぜるな、厳禁”
神様も妖怪も人間が作り出したもの…という意味では同じなんですけど、私も上手く説明できませんが、私の中では”都合よく”ひとくくりにしないでって感じです。
それに、名前を返して消えたり消えなかったりも、なんだか定義が曖昧な気がします。その度に説明を付けて誤魔化すようなのは嫌いだなぁ。
>ライナーノートが活字
たまにありますか?でも、花とゆめの枠は演出の一環ではないと思いますよ。とにかく、私は今回が初めてで愕然としました。
まだ若くて幼い漫画家さんなのかなぁ。残念!
最近はコミックレンタルなんかもありますし、是非一度原作を手にとってみてください(^^)
>井上和彦氏
昔は2枚目が良く似合う声優さんだったのにねぇ(^^;(ちなみに私はZガンダムのヘタレ:ジェリドのイメージ強しだけどw)。
マ王のギュンターでも楽しそうに”汁”出してますし、意外ではなかったです。
とても楽しそうに演じ(分け)られているのが分るから、見ている方も愉しくなりますよね(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2009/01/06 18:10