DVD「モーターサイクル・ダイアリー」みた。
アルゼンチンを起点にチリ・ペルー・コロンビアと北上し、ベネズエラが終点。主にはチリとペルーでの出来事で沢山の人々との出会いや触れ合いが中心となっていた。途中までは23歳の若者らしいやんちゃさを見せていた旅。しかし次々に”現実”を目の当たりにする事で、”世の中のおかしさ”に気が付き、心に何かを感じはじめたエルネスト。ふいに本音からの疑問のコトバを漏らすようになっていく。
『28歳の革命』では、チェ・ゲバラの人となりが客観的な視点から非常によく分かるつくりになっていたが、もともと誠実で清廉潔白なエルネストだということがよく分かる。貧乏旅行で寝食に困り、医者を名乗ったが他人の(良くない)健康状態をダシにして嘘をつく事だけは嫌がったし、なけなしのお金は旅先で出会った薄幸な夫婦に渡してしまうエルネスト。
こうしたエピソードのひとつひとつを手紙や日記に小まめに書き記す習慣が、後にエルネストの変遷を知る貴重な資料となったのは幸いかもしれない。装飾された英雄伝説的なチェ・ゲバラではなく、限りなく実像に近いチェ・ゲバラである事を裏づけするものだから。
それらから、エルネストを象徴するかの「愛」は元来のもので、幼き頃から家庭で培われてきたものと想像できたし、それでいて何故”武力”にこだわるのかも、「インカ帝国滅亡」と現実から思いを馳せるエルネストの発言から感じられた気がした。(いずれも、想像の範疇の域を出ていない、「気がした」だけではあるが)
川を泳ぎ切ったことで、不可能など無いかもしれないと自信をつけたエルネストだろうか。旅の終わり、自分の中に芽生えた変化とその漠然とした想いの答えをこれから探す、とアルベルトと別れたエルネスト。この時24歳。4年後の彼は28歳にして既に揺ぎ無き精神を確立していた。おそらく、4年の間に「排除すべきは不正と理不尽」との確信に至り、革命家となって心身を投じて戦う覚悟を決めたのだろうが、それも想像の範疇でしかなく、真の切っ掛けを探ろうとするならば、もっと踏み込んで「チェ・ゲバラ」を学習しないとだめなようだ。・・それでも『39歳 別れの手紙』を見るにあたって、少しは予習はできたのかな?と自己満足(笑)
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コメント
たいむさん、こんばんは。
この作品は随分前ですが、見たときにこの二人にとても親近感を覚えた記憶があります。革命家ではなく、自分たちと同じ不安も迷いもある青年として。
でも、それがいかにして偉大なことを成し遂げようという決意に至ったかを見ると、生まれながらの偉人、ではなく、そうなろうとする意志の強さがいかに大事かを改めて感じた作品でもありました。
と言いつつ、「28才の手紙」はまだ未見。ソダーバーグなんで難解かなぁと思いつつ、興味はありますね〜。
投稿: GAKU | 2009/01/27 20:30
連投すいません。
映画のタイトル間違えました(恥っ)
「28才の手紙」って。。。
前後作品が合体しちゃいました。
投稿: GAKU | 2009/01/27 20:34
あの川を泳ぎきったことが、もしかしたらチェ・ゲバラの革命第一歩だったのかも知れませんね。
人に歴史ありとよく言いますが、チェ・ゲバラにこういうエピがあったとは本当に知りませんでしたよ。
投稿: にゃむばなな | 2009/01/27 22:34
■GAKUさん、こんにちは
GAKUさんは御覧になっていたのですね。
私は公開当時は仕事漬けの毎日。これまで存在すら知らなかったんですよね(^^;
>革命家ではなく、自分たちと同じ不安も迷いもある青年として。
多分、「チェ・・」を観る前に、「チェ」を知らないまま観ていたら、私もロードムービーとして、そんな風に感じたかも知れないです。
言っても仕方がないことですが、勿体無い事をした気分(笑)
チェ2部作は続けてみるのがより良いとのことですし、あえてDVDでじっくり・・・もアリかもしれません。といっても、私の場合は集中が途切れやすい自宅視聴だど撃沈しそうですが(^^;;;;
>「28歳の手紙」
大丈夫♪言いたい事は分かってましたよ(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2009/01/28 16:51
■にゃむばななさん、こんにちは
前人未到の快挙だった川渡りを成功させた事が、何らかの切っ掛けになったのでは、と私も思いました。何分「チェ・・」を見た後ですしね(^^)
ビックリです。
だけど、あのエピソードが事実なのかを確かめていないですよ(^^;;
脚色無しでの実話なのかな?
投稿: たいむ(管理人) | 2009/01/28 16:52