山口-広島の旅**【広島編(2)】
【広島編(2)】は「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」から。「呉」といえば”造船・軍港”としか連想できないド素人。『男たちの大和』効果であり、それ以前に『宇宙戦艦ヤマト』の影響が少なからずあるのがミエミエだが、とにかく一度は行ってみたいスポットのひとつだった。
ミュージアムでは、屋内・屋外さまざまな展示物を見ることができ、予想以上に見応えのある科学館だった。
入館するとドド~ンと1/10スケール”戦艦大和”がお出迎えしてくれる。”大和ひろば”として展示場への入場口に位置している為”大和”を正面方向から見るだけならば無料だ。もちろん撮影も可能だが、手軽なデジカメでは”大和”全体をフレームに収めるのはおそらく不可能。入場した私でさえ後方からこれだけ収めるのがやっとだった(左)。でも”宇宙戦艦ヤマト”と言えば《波動砲発射口》付近の曲線美がシンボル的で、ちゃんと”大和”の面影を残したデザインであることからも、ぜひ船首からの全体像を写真に収めたかったが、少し離れた3階からでもここまでが精一杯なのが残念でならない(右)。
1階:展示室のテーマは「呉の歴史」。正に呉市誕生にはじまり、”大和”以前に呉で建造された沢山の戦艦模型や海軍の資料等が展示されている。その中でも広いスペースを使用しているのがやはり”大和”関連で、実際”大和”に縁のある方々から当時が語られるビデオも上映されており、戦争の齎す悲劇を想って胸に沁みるものがあった。”大和ひろば”の脇を抜けて反対側の展示場には、”人間魚雷「回天」(試作機)”や”零戦”、”特殊潜航艇”の実物が展示してある。こちらでは”ボランティア案内人”の方々が待機していて、まるで弁士の如き滑らかな口調でそれぞれに纏わる物語を講釈してくれていた。スロープを上った3階には一般的な”科学館”っぽく”体験コーナー”等が備わった「船をつくる技術」展示室がある。様々な体験コーナーの中にはパソコンを利用した”おさらいクイズ”があり、全問正解で”船長”の認定書が貰えるとのことで、基本的には子供向けだがガラガラなので遊んでみる。・・・が、思いの外専門的な問題の連続に惨敗。私は”見習”にしかなれなかった。もう一つの展示場は「未来へ」として”宇宙戦艦ヤマト”関連の展示場となっている。入口では実物大”アナライザー”がお出迎え。”ヤマト”の原作(複製)原画などが展示されており、松本先生キャラでのオリジナル3Dアニメの上映もある。”美女”の声が池田昌子さんなのがファンには堪らないところだろう。
「大和ミュージアム」は真面目に見ていたら時間がいくらあっても足りないくらいで、気がつけばとっくに正午を回っていた。夕方には空港へ到着していなければならず、広島に来たからにはスルー出来ない場所を逃さないためにも広島市街へ戻ることにする。そこは勿論「平和記念公園」だ。
・・でもその前に”広島焼き”で腹ごしらえ。知ってる店などある筈もなく、観光客御用達であろう”お好み焼村”へと向かう。”クレープ生地とソバ入り”が広島風の特徴とは思っていたが、”ストレート麺”が本場モノだと初めて知った。名物の”オタフクソース”が私には若干甘過ぎるのだが、香ばしく焼けたお好み焼きは満足だった。
”平和記念公園”では専用駐車場がないと知らず、ぐるぐると周囲を2周してしまった。漸くコインパーキングに空きを見つけて駐車するが、先にリサーチしておくべきだった。まず最初に「平和記念資料館」に向かった。そこで入場料がたったの「50円」に驚く。敷居を低くすることでより多くの人々に「最も過酷な戦争の爪痕を知って欲しい」という意志の現れだろうか?。
私がここを訪れたのは正真正銘初めてなのだが、公園も外観も展示物も全てにおいて既視感を覚えるのは、子供の頃から教科書等で目に触れ、映像でも毎年必ず一度は目にしているからだろう。原爆投下前~投下直後、そして現在。原爆のしくみ、被爆についてetc...。説明文だったり、溶けたガラスやボロボロの洋服を見ているとなんだか悲惨な光景が目に浮かびあがり、胸が詰まって目を潤ませてしまう。(いろんな映画等の影響もあるかもしれない)。順路の最後のほうにある「被爆者は語る」はとてもじゃないが見られなかった。
資料館を出てからは公園を縦断。真中にある”慰霊碑”の前では、神妙に手を合わせる人がいる中で、ここぞとばかりに記念撮影をする光景を見てどことなく嫌悪感を覚える私だった。”平和の灯”脇を通過し、”原爆の子の像”のあたりから”平和の鐘”が聞こえてきた。ゴオ~ン♪という音にはどこかしら妙だとは思ったが、”鐘”は”鐘”でも”釣鐘”だったのにはビックリ。”平和の鐘”という響きには”教会の鐘”っぽいイメージを持っていたからなんだけどね。”平和の鐘”から堀を挟んだところには”原爆ドーム”がちょうど位置している。骨組となった当時のままの姿は、(的確な表現とはいえないかもしれないが)威厳や風格を感じてしまう。人類の負の遺産、戒めとしても永遠にその姿が維持されることを希望するところだ。
広島市街地からは高速道路を利用しても1時間はかかるという広島空港。残念ながら公園を周り切ることができないまま、ここでタイムアップとなった。
帰途はこれといってトラブルもなくスムーズだった。(レンタカー返却にはガソリン満タンが必須だが、指定のスタンドでは未だに1ℓ140円近い価格設定だったのには癒着もしくはボッタクリを思ったが)。帰りは広島~東京経由新潟という長旅で、帰宅したのは日付も変わろうという時刻だったが、ヘトヘトということもなく余韻に浸りながら、さっそく記事を書きはじめる私ってやっぱブログ依存症か?と思うところだ(^^;)
これにて旅レポもおしまい。書いていない部分も多々あるのだけど、まぁ、公に出来るモノとしてはこんなもんかな?勢いで書きなぐったレポに最後までお付き合いいただいた方には感謝です!
※山口-広島の旅**【飛行機編】はこちら。
※山口-広島の旅**【山口編】はこちら。
※山口-広島の旅**【広島編(1)】はこちら。
※大和ミュージアムはこちら。
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コメント
「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」これを読んで、行ってみたくなりました。
機会があれば、是非訪れてみたいです。
「平和公園」にもしっかり行かれたんですね。
広島は長崎と比べると立派な施設だと思いますよ。
そして市民が集う場所になってるのも魅力的でした。
もしかしたら観光客だったのかな?
長崎の平和公園は狭いし、市民の憩いの場とは言えないかも?
現在の長崎原爆資料館は新しくなっていますが、古い時は広島の原爆資料館より陰険な感じがしました。
今一度、平和を感じる時は戦争体験が出来る場所を訪れるのが最適ですね。
それは、どの場所であっても体験できることだと思います。
平和ボケでいいから平和が続くことを切に願います。
投稿: Brian | 2008/12/01 22:26
■Brianさん、こんにちは
大和ミュージアムも平和記念公園も「戦争」を強く感じるところで、平和ボケは自覚がありますが、広島という戦争の爪痕を残す地に来ていながらスルーはできませんよね、やっぱり。(一度でも見ているならまだしも)
大和ミュージアムは見ごたえありますし、おすすめです!時間があるなら音声ガイドを借りてゆっくり回りたかったです。外も大和の甲板をイメージした庭園になっているとのことで、一日いても平気っぽそうですよ(^^)
>市民が集う場所
観光客が多いけれど、犬の散歩やジョギングなどで来ている市民も多そうですね。街のど真ん中ですし、公園としての役割は大きいのではないかと推測します。
広島の資料館も、資料などによる昔のイメージはもっと薄暗くて、これ見よがしな感じはあったように思いますが、どうかな?戦後も進み「辛い」「酷い」を見せつけるだけの時期は終わり、興味を持つどころか、逆に敬遠されないような工夫が必要という新たなるステップに移行しているのかもしれません。とても清潔で見やすい資料館になっていたと思いました。
敗戦で勝ち取った平和、なのかな?日本は恵まれてますよね。
投稿: たいむ(管理人) | 2008/12/02 18:07
呉には今でも海軍学校があった名残で海自の学校と海保の学校があったはずですよ。
江田島も近いからここら辺りは海軍に関する資料館等が多いように記憶してます。
平和記念公園は小学校の修学旅行で行きました。
(ちなみに中学校で長崎に行って原爆関係は一通り勉強しました)
資料館は小学生が見るには過激とも思える展示物がありましたが、逆にインパクトが残って
「戦争はしちゃダメなんだ」
って思いましたよ。
原爆ドームが想像してたよりもずっと小さかったのを覚えてます。
投稿: エミ | 2008/12/02 19:39
■エミさん、こちらにもありがとう!
>海軍学校
海保もこの地となると、どうしたってそういう風土になりますよね(^^)船の航行もやたらに多いし、横浜や神戸とは異なった物々しさのある港町って感じですよねw
>修学旅行
”修学”となると関西では中国・九州地方なのですねw。私のトコは小学校は会津若松。中学校は日光(及びTDL付)と日本史絡みですよ(^^)
ちなみに高校では奈良・京都でした。
>小学生が見るには過激とも思える展示物
ズルズルの大やけどは、大人が見ても辛いですが(^^;
子供たちも沢山いましたよ。レポートを提出しなくちゃなのか、一生懸命メモをとっている子供が微笑ましかったです。じっと見ていた私が邪魔なのか周りをウロウロしていて、どいてあげたらおもむろに占領しちゃう子もいたりもしましたよ。「オバサン、どいて」って言われなくて良かったわ(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2008/12/02 21:20
たいむさん、こんばんは。
広島に来られたんですねぇ、実は私呉市在住ですが恥ずかしながら大和ミュージアムにはまだ一度も行った事がありません(涙)
地元なもんでいつでも行けるという安心感からですかね(笑)
平和公園や原爆資料館は年に一度くらいは訪れます、やっぱり戦争をして残るものは悲惨と悲劇しかないのだと再認識させられます。
空港が遠いのがねぇ
投稿: Hitomi | 2008/12/04 21:12
■Hitomiさん、こんにちは
おおお!Hitomiさんは呉在住の方でしたか!!
広島は気候もよさそうだし、とても良いところですね。楽しい旅行でしたよ(^^)
>大和ミュージアム
あはは。地元だとそんなものですよね。ならば、他県から遊びに来た時にでも是非入って下さいな(^^)折角の好スポット、行かないのはもったいないですよ!個人的には「てつのくじら」がオススメですので、セットで是非に!
>平和公園や原爆資料館は年に一度くらいは訪れます
素晴らしいですね。それだけ身近ってことでしょうがその分辛いわけで、私だったらなかなか足が向かないかもなぁ。
空港はなんであんな山のほうに?と思っちゃいました。イメージ的に空港っていうのは海の近くなんですけどねぇ。港が主流だからなのだろうけど。。。うんホント遠かった(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2008/12/05 18:17