「ハンサム★スーツ」みた。

「えー、でも、それじゃあ寛子ちゃんは？．．．」と思いかけたが、なんてーことはなかった。オチまで含めてみーんなハッピーなエンディングってのは良いよね 全体的にマンガちっくでリアリティゼロだけど、とても愉快でテンポよく、また時折ホロリともさせられる、思った以上に素敵な作品だった。
それにしても谷原さんの壊れっぷり？には拍手！本当に塚地君が中に入っているんじゃないかと思うほどの、崩れた演技が見事だった　（以下、ややネタに触れてます。知らない方がより楽しめると思うのでご注意を。）

ブサイクだから損ばかりしている（あるいは損ばかりだと思い込んでいる被害妄想も含む）琢郎は、ハンサムスーツを着ることによって理想の外見を手に入れて、これまでとは正反対な”ハンサムな人生”に有頂天。人気モデル”光山杏仁”として味わったことのない幸せを噛みしめる。でも、食堂こころ屋の店長”琢郎”としての幸せは？と揺れ始める琢郎で、結局、一番大切なモノに気が付く琢郎・・・という単純明快な物語。ベタゆえにただ”お遊び”が楽しめる映画だと思い、私は素直に愉しませてもらった。
”ミシュランマン”か”マシュマロマン”か、と思わなくはないが、”ハンサムスーツ”（キャラクター）がとても愛らしく見えて予告編からカナリ気に入っていたけれど、何着もある事にはビックリ。ザーっと3.4着がハンガーに吊るされて登場したシーンを思い出すとニッコリしてしまう。予告編では”クラウン”付きの”パーフェクト・ハンサムスーツ”がせり上がるだけだったしね。試着品はたくさん並んでいてなんだかすごく可愛かったなぁ♪ 実は「何着も・・」が（色々な意味で）ポイント。そして全部違うスーツだなんて凄いよね　勝手に”ハンサムスーツ”は1着しかないものと思いこんでいたから、店長の変身にも驚いたけど、琢郎が試着し直した時に登場するのが石田純一さんだった時には大笑いしてしまった。そして次々に現れる（何人もの）試着姿に大爆笑だった。また「姿」だけではなく、同じように何人もの「声」で楽しませてくれた。さすがに「声」の主が判らず笑えていない人も少なくなかったようだが、森本レオさんをはじめ全員が判ってしまった私はずっと肩を揺らしっぱなし。可笑しかったぁ～。
琢郎の古いギャグに合わせるように、シチュエーションに合わせた音楽が、「LA・LA・LA LOVE SONG」や「DA.YO.NE.」、「シェイク・ヒップ」等などの”懐かしのナンバー”なのも楽しい。EDには主題歌「My Revolution」を歌う渡辺美里さんも特別出演。思わず一緒に（心の中で）歌ってしまうところだ（＾＾）

ブサイクとハンサム、条件が同じだったら「そりゃハンサムでしょう。」というのが現実かもしれず、痴漢騒ぎなどでは何の解決にもならない琢郎の物語ではあるのだけど、突っ込み無用の、とてもハッピーな気持ちになれるお遊び満載な作品だった。誰かの小さな幸せウォッチング。やはり「笑顔」っていいなって思う。

総評：★★★★☆　　　好き度：★★★★☆　　　オススメ度：★★★★☆

たったひとつ気になった部分。車椅子よりもブサイクが不幸だなんてあり得ないと思うわけで、卑屈も大概にしないとね。車椅子でも愉しそうな友人（池内君）も素敵だった。