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2008/09/09

NHK「トップランナー:有川浩(ライトノベル作家)」

スタジオではなく、大阪は中之島図書館での公開録画という、『図書館戦争』に引っかけ小粋な舞台設定。NHKもやってくれますね(^^)
ジーンス姿の飾りっ気のなさがイメージ通りで好印象の有川先生の登場から、まずプロフィールに触れられ、『図書館戦争』の話題へ。アニメで堂上役の前野智昭さんが『図書館戦争』後半にある”郁との出会い時の回想”(P328-329)を生朗読され、有川先生が前野さんを指名した経緯なども披露された。航空自衛隊での見学の様子や、会場の観覧者との質疑応答など、興味深い内容の詰まった40分の番組だった。

Toprunner 最初にペンネームについて。真っ先に話題に上がったことから、だよねーとニンマリ。実は私も最初「浩(ひろし)」と読み、男性作家とばかり思っていたクチ。有川先生曰く、「ひろちゃん」と呼ばれていたから安直に「浩」にしたのだが、”ひろし”と男性の名前に読まれることは誤算で、今更ながら平仮名か片仮名にしておけば良かったと後悔しているとのこと。(余談だが、「鋼の錬金術師」の荒川弘も”ひろむ”と読んで、実は女性。しかしこちらは確信犯らしいが)
有川先生が、自らをライトノベル作家とするのは、”大人が主人公”の”大人が読みたい”と思う”ライトノベル”が書きたいと思っているからだそうだ。実はコレはもの凄いポイントで、ツボだと思う。30代半ばの先生の少女時代は、”少女小説”(今で言うライトノベル)のジャンルが確立した頃。私も近い世代なので良く分かるが、確かに今現在そのまま読み続けるには物足りないジャンルだ。それが有川作品は、現在の年齢でも読むに耐えうる内容であり、それでいて軽いノリが心地よい。気軽の手に取れる活字本としては、まさに先生の狙い通りとなっている。冒頭では「10-20代のファンに支持されている・・」と紹介されていたが、会場に集まった顔ぶれを見ても30代・40代ともっと広い世代に受け入れられているのは間違いないはず。「自分が面白いと思えば、きっと誰かも面白いと思ってくれるに違いない。思ってくれ!」と言う有川先生であり、先生が自身が読みたいと思う本が、どうして同世代に受け入れられない事があろうか、と思う。
もう一つ、面白さの秘訣として、これも「自分が読みたいもの」に繋がっていると思うけれど、「期待に応える」もしくは「期待を裏切らない」をモットウにしていると言われていたのは納得。やはりハッピーエンドは気持ち良いもの。大人の話なのにドロドロしないから”ライトノベル”ってわけだ(^^)

『図書館戦争』は初の映像化作品(アニメ)となったが、有川作品は悉く映像化向きだと思う。誰もが映像を浮べ安い作風とでも言おうか。それについて先生は、作品を書くにあたって「自分は”脳みそが搭載されたカメラ”になる。」と言われていた。客観的なカメラ目線は全体像を映し、やがてキャラクターが勝手に動き始める。ズームしてみるとキャラの心情が見えてきて、それらを文字(文章)に置き換えているようなものなのだそうだ(だから、再映像化しやすいのでは?ということ)。分るような分からないような例えだが、一旦ヒントやアイディアを掴んでしまうと、後はコンコンと湯が湧き出るような状態に突入するものと想像できる。スピード執筆の先生であり、なんとなく状況が見えるような気がする。
アイディアについては、”旦那さま”の貢献度が高いようだ。確かに”あとがき”では毎回のように登場する”旦那さま”発言。『図書館戦争』を書く切っ掛けとなった「図書館の自由に関する宣言」も、元々は”旦那さま”が発見して先生に見せてくれたとのこと。『阪急電車』での「電車の中の物語」も”旦那さま”の一言から始まったという。『レインツリーの国』も”旦那さま”の突発的な病気が端を発していた。有川先生曰く、”旦那さま”は「私の外付けハードディスク」なのだそうだ。言葉的にはヒドイ言われようだけど、これもアイだねアイ。ほとんど諦めていたプロの作家になれたのも、”旦那さま”の予言や後押しによるものが大きいと言われ、互いを理解し合い、とても信頼しあっている夫婦だと思う次第。そもそも夫婦円満じゃなければ「ベタ甘」なんて書けっこないよね(^^)
観覧者との質疑応答にて、聴覚障害の少女から「毬江やヒトミについて」の質問があった。やや早口でのこれまでの会話とは異なり、ゆっくりと少女の顔を見つめながら質問に答える有川先生だった。咄嗟の対応・・かどうかは分からないが、心配りは流石と思った。

これからもライトノベルを書き続けるだろう有川先生。けれど私は先生が年齢を重ねた分だけ内容も年相応に変化すると思っている。何故ならばこの人は「自分が書きたくて読みたいもの」を書こうとしているから。だから私も、いつか登場するだろう、熟年夫婦の「ベタ甘」小説を期待しつつ、同じように年を重ねる私が読みたい小説をずっと書いて欲しいと願い、応援し続けたいと思っている。

※再放送:【NHK教育】9月13日(土)25:35~

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