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2008/09/30

DVD『図書館戦争(3)』

Library_war_3_2 もちろん第3巻も初回限定生産版。
状況〇五「両親攪乱作戦」、状況〇六「図書隊ハ発砲セズ」の2話が収録。映像特典はお待ちかねTV未放映話「状況:恋ノ障害」、「設定画ギャラリー①」が収録されている。初回特典の原作者書き下ろし短編は、映像特典と同じく小牧教官が主人公の「マイ・レイディ」。更に外箱の裏面も小牧&毬江ちゃんという徹底ぶりが嬉しいね♪
1・2巻に収録されていたキャストインタヴューが石田彰さんならパーフェクトだったけれど、流石にそれはなし。1話分まるまる映像特典だもの、贅沢は言いっこなしか。(値段はしっかり3話分だけど

本編の感想はOA時に書きつくしているので、気になる方はそちらで確認してもらうとして、さっそく「状況:恋ノ障害」から。このお話は原作の2作目「図書館内乱」に収録されているお話の一つ。アニメでは郁と堂上がメインにされている為、あえて毬江ちゃんは存在が抹消されており、スルーされて残念に思っていたところだった。
小牧の実家のご近所さんで、小さな頃からなにかと可愛がってきた年の離れた女の子が毬江ちゃん。不幸にも中学2年生の時に”突発性難聴”を発症し、以来右耳は完全に音を失い、残された左耳もほとんど聞こえない状態となった。絶望から心を閉ざしかけた毬江を救ったのが小牧だ。笑顔の消えた彼女の元に足しげく通い、毬江が自ら世間との繋がりを断ち切らないようにと付ききりで世話を焼き続けた。おかげで毬江は高校に通うことができる位に明るさを取り戻した。それでも、小牧のその時の行動が何を意味するものなのかは、当時の小牧にはよく分かっていなかった。対して毬江は小牧に3回失恋したと自覚している。子供の内の10歳違いの壁は果てしなく高い。20歳の小牧にとってはどうしたって小学4年生の「毬江ちゃん」なのだ。自分でもよく解っているから告白なんてできない。そんな思春期の頃に「音」までを失った。
「少女が女性に変わる時」。それをいち早く見抜いたのは、小牧が25歳でちょうど毬江が難聴になった時に付き合っていた同じ図書館の女性。彼女は「あと3年」という呪いの言葉を残して小牧の元を去っていった。そして現在。武蔵野第一図書館に通いつめる高校2年の毬江だ。元来本好きではあるけれど”小牧会いたさ”が一番の理由。しかし、可愛い上に補聴器をしていることから不埒な男の目にとまってしまい、図書館内で猥褻な行為を受けてしまう。それからは痴漢に怯える日々となった。怒り心頭の小牧。毬江はじめ誰もが安心して利用できる図書館に戻すために、図書隊は郁と柴崎を囮にして現行犯逮捕を計画。作戦は見事に成功。郁に装着した補聴器の餌にまんまと引っ掛かった犯人だった。小牧の逆鱗に触れた犯人であり、鬼の形相での小牧の尋問は容赦がない。(以降、小牧がブチキレルのは毬江ちゃんがらみと定義づけられた原作だ)
未だ恋人関係には至らないが、互いを思いやっている2人というのは誰の目にみても明らか。ある日、小牧が毬江に薦めた1冊の本が大きな波紋を呼ぶことになる。『レインツリーの国』というタイトルの聴覚障害者の少女の恋物語だ。そのような本を難聴の毬江に薦めることは「人権侵害にあたる」という無茶苦茶な理由で良化隊に連行・監禁され、査問(精神的拷問)を受ける小牧だ。勿論当の毬江ちゃんが告発するわけがない。小牧を救出すべく行動を開始する図書隊だが、連れ戻すにも理不尽を覆すだけの決め手に欠けていて手が出せない。「毬江ちゃんから直接撤回要求を・・」と進言する郁と柴崎だが、「(心配するから)身内には知らせるな。」という小牧の願いにより堂上は「未成年を巻き込むな。」と聞く耳を持たない。・・しかし、「(出来る事があるのに)好きな人の窮地を黙って見過ごさせるだなんで我慢ができない。男の勝手なプライドを押しつけられてなるものか!」とばかりに”乙女全開”で毬江を連れ出す郁だ。(柴崎も同意)
当事者参戦の効果は覿面。毬江は聴覚障害者ではあるけれど、言語を獲得してからの聴覚喪失者である為ハッキリと言葉を話すことが出来た。良化隊の理不尽な行動を自らの口で避難し、見事に小牧を助け出した毬江だった。(もちろん小牧の為に勇気を振り絞ってのことだけど)。そして漸く小牧も認めた。「あと3年」という呪いの言葉の意味と毬江自身を。毬江に4度目の失恋はやってこない。めでたしめでたし

・・以上が、アニメ化された部分に原作を補足した大まか(?)なあらすじ。
若干アレンジされてはいるけれど、ほぼ原作どおりで上手く出来ていた。原作でも泣いた話だったが、アニメでも、毅然と良化隊に立ち向かう毬江のシーンは感動的で涙が出た。また、毬江の為にも正論以外に屈しない覚悟を決めているシリアスな小牧がこれ以上ないくらいにカッコ良かった。
やはり、不幸にもバッサリ活躍どころがカットされた石田さん小牧の為のDVD3巻だね♪レンタルにも収録されるかどうかは知らないが、単作でも一見の価値アリな作品になっていたと思う。ファンの皆に見てもらう為にも、いつかTVでOAして欲しい。
ついでにいえば、(アニメも頑張ってはいたけれど)「聴覚障害について」では原作がより詳細に、更に『レインツリーの国』は非常に奥深いお話になっている。作画どおりの単行本が実在するので気になった方はぜひ手に取って欲しい。(まったく違う話なので『図書館戦争』とは無関係に読むことができます。)

さて、すっかり長くなったがもう一つの特典も外せない。短編小説「「マイ・レイディ」。こちらは『図書館革命』の少しあと、既に堂上と郁が付き合い始めた後で、小牧と毬江ちゃんももはや公認カップル。そして毬江ちゃんは大学生だ。
ある日の館内巡回中、小牧の目に留まったのは若い男とケータイで会話する毬江の姿だった。同行していた郁が声を掛けようとするのを制し、その場を後にする小牧だ。つまりは小牧は若い男に嫉妬していたのだ。空気が読めない郁だが、その後の小牧のそっけない態度に「余裕がなかったみたい。」と堂上に懸念を告げ、引っ掛かりを感じた堂上は小牧の部屋を訪ねる。郁へのそっけない態度は苛立ちからの当てつけ。「すまない事をした。」と気の置けない親友である堂上に本音を吐露する。(珍しく弱気な小牧がカワイイ♪同時に堂上の器の大きさがしっかり書かれているところが巧いんだよねw)。
Dsc00518_3 後日、再び同じ光景を目をして立ち去ろうとする小牧だったが、毬江から呼び止められ観念する。結局若い男はやはり大学の友達だったが、実はもう一人女の子がいることに気が付いていなかった小牧だ。その女友達こそが若い男の彼女と判明。一瞬で疑心暗鬼から解放され、ニコやかに「これからも毬江をよろしく。」へと方向転換。オマケに「ちょっと借りていいかな?」と毬江を職員階段まで連れ出して大胆行動まで!(読む前から期待してしまうバレバレな表紙なのだけどね→)
・・ということで、殊勝な小牧も最初で最後ですかねぇ。御馳走様でした!(それでも、私は小牧が好きだなぁ~

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