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2008/09/08

DVDアニメ 『ひぐらしのなく頃に 解』みた。

Rika_2 これまでの奇奇怪怪な現象の種明かしをしつつ、おさらいのような「厄醒し編」と、「運命への抗い」に失敗しつつも希望のカケラを見出した「皆殺し編」。そして事の発端からすべての謎を解き明かす「祭囃し編」が最終決戦となる、『ひぐらしのなく頃に 解』だ。
それにしても2話で1巻になるなんて!(無印は3話だったのに)。またDVDはあからさまに「紡」と「結」で分けているのに、「厄醒し編」の最終話だけが「結」に食い込むのはあんまりだ。知らずにレンタルした為生殺しにされてしまったわ!
【警告】*警告は守らないと後で酷く後悔する事になる。警告は一度切り・・(DVD黒梨花風)・・・ということで、以下若干のネタに触れています。

悲惨な物語ばかりのシリーズ1期とは打って変わって「これぞ解決編」と思わせるつくり。「厄醒し編」では、(黒)梨花から視聴者に向けて、これまでの経緯を補足した形で説明されるサービスがある。更に新キャラの“羽入”が登場し(おそらく正真正銘のオヤシロさま)、彼女との会話でこれまで梨花が黙していたことが徐々に明らかにされていった。結局のところ、梨花ひとりが延々と繰り返される時の中で何度となく生死を繰り返していて、コレまでの様々な出来事のすべてはどれも現実らしい。毎回梨花の死をもってひとつの世界が終わるようではあるが、それは梨花だけのことで、梨花の死後も世界が存在し続けていることから、実際は”パラレル”と考えるのが妥当のようだ。・・・という風にまず「解」として、世界観についての回答が得られることとなった。
その上でまた新しい世界がまた始まる。それが「皆殺し編」。しかし次の世界は今までとは異なった動きを見せ始める。「悲劇」の発端となる出来事の一つ一つが回避され始め、梨花にとって全ての事態が好転し始めたかのように動き出す。ハードルを一つクリアする毎に、「もしかして?」の期待が強くなる。悲惨さにウンザリするばかりのこのシリーズが、こんなにもドキドキの展開に豹変するとは正直意外だった。また「解」として、”雛見沢症候群”の概要や、黒幕とその手段等といった”謎解き”がちゃんと同時進行していくところも良い。
謎のほとんどは「皆殺し編」までに明らかになるが、動機に至っては更に遡って「祭囃し編」で語られる。そして最後の世界が始まり、遂に終わりを迎えることなる。

・・思うに、梨花視点での『ひぐらしのなく頃に』は、”ボードゲーム”【人生ゲーム=雛見沢バージョン】と考えるとわかりやすいと思った。梨花はそれを何十回、何百回と実際に繰り返している。そして梨花が毎回決まって最後に止まるコマは≪不幸な事件に巻き込まれて命を失う。ふりだしに戻る≫なのだろう。ゲーム全体としては、圭一ら各プレイヤーの止まるコマには若干の差異があり、差異がそのまま事件のパターンになる。だとすれば、どれも真実として納得もいく。”ボードゲーム”なだけに、基本的にコマの指示は一言一句変わる事は無い。だから梨花にしてみれば何度も同じケースを経験するのは当然で、いい加減、梨花が疲れ果ててしまうのも道理だ。もはやすべてのコマを記憶した梨花には、誰がどの目が出しても全て予定調和でしかないものね。自身の口からも語られていたけれど。

でも、「もしコマの指示を書き換えることが出来たならば・・・」、これが「解」のポイント。そう簡単には上手くいかないから落胆もするけれど、それでも希望の持てる明るい2期は見やすいし気持ちも入った。とはいえ、安直で子供だまし、ありえなさやあまりの迂闊さに苦笑いせずにいられない部分が多々あるのが残念なところ。 また、梨花が千年もの間”時の檻”に封印されていた理由は結局ハッキリしない。成長した梨花がすべての事の発端となる出来事の直前に、関係者の前に姿を現すという意味深なラストも解釈が難しく、どうも釈然としない。時の流れに逆らった矛盾する展開には、千年の謎と共に未だに答えを図りかねている私だ。(真っ黒な想像はできなくはないが・・・)
まぁ、なんにしても、途中何度も投げ出したくなった1期目だったが、2期の「解」を見ることなく放棄しなくて良かった。これで心置きなく卒業できて嬉しい。

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コメント

いやあ、お疲れ様でした!結構楽しんで頂けたようで何よりです。
正直がっかりされたらどーしようと気をもんでいましたし。

私もあのラストの梨花を見たとき、「ま、まだやるんか!?」とビビりました。いや、ひょっとしたら今売ってるDS版とかに繋がってるのかも知れませんが。まあ、アニメ版でのみのお話で置いとかないとキリがありませんしね。
最初、人間性悪説から始まったかに見えた物語は、じつはある意味、性善説と捉えて良いように思うのですが如何?必死に生きようとしてるのにもかかわらずどうしても必要以上に他人との軋轢や摩擦があり、行き違いや衝突が生み出す苦悩と葛藤の結果としての悲劇があるように思えます。
重たいのでもう一度観たいとは思いませんが、『解』まで見てよかったと私も思います。

投稿: よろづ屋TOM | 2008/09/08 21:25

■よろづ屋TOMさん、こんにちは
思わず勧めたはいいけれど・・・ってありますよね。
うん、でも、これは見なくちゃ後味悪いったらないですから、観はじめた人がいるならば、勧めなくちゃですよ。ありがとうございます!

>「ま、まだやるんか!?」
更なるループがあるのかとドキドキしちゃいますよね、アレは。だけど、「うみねこのなく頃に」が始まるとか(^^;
私はもうおなかいっぱいなので手を何にも手を出すつもりはありませんが、TOMさんはご覧になるかな?かな?(笑)

>人間性悪説
あはははは。まったくですよねー。でも病気って判ってホッとしました。
となると確かに「実は性善説」もアリかと思えてきますが、それほど奥深いようにも見えなくて、ただ人間の弱さを突き付けられた、そんな感じでしょうか。

カナリ年下の友達(ゲームをするというので)に「ひぐらし・・」を知っているか聞いたところ、その時は知らないとのことだったけれど、その後すっかりハマッタと報告を受けました。(ゲームもアニメも)
ゲーム慣れしているからなのか、アレにケラケラ笑いながらすんなり入り込めるあたり、若さなのか、育ちなのかなんなのか・・・と、これもジェネレーションギャップかな?とちょっと気になってます。

投稿: たいむ(管理人) | 2008/09/09 18:53

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