アニメ「図書館戦争」*第8話
イキナリ査問会から突入するのがなかなか上手い。状況説明と対策を回想にして重ねることで、テンポよく査問が進んでくれた。実際はもっとネチこくシビアで、原作では涙が出そうになる査問なのだけど、誘導的な質問だったり揚げ足取りだったりと雰囲気は出ていたと思う。(ちなみに爆笑もあるのだがアニメではカットなのが残念!)。また、原作での「対策集」は単に想定質問における模範解答例といった役割だけでなく、手書きのノートには「笠原、負けるな!」といった仲間を想うメンバーの気持ちが込められているもので、”100回写し”によって、このパートは少し悪筆な堂上のトコロ、ここは几帳面な角ばった字で書かれていた手塚のトコロ・・・といった質問と答えと仲間の顔がセットになるような描写があって泣けるところだった。アニメでは堂上と小牧の声をかぶせることで表現されていたけれど、そういう意味なんだよ!って捕捉したいと思う。
原則派と行政派。アニメではまるで触れられてこなかった設定だったが、今回の説明でなんとなく分ってもらえたかと思う。7話の感想でも「図書隊も一枚岩ではないのだよ。」と捕捉をしたが、更に手塚兄の「未来企画」がまるで別のものであることも分ったと思う。なにせ「検閲」の根絶の為にはまず”図書隊廃止”が不可欠としているわけだからね。(原則派と行政派の単なる派閥で「検閲」に対する活動基盤は一致しているから)。とはいえ「検閲」を無くして本を守るという思想は同じであり、手塚慧の構想は、長期的に考えての結果論なら決して間違った構想では無く、完全否定できないところ。(本如きで命を落としかねない現状もかなりクレイジーだもんね)。だから砂川のようになびくもの増えているわけで、既に様々なネットワークを持つ慧は、本来ならば敵には回したくない人物なんだよね。しかし、アニメではどれだけこの意味が伝わったかな~(^^; 残念ながら慧の「コッチが懇切丁寧に説明しても・・・」には、思い切り「してねぇだろ!」ってツッコまざる得なかったから(笑)。
それから、郁を見下した発言も納得できただろうか?「感覚派」が「フィーリングでひっくり返す」とは、簡単に言えば「良い話に思うけど、でも、なんとなく嫌だし、違うっぽいからお断り。」ってもので、物事を理論や理屈で考えず全部気分で決めちゃうヤツ、とでも言おうか。つまり郁のような”直感型”と言えば聞こえがいいかな?まさに理詰めで相手を征服する慧のようなタイプには天敵なんだよね(笑) 郁のおかげで柴崎も手塚も手に入らなかった慧で、だから暴露の手紙は慧からの郁に対するささやかな復讐。(意外に子供っぽい仕返しをする人だw)
濡れ衣を着せられ、同僚からは白い目で見られ、さらに理不尽な恨みまでかってしまう不憫な郁だったけれど、仲間から大切にされている自分を知り、きちんと仲間の気持ちに応える郁だ。(そんな郁だから仲間から愛されるのだけど)。一難去ってまた一難。不意打ちに王子様の正体を知ってしまい、さぁどーしよー、だね。
次回の壊れっぷりが楽しみ楽しみ!
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コメント
手塚兄が何事も理詰めで行動しようとしているのと対照的にあの理論派の手塚が感情的になったり、小牧が堂上の気持ちを考えて行動することを促したり、柴崎が「逆鱗」という言葉を使ったりと、郁の周囲のみんなが感情的になってしまうほど彼女を心配し、そして同時に大事に思っているところがよかったですね。
そして何よりも堂上と郁の関係が上官と部下という関係から徐々に男と女の関係に動き始めているのがいい!
いや~次回はどうなるのやら?山猿がいつ見事な恋する女の子に変身するのか楽しみにしたいと思います。
投稿: にゃむばなな | 2008/06/14 20:12