「ハンティング・パーティ」みた。
”ありえない”と思う部分こそが、この映画の”真実”である。・・冒頭はこの言葉ではじまった。しかし私には、まったく”ありえない”と思えないどころか、”ありそ~”と思ってしまったのは、映画の見すぎ??(笑)
実話を原案に作られた作品とのこと。”事実”が”真実”で”常識”であるならば・・・、戦争なんて永遠に無くならないし、人間は、地球は、滅びの道を進み続けるのみって事だよね。
戦場ジャーナリストとして第一線で活躍するサイモンとカメラマンのダック。命掛けで戦場を転々と回り、劇的な映像とレポートでスクープをものにするイカレ男たちだ。ところがある事件が切っ掛けで、サイモンはこれまでの輝かしいキャリアのすべてを棒に振り、どん底まで堕ちて行くことになる。
サイモンを(間接的に)どん底にまで堕としたのは、戦後、第一級の戦争犯罪者として賞金首が掛けられたカラジッチ(フォックス)だった。世界中から指名手配されているようなものなのに、”決して捕まらない”という伝説の極悪人。コンビを解消した後はまるで音信不通だったサイモンとダックだが、数年後に再会した場所は”フォックス”が潜伏しているかもしれない場所から目と鼻の先の所だった。サイモンの策略により、まんまと嘗てのジャーナリスト魂に火をつけられてしまうダック。ダックの連れで頭でっかちのボンボン新人プロデューサー:ベンと3人で、”フォックス”に接触を試みるのだが、サイモンの真意は賞金狙いの”フォックス生捕り”だと後に知ることなり、とにかく命懸けの”フォックス探索”となってしまう。
結局のところ彼らは”パンドラの箱”に手を出していたわけであり、実はとんでもない現実が立ちはだかっていたことを知ったところで、ジ・エンド。・・しかし、ここで失意に落ち込む作品ではない。最後まで足掻き続ける彼らの勇気に乾杯したくなるような、してやったりの幕引きが待っていた。
要は、「何故捕まらないのか?」ってことで、「捕まらない」のではなく、「捕まえない」のであり、「探しているフリ」だということらしい。どこかと誰かの悪魔の契約。利害さえ一致すれば真っ黒な裏取引でも簡単に成立しちゃうのが現実ってことなのだろうね。のらりくらりとザル捜査、某同時多発テロの首謀者もそうなのだろうか?
本当は物凄く皮肉のこもった作品なのだろうけど、ワザと安っぽいドラマ風にしているのか、ドロドロした感じはまったくない。アヤシイところは本当にアヤシイし、バレバレ。なんだか”ヤジキタ珍道中モノ”みたいな感覚で、不謹慎かも知れないが、そういう意味で面白かった。
総評:★★★★☆ 好き度:★★★☆☆++ オススメ度:★★★☆☆++
EDロールも一興! ホントなんだなぁ~と改めて思う次第(笑)
| 固定リンク | 0
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「ハンティング・パーティ」みた。:
» ハンティング・パーティ [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
『狙った獲物は《最上級》 アメリカを出しぬいたのは、 わずか3人のジャーナリストだった・・・』
コチラの「ハンティング・パーティ」は、実在のジャーナリストと重要戦争犯罪人の驚愕の追跡劇を映画化した5/10公開のヒューマン・サスペンスなのですが、早速観て来...... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 21:30
» ★ハンティング・パーティ(2007)★ [CinemaCollection]
THEHUNTINGPARTY狙った獲物は《最上級》上映時間103分製作国アメリカ/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ公開情報劇場公開(エイベックス・エンタテインメント)初公開年月2008/05/10ジャンルサスペンス/アクション/アドベンチャー【解説】雑誌『Esquire』に掲載さ...... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 22:02
» 『ハンティング・パーティ』 [ラムの大通り]
(原題:The Hunting Party)
----「アメリカを出しぬいたのは、
わずか3人のジャーナリストだった」。
思わず観たくなるキャッチコピーだニャあ。
この映画、実話に基づいているんだって?
「うん。
紛争終結後、2000年のボスニアで
実在のジャーナリスト3人が
『民族浄化』の名の大虐殺を行なった戦争犯罪人カラジッチを追跡。
その過程で、彼ら3人はCIA工作員に間違えられたというんだね。
そこでのいきさつは『エスクワィア』誌に掲載。
映画は、この事実に裏打ちされたドラマがスリリングに... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 22:29
» ハンティング・パーティ [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
戦争犯罪人=ラドヴァン・カラジッチ。ボスニア紛争中、セルビア人指導者として大量虐殺を指示した罪で起訴。500万ドルの賞金を懸けられ、CIA、国連など諸機関が捜索するも、2008年現在、いまだ逃走中。世界はなぜ、捕まえられない?その疑惑に迫る!
命知らず...... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 22:44
» ハンティング・パーティ/The Hunting Party [我想一個人映画美的女人blog]
1990年代、深刻な内戦を引き起こし、多くの死者を出したボスニア紛争。
その中で国際的にも大きな問題になったのが8000人が殺害された「スレブレニツァの虐殺」
その虐殺の首謀者であり、ラドヴァン・カラジッチをモデルに、
実際にカラジッチの居所を突き止めるためボスニアに入り、
その大物戦犯を追跡したジャーナリストたちの実話が基となったストーリー。
この男、ムスリムやクロアチア人に対する虐殺や民族浄化を指示した罪で、
今も懸賞金500万ドルが賭けられているだが、セルビア正教、軍人らの彼の逃亡を手だ... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 23:33
» ハンティング・パーティ [そーれりぽーと]
ジャーナリストが国際紛争と和平の裏にある黒い噂に迫るような内容の予告編と、最近は人権運動家としての活動が目覚しいリチャード・ギアが主演という組み合わせに興味を持ち、『ハンティング・パーティ』を観てきました。
★★★★
「まさか」と思う部分が真実である。
冒頭のこのメッセージに強烈に惹きつけられ、どこを見てもまさかな展開の連続に吸い込まれ、集中して観ていた。
登場人物たちを軽めのタッチで描いているから、彼らの過去を知った時のショックも大きい。
目に見えているところだけが真実ではないと何度も考えさせ... [続きを読む]
受信: 2008/05/12 23:44
» 『ハンティング・パーティ』 [cinema!cinema!~ミーハー映画・DVDレビュー]
映画サイト「シネトレ」さんの公認ブロガー枠で、有楽町のよみうりホールにリチャード・ギア主演の『ハンティング・パーティ』の試写会に昨日行ってきました。
もっともっと、社会派ドラマ然としたシリアスなだけのドラマなのかなと思っていたら、シリアスさを感じさせる中にもユ... [続きを読む]
受信: 2008/05/13 00:38
» ハンティング・パーティ [eclipse的な独り言]
Yahoo!Moviesによりますと、リチャード・ギアは2007年に5本も映画 [続きを読む]
受信: 2008/05/14 17:11
» 【2008-114】ハンティング・パーティ [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
人気ブログランキングの順位は?
狙った獲物は《最上級》
アメリカを出し抜いたのは、
わずか3人のジャーナリストだった・・・
[続きを読む]
受信: 2008/05/18 00:07
» 「ハンティング・パーティ(THE HUNTING PARTY)」映画感想 [Wilderlandwandar]
これも只パスポートを使って、近場の川崎ではやって無かったので、ちょっと遠出して見てきました。 実在のジャーナリストが体験 [続きを読む]
受信: 2008/05/18 14:43
» ハンティング・パーティ☆サラエボでの現状をリアリティに描いた作品 [銅版画制作の日々]
何と、現地サラエボでの撮影。かなりのリアリティ作品です。
5月16日、京都シネマにて鑑賞。この作品も字幕は戸田奈津子さん。確か、リチャード・ギアとは親交が深いとか・・・・。彼は日本が好きな俳優さん、しかも京都が好きだということ。仏教にも興味を持っているということを、戸田さんが話しておられました。そういえば、今回のチベット問題での抗議発言をしているのもテレビで放映されていましたね。
と言うことで、今回のこの作品もある意味、ギアにとってはやりがいのあるものだったようですね。ギ... [続きを読む]
受信: 2008/05/21 23:25
» 「ハンティング・パーティ」観てきました♪ [りんたろうの☆きときと日記☆]
☆「ハンティング・パーティ」
監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ、ダイアン・クルーガー、ジェームズ・ブローリン、ジョイ・ブライアント、マーク・イヴァニール、ゴラン・コスティッチ、ディラン・ベイカー
かつて紛争地域から、伝説的な一流戦場レポーターとして活躍していたサイモンとカメラマンのダック。
しかし、サイモンは、ボスニア紛争の生中継で感情的になって大失敗を演じ局を解雇されてしまい、以来消息を絶ってしまう。
一方、本国に戻ったダ... [続きを読む]
受信: 2008/05/26 03:13
» ハンティング・パーティ [ダイターンクラッシュ!!]
6月1日(日) 14:45~ シャンテ シネ3 料金:1000円(映画サービスデー) パンフレット:600円 『ハンティング・パーティ』公式サイト リチャード・ギア扮するテレビ・レポーターが積年の恨みあるセルビアの戦争犯罪者を追い詰める話。娯楽作として、かなりはちゃめちゃな展開も見せる。期待していたより、随分と面白かったぜ。 ジャーナリスト魂というのか、仕事に対する信念が感じられて、頑固一徹な男の映画でもある。 チャック・ノリスの「地獄のヒーロー」が出てくるのもポイントが高い。 お勧め度:... [続きを読む]
受信: 2008/06/05 00:10
» たった3人でキツネ狩り!~「ハンティング・パーティ」~ [ペパーミントの魔術師]
映画なんだから、話がうますぎる部分はある。 それを言っちゃうとおしまいなので そこはスルーして話をすすめるんですが、 いや~、ハラハラドキドキ。 生きてるほうが不思議でしょってくらいムチャクチャ。 で、男ってのはこういう もうイヤだ~と思いながら危険なことに身..... [続きを読む]
受信: 2008/06/10 01:46
コメント
映画にあったように彼らのようなジャーナリストでさえ
2日、たった2日で居場所が分かるんだもんね~。
「24」みたいに衛星使ったら一瞬だろうにね。
本当世の中真っ黒ですね~怖い怖い。
投稿: miyu | 2008/05/12 21:33
こんばんは^^
ワザと安っぽいドラマ風・・・そうなんだあ(^_^;)
実は私は重厚なシリアスな内容を想像していたので
途中から、あれっ?って感じになってしまい、観終った後に
ドキドキハラハラ面白かったけど、つくりが安っぽいかなあ
なんてちょっと思ったのですが、たいむさんの感想で
それはワザとだったんだってわかりました^^
この作品、私にとっては、後からじわじわきて
面白かったなあと思った作品でした。
捕まらないのではなくて捕まえない・・・怖いです(T^T)
投稿: ひろちゃん | 2008/05/12 22:11
■miyuさん、こんにちは
>「24」
ですよねー!なんでもハッキングして、衛星まで動かして、不死身の諜報部員が居る?というのに、それでも捕まえられないなんて、俄かに信じがたくなりますよね(爆)
>本当世の中真っ黒ですね~怖い怖い。
私たちも知らずに踊らされてるのかもしれませんね。くわばらくわばら。
■ひろちゃん、こんにちは
立て続けにありがとうございます!
>ワザと安っぽいドラマ風・・・そうなんだあ(^_^;)
実際のところワザとかどうかは分りませんが、人相の悪いホテルの掃除の人などこれ見よがな演出だったし、茶化すことで「エンタメですから」という逃げ道を作りつつ、真っ向勝負を挑んでいるように感じました。
なんというかこの安っぽさは「勧善懲悪モノの予定調和」の香りに近い感じ?だからイヤミがなくって面白い。でもすべて確信犯ってね(笑)
現実問題としては、笑っている場合ではなく、本当に黒い契約が横行していそうで恐いですね。でも、証拠が無いからどうしようもないですし・・・(><)
投稿: たいむ(管理人) | 2008/05/12 22:46
こんばんは、TB・コメント有難うございました。
ジャーナリストの実話とフィクションが入り交じった映画でした。
内容は戦闘映画というよりも、政治的色彩が濃いし、オープニングからラストまで、息をつかせぬ緊張感で、心臓はドキドキ!
その危機迫る話の展開と、ギア様の迫真の演技に魅了されました。
印象的な映像では、サラエボの街の風景、壁に弾痕が無数に残ってかなりの衝撃を受けました。
投稿: パピのママ | 2008/05/12 23:07
たいむさん
こんばんは♪
TBコメントありがとうですー
実話をうまく活かしてエンタメ化させてて面白かったですよね〜
キャストは最初興味なかったけど、(笑)
テレンスハワードとか、最高でした!
凸凹3人コンビがまたいい味で☆
こういう映画好きです〜。
投稿: mig | 2008/05/12 23:35
■パピのママさん、こんにちは
裏表のある作品といいましょうか、重くなりすぎず軽くなりすぎず、良いバランスだったと思います。
>サラエボの街の風景、壁に弾痕が無数に残ってかなりの衝撃
私もコレはショックでした。
オリンピックは、釘付けで見ていた記憶がありますから尚更に。
しかし、笑ってる場合じゃないけど、笑いは多くて楽しかったです。
■migさん、こんにちは
>実話をうまく活かしてエンタメ化
私も、特別キャストに魅力は無かったのですが、チグハグだけどピタリとハマったトリオが気に入りました(^^)
ベンのハッタリのあと子供のようにはしゃぐ彼らが特に良かったです!
投稿: たいむ(管理人) | 2008/05/13 18:22
こんばんわ。
こういう描き方で現実を知らされると、逆に重くのしかかる
ものがありますわ。
シリアスさ加減は全く違うけれど、私はこの映画を観て
『ロード・オブ・ウォー』を観たときと同じような衝撃を
受けました。
あちらは武器商人の実態で、こちらは『捕まえない』実態。
作品そのものはすごくヒョウヒョウとしているのに、
描いている題材は恐ろしくシビアなんですよね・・・。
そういうところも似ている感じがします。
それにしてもギアの『ファック・ヒップ』には大笑いでした(笑)。
投稿: 睦月 | 2008/05/13 20:51
こんばんは。
この映画、いきなり主人公がブチ切れてしまう。
果たして何があったのか?
謎が映画を牽引してゆく----
こういう構成の映画は好きです。
しかもそれが
テーマとも深く関わり合っている。
見応え十分でした。
投稿: えい | 2008/05/13 23:02
■睦月さん、こんにちは
>こういう描き方で現実を知らされると
シビアな内容なんですよね、本当は。
楽しいつくりになってますけど、「エンタメ~」って手放しで楽しんじゃいけない気もしてきますよね。
>『ロード・オブ・ウォー』
こちらも飄々としていましたが、私は本気で見てました。
ビミョ~な塩加減ですね。
>『ファック・ヒップ』
うはは、この方の本質はどうもコッチな気がします(笑)
■えいさん、こんにちは
>果たして何があったのか?
私もこの手の趣向は好きです。
一件バラバラなようで、全部繋がっている作品でしたね。
エンタメちっくでしたけど、ほんと、見応えありました!
投稿: たいむ(管理人) | 2008/05/14 19:17
>実話をうまく活かしてエンタメ化
重い素材を、笑いにまぶしてあり、観やすかったですね。
2人の手練の戦争ジャーナリストと新人君の、ヤジキタ珍道中がなかなか面白かったです。あ、EDロールも好きですよ。ダイアンクルーガくらい、女にしないとね、華がないし、はは。
投稿: あん | 2008/05/20 21:14
■あんさん、こんにちは
守るべきものを完全に間違えている、そんな世の中に幻滅したくなるような内容なのですよね、本当は。
笑いテイストのおかげで見やすかったけれど、笑えない人間もたくさんいそうな気がします。
「チャーリー・・」もそうでしたが、この手の作品が増えてきそうですね~。
投稿: たいむ(管理人) | 2008/05/21 21:33
TB&コメントどうも。ご無沙汰してます。
「大いなる陰謀」「チャーリーウィルソンズウォー」
「ハンティングパーティ」と
反戦映画ならぬ、反省映画(爆)が最近妙に多いですね。
トムハンクスと仲間たち(というてええんか?)にしても
コチラのリチャードギアと仲間たちのやりとりにしても
わりと軽くて明るいから娯楽映画として
さらりと見れるけど、言いたいことは別にあって
それは結構深刻な話で怒りと皮肉に満ちていて。
政治家がコレみてどう思ったか知りたいですね。
投稿: Ageha | 2008/06/15 16:48
■Agehaさん、こんにちは
>反省映画(爆)
上手いですね!
今だから・・・作品なのか、今後どんどん出てきそうなテーマ。
>政治家がコレみてどう思ったか知りたいですね。
ほんとですよね。
ちょっと違うけれど、木村拓哉の「change」をみて(夢物語と嘲笑しつつ)絶賛しているオバカな日本の政治家はたくさんいるようですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2008/06/15 18:07