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2008/04/10

『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川 浩 〔著〕

Libralywer5 本日深夜からはじまるアニメ『図書館戦争』。残念ながら地元では2週間ほどお預けなので、本日発売の原作のスピンアウト本『別冊 図書館戦争』を楽しむことにした。『図書館戦争』シリーズは全4巻で既に完結している為、「別冊」の位置づけとしては、有川先生曰く、「別マ」や「別花」だとかといった少女マンガ雑誌のソレと同類だと思って欲しいとのこと。
といっても、『図書館革命』での落着からエピローグの後日談までの空白期間を、時系列的にもキッチリと穴埋めしたものであり、堂上&郁の意思確認の翌日からスタート。ほとんど結果ありきの続編だから、帯にもあるとおりベタ甘全開!パワーアップした堂上班+柴崎が拝めるぞ!
(以下、ネタに抵触してますのでご注意を。)

いくらなんでも「翌日から?」と思ったが、翌日なのにもうラブラブな姿を見舞いに訪れた小牧・手塚・柴崎に目撃されてしまう迂闊な2人、ってことはありそうで納得。当然知れ渡るのは時間の問題。当の郁と手塚以外は誰もが歯がゆく思う2人だっただけに、隊の仲間全員に、思い切り祝福されたカップル誕生となる。堂上の復帰直後こそ隊を挙げて冷やかされるものの周囲も堂上も大人。堂上は堂上ですっかり開き直ってメリハリは付けながらも見事なまでに”正しい公私混同”をやってのけてくれちゃって、もうっっ
郁も今では、戦闘能力が高い上に囮役でも”釣れる”貴重な女性隊員として頭角を現し始め、”女性”を武器にする作戦では重宝され、玄田に良いように使われ始めている。上官:堂上としては能力を買っているものの、彼氏:堂上としては”釣れる”イイ女になっている自覚がまるで無い郁に心穏やかでいられるわけもなく、小言が増える一方。それでなくても直感だけで突っ走る郁。ただの上官なら必要以上の干渉も、彼氏からの言なれば無謀の抑止にもなる。テンパった状況で指摘されようものならば、「公私混同が何だっ!」とか本気で食ってかかりそうな堂上だけど、ちゃんと弁えているから正しい公私混同に見えるんだよね 公認の仲になったことは、かえって堂上を少し楽にしたんじゃないかなぁー。
それにしても堂上くんには敵わないわぁ~ 郁にちゃんと「好きだ」って言わないままいきなり具体的行為に及んじゃって、男としてちょっとズルイ奴じゃない?て思っていたけど、いつの間にか「(好きになったのは)少なくとも俺のほうが先だ」とか、「俺の好きな女は、そういう奴だから仕方が無い」とか、「(家族に)紹介できない女と付き合っている覚えはない!」とか、本人に向かってシレっと言ってのける強者となっていた。なんだか面と向かっての一度っきり告白よりも、恥ずかし気もなく素でさらっと発せられるダイレクトな意思表示の言葉の数々のほうがドキっとするような、超反則技だよね?これって「殺し文句」の時間差攻撃じゃん!女として、物凄く赤面ものだけど、めっちゃ安心できるイイ男が彼氏だなんて最高!って思う。だからそんな堂上のセリフには、郁の心を代弁すると同時に、個人的な羨望と嫉妬?も含めて「うきゃ~~っ!もう勘弁して!萌え死ぬぅ!」と何度も奇声を上げることになってしまった
ところが対する郁は(柴崎曰く)「26歳純粋培養乙女・茨城県産」の超奥手。「愛されてるなー」と日々確信しながらも、あまりの経験値の少なさがたたらを踏ませ、自分にも堂上にも、そう簡単に「一線」を越えさせてはくれない。さすがの”激しくて優しい堂上”も「生殺し」だけは受難だったわね。・・・そんな郁のステップアップは、各自でじっくり確認して大爆笑して欲しい。(恥ずかしくて書いてられっか、そんなもんっ!)
・・とはいえ、そういえばまったく内容に触れていないことに気がついた。章タイトルは以下のとおり。(こればっかりだがこれですべてだしぃ)
1.「明日はときどき血の雨が降るでしょう」、2.「一番欲しいものは何ですか?」、3.「触りたい・触られたい二月」、4.「こらえる声」、5.「シアワセになりましょう」
クリスマス・・は仕事柄多忙でスルーだが、お正月といえば実家に帰省で、2月といえばバレンタイン。まぁ、そんな感じ(どんなだ?)。 もちろん、図書隊の活躍も(ちょっとしかないけど)併せてお楽しみください!

まるで蛹から蝶へと羽化するように、隊員としても、女性としても成長していく郁。実際(光源氏のごとく?)何から何かまで育て上げたのは堂上で、可愛くて仕方が無いのがビンビン伝わってくる。しかも郁は従順についてくるだけではなく、堂上班の”フラッグシップ”として時に偉才を発揮して、自分を刺激し続ける女性だ。何があっても手放したくないと思っている堂上と見て取れる。郁が堂上にゾッコンなのは言うまでもなく、ほんと天然記念物のようなカップルに乾杯である。
そのほか、「Ⅰ」は堂上&郁が主体なので登場こそ少ないが、小牧&毬江ちゃんはとっくに行き着いているようだし、玄田と折口もいつもどおりにさりげなく甘い。進展こそないが、手塚と柴崎の雰囲気は悪くない。「Ⅱ」で描かれる日が楽しみである。

あっちここっちも幸せなカップル満載で中てられっぱなしの一冊。忠告するならば、まず、他人の幸せを素直に祝福できないツライ時期の人にはオススメできない一冊と言っておく。そして、私自身、時々爆笑と羞恥でのた打ち回りながら、最初から最後まで顔をニヤつかせて読書していたと思う。よって、ポーカーフェイスの出来ない人は電車やバス等公共の場は避け、自宅で思う存分に味わってください、と申し上げたいと思う。

追記:裏表紙の堂上は密かなる萌えどころとして、ファンの間で話題になってるとか・・・うぷぷっ!なるほど(^^;;

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コメント

こんにちはーーー。
はじまりました~~~!!!
図書館戦争。。アニメ。。。一足早く見ていまーーす。
(って、、、2週遅れなんですか??)

この作品、アニメにぴったりだと改めて思いました。

別冊のほうはアニメを全部見終わったら
読もうかなぁ~~なんて。。。へへ

投稿: mariyon | 2008/04/19 10:33

■mariyonさん、こんにちは
mariyonさんもご覧になりましたか!
ええ、こちらは2週遅れなんですぅー。それでも放送してくれるだけマシなほうですよ(^^)

アニメは「危機」までなので、どう〆るのか心配だったりするのですけど、素材は確かにアニメ(映像向き)ですよね(^^)・・・てかまだ見てないけど(プロモは見た!)。
世界観が分りにくいのは小説も同じなのだけど、勢いで見せてくれそうですね。

>別冊のほうはアニメを全部見終わったら
是非に(^^)
本当に転げまわりたくなるので、隠れて読んでください(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2008/04/19 19:20

こんばんは♪
やっと読みましたよ~!
もー、読んでるこちらが赤面でしたよね。
でも、堂上もしっかりとやるときゃやる人でした(爆)
あんな場面でスポーツブラの郁がまたねぇ。
でも、「Tシャツを脱がす要領で」って堂上が言ってて、「脱がした事あるんだ~~~」って私なんてソコ突っ込んでました。
誰のTシャツを脱がしたんだろーー。
堂上の過去の恋愛が気になってます。
(by堂上ラブ女子)

投稿: ミチ | 2008/04/30 22:25

■ミチさん、こんにちは
まったく、イチャツキぶりには赤面もイイトコですよね(^^;

>でも、堂上もしっかりとやるときゃやる人でした(爆)
そうそう。Tシャツのとことかもそうだけど、なんだか経験豊富そうでしたよねー(笑)

>あんな場面でスポーツブラ
やるきまんまんのシャワーの後にワザワザ付けるのか?と私はそっちが疑問でしたけど。

>堂上の過去の恋愛が気になってます。
妹があんなだし、どんな女性と付き合ってきたのか気になりますね(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2008/04/30 22:55

たいむさん、こんばんは!

帯で恋愛成分に関するCAUTIONが出てましたが、ベタ甘度パワーアップしてましたね!
大きな事件がないぶん、恋愛度高かったですよねー。
>ポーカーフェイスの出来ない人は電車やバス等公共の場は避け
本編の時にやはり公共の場でにやけてしまい恥ずかしい思いをしたので、「別冊」は休日に家で読みきりました(笑)。
「Ⅱ」は夏発売なんですねー。
次も恋愛成分高密度だと思いますので、公共の場は避け夏休みに自宅で読むのがいいのかもですね(笑)。

投稿: はらやん | 2008/06/14 21:58

■はらやんさん、こんにちは
大きな事件は無かったけれど、虐待などの切ないお話が混じっているあたりがさすが有川作品でしたね。

>本編の時にやはり公共の場でにやけてしまい恥ずかしい思いをしたので
あら~(^^)
そうなりますよね(笑)
『Ⅱ』は8/9発売になったようです。土曜日なのでちょうど良かった!
きっと連休で休日で一気読みすることになりそーです。

投稿: たいむ(管理人) | 2008/06/14 22:30

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