« DVD「劇場版 CLANNAD-クラナド-」みた。 | トップページ | 『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川 浩 〔著〕 »

2008/04/09

『阪急電車』 (著)有川浩

『図書館戦争』シリーズで、すっかり嵌った有川作品。デビュー作からの「自衛隊3部作」はまだ読んでいないけれど、”連作短編集”の構成に惹かれてこちらを先に読書。
・・したのだけど、本日、フライングで『別冊図書館戦争Ⅰ』をゲット。
早速取り掛かっている途中なのだが、もう劇甘で悶絶しそうな気恥ずかしさと大爆笑に、先に章タイトルだけネタバレしたくなった。
1.「明日はときどき血の雨が降るでしょう」、2.「一番欲しいものは何ですか?」、3.「触りたい・触られたい二月」、4.「こらえる声」、5.「シアワセになりましょう」
このシリーズを知る者ならば、これだけで妄想が掻き立てられてしまうのでは?happy02
(感想は読み終わってから改めて♪)

Hankyu_4さて本題へと戻ると、この作品はタイトルのまんま”阪急電車:今津線”が舞台。片道が8駅:所要時間約15分という地味なローカル線だ。それでもひと駅ひと駅停車する毎に利用者の一部が入れ替わり、車内の風景は変化していく。人間の数だけあるドラマ。その中の一部にスポットを当て、まるでひと駅毎のリレーのような、客同士が少しずつ重なり合いながらバトンを受け継いで行くような、そんな16編の物語で出来ている。

老若男女の様々なドラマが描かれている。出会いあり、別れあり。例えば、恋の始まりを予感した一組の男女とそんな恋の始まりを目撃した女性。失恋した女性とロクでもない男に振り回させる女子大生に勇気を与える老婦人。女子大生は高校生に正しい恋の仕方?を見せ付けられ、思いやりのある恋人を持つ高校生は、憧れの大学に通うカップルを遠い目で見つめる。恋がはじまったばかりのラブラブカップルは、、、自分たちのことで精一杯か(笑)・・・などなど。だた同じ車両に乗り合わせた、その場限りの名も知らぬ人々との些細な交流から「人生の機微を味わってきました。」と言えるほどのドラマがそこに生まれる。
一緒になって嬉しくなるもの、険しくなるもの、楽しくなるもの、悲しくなるもの。どの角度のどんな視点からの物語にも感情移入しっぱなしになってしまう、有川作品の巧さが凝縮された作品だと思う。
私も電車やカフェ・レストランでは”人間ウォッチング”をしている方なのだが、自分には、他人が何を見ていたのか、それで何を思っていたのかを知る術がない。だから「実はみんな少しずつ繋がっていた。(同じ事を考えていた等)」という奇遇が嬉しくなるような顛末を、現実で味わうことはまず不可能なのだけど、ただ確認できないだけで、実は日常茶飯事的に起こっている事なのかも知れない、って思うと楽しくなってくる。・・・そんな作品だから”小説の楽しさ”だけに浸りたいところなのだが、反面、電車等は自分も誰に何を見られ、聞かれているかわからない公共の場であるという認識を再確認するところでもある。過去に、就活をしていた学生同士の会話での「××会社は(合格が)危ないってさ。」という何気ないひと言がクチコミで広がり、結果その会社を傾けた、なんて笑えない事実が本当にあったとか。悪気どころか意識もないのにどう話が曲って解釈されるか分ったものじゃない。それに小説のような愉快な事ばかりではなく、不愉快な目撃も少なくなかったりするのも事実。自分自身のアホを晒す程度の言動ならば、行きずりの「恥の掻き捨て」で構わないけれど、やはり場は弁えないといけないね。

楽しくて、時には胸にジンと来て、あっという間に読みきっちゃうような、優しい気持ちになれる素敵な本。オススメです。

|

« DVD「劇場版 CLANNAD-クラナド-」みた。 | トップページ | 『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川 浩 〔著〕 »

コメント

こんにちは♪
京極さん、夢枕さんと同格に有川さんが浮上しちゃいましたね!
ツボに嵌ればすべてを知りたくなるというスタンスが、私以上と見受けられるたいむさんなので、きっと有川作品全制覇も近い事でしょう!

「別冊」はタイトルを聞いただけでもハズカシーー!
個人的にはあの二人にはあまりアレコレやって欲しくないのです。
いやいや、やっててもいいのですが、それを(読むことで)垣間見るのは申し訳ないというか(笑)
堂上がどんなふうにやっちゃうのか知りたいような知りたくないような。
ああっ!

投稿: ミチ | 2008/04/10 09:05

こんにちわ〜。なんですか、この鉄男くん御用達的なタイトル!?または西村京太郎?でも今津線で完全犯罪は無理っちゅーか…
私の叔母が昔ずばり今津に住んでたので、幼い頃はよくこの線に乗ったんですよ。
しかも今では終点にあたる西宮北口駅はやはり鉄男くんたちにとってもかーなーり、コアな駅でして。いや、今津線そのものがコアかしら。
ある意味、昨今出てきているARIAとかスケッチブックみたいな、のほほん、しかししっかり何か伝わってくるエッセーアニメのノリですかね?(昔の人間交差点だったらしんどいけど)
文庫本だったら読んでみたいなあ。

投稿: よろ川長TOM | 2008/04/10 09:43

■ミチさん、こんにちはsun
>京極さん、夢枕さんと同格に有川さんが浮上
京極さんは別格なのでまだまだですが、発売と同時に購入もしくは予約、即読みと言う点では獏さんとは同格にランクインです(^^)
新刊情報収集用の作家の項目にしっかり追加しましたし♪

>「別冊」はタイトルを聞いただけでもハズカシーー!
私も、うきゃ~~ってなりましたよ。掛詞にしたフェイクかとも思ったけれど、読んでみたらマンマでしたヾ(*´Q`*)ノ イヤァーーン♪
よくもまぁ・・・ハハハ(^^;;;って感じですが、爽やかですよ~。
ま、高校生でもないので、ふふふ(^^)
これは読んでください!

投稿: たいむ(管理人) | 2008/04/10 17:31

■よろ川長TOMさん、こんにちはsun
鉄子でもないし、関西系はからっきしなのでどうコアなのか想像も付きませんが、知っている路線だと余計に楽しくなりそうなお話ですよ。途中下車したくなるような(^^)

>ARIAとかスケッチブック
本当にアニメに詳しいのですねー。
残念ながらどちらもタイトルくらいしかわかりません。比較できなくてごめんなさいね。
こんなブログの割りに、アニメに関してはこれ以上はないのですよ。ココに登場する作品で全部。隠し玉なし(笑)
地域的に放送本数もめちゃめちゃ少ないですしね。もしBSがなければ、いまならギアスとノイタミナしかみれないくらいですもんw

文庫本が出たら是非に!3年後くらい?(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2008/04/10 17:40

おー、今津線。懐かしいわ~。

もう長い事乗ってないけど
沿線の風景もがらっと変ったんだろうな。

投稿: shamon | 2008/04/10 21:56

■shamonさん、こんにちはsun
このあたりにお住まいでしたか?
まったく位置関係が把握できずにいる私です(^^;

投稿: たいむ(管理人) | 2008/04/12 14:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106009/40805131

この記事へのトラックバック一覧です: 『阪急電車』 (著)有川浩:

» 「阪急電車」 有川浩 [ミチの雑記帳]
{/book/}「阪急電車」有川浩 阪急今津線の宝塚駅から西宮北口駅まではたった8つの駅で、時間にして約15分。その往復の電車の中を舞台に、駅ごとに繰り広げられるドラマの連作短編集。 通勤、通学などで毎日のように同じ路線を利用していると、自然に乗り合わせる顔というのはインプットされていくものなのかもしれません。それぞれにそれぞれの人生を生きているのに、ちょっとしたことですれ違い影響を与え合う事もあります。「袖振り合うも多生の縁」という言葉を思い出しました。 女子高生、女子大生、OL、オバちゃん... [続きを読む]

受信: 2008/04/10 08:59

« DVD「劇場版 CLANNAD-クラナド-」みた。 | トップページ | 『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川 浩 〔著〕 »