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2008/04/22

『クジラの彼』 有川 浩 〔著〕

Kujiranokare_3 すっかり気に入ってしまった有川作品。次はデビュー作『塩の街』まで遡ろうかと思ったが、古本屋で程度の良いこちらを見つけたので先に購入。
陸・海・空、自衛官の恋ばかりを集めた短編集。(ちなみに”クジラ”は潜水艦を表していたりする) どれにも共 通して言えることは「ベタ甘」だということ。・・・というのは、もはや定番であり言うまでもないが、自衛官の恋愛は同業、もしくは関連企業の人間でないと難しい、といった印象を持ったこと。(ほとんどがそんなカップルだったし)

表題の『クジラの彼』は、潜水艦乗りと丘でひたすら待ち続ける彼女の話。規則によって航行スケジュール他、乗船艦の名前すら親族以外に公表してはならないようで、なんの前触れもないまま一旦連絡が途切れると、彼女側からは一切連絡が取れないという過酷な期間に突入する。(紆余曲折の末、ハッピーエンドな物語ではあるけど)
潜水艦は特殊とはいえ、全国約160箇所の駐屯地を有する自衛隊では異動も半端でなく、下手をすれば命のやり取りに関わる仕事であることなど、民間人が付き合う相手としては、色々とハードルが高そうだ。となれば、なんとか理解し合える関係者同士で纏まるのは必然か・・・と現実的に少し不憫に思う話でいっぱい(余計なお世話だろうが)。
それも含めて、小説として描かれている自衛隊の内部事情とか、女性隊員がやたらにモテるとかいった話は興味深く、でも”基本恋バナ”をさくっと楽しく読める本だった。
べた甘恋愛小説好きな方にはオススメ作品に違いなし。

ただ、有川作品に登場する男女は、必ず無骨か、一途か、純情のどれか(もしくはミックス)。今思うと、登場人物の多い『図書館戦争』シリーズはそれらの全てをカバーしたような作品で、どの話を読んでもその内の誰かと被ってきてしまう。(辛口で言うならぶっちゃけ全部同じってこと)。『図書館戦争』シリーズは長編だから完成度が高くなっているし、それから入った私はこれ以上遡らないほうが無難のように思えてきた。原点を探るのは楽しいけれど、作家の成長を逆行するのはあまりよろしくない傾向が強いんだよね。・・とはいえ、収録の「クジラの彼」や「有能な彼女」は『海の底』の番外編で、「パイロットファイター」は『空の中』のスピンアウトと知ると、やはり本編にも興味が湧くし、読むべきか・・・とも思う。
過去に遡る分には急ぐ必要はないわけで、様子を見ながら時間と相談するのが得策かなぁ~。

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