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2008/04/02

アニメギガ(12)~アニメーター・演出家:板野一郎さん

第12回目のゲストは、アニメーター・演出家:板野一郎さん。『超時空要塞マクロス』でメカ作画監督をされ、その大胆な演出法は”板野サーカス”と称され、一目置かれる存在となったとのこと。業界では有名な方らしいが、残念ながら、(当時は)細かいディティールや演出にはなんら興味を持たない普通のアニメ好きな女の子だった私であり、実は初めてお名前を知ったアニメーターさんだったりする。しかし、これまでのゲストの誰よりも”専門職人”に近い方であり、現在の私にはとても興味深い内容だった。

まず、”板野サーカス”とは何ぞや、なのだけど、①カメラワーワーク ②ミサイル描写 ③レンズ効果の三要素において、板野氏独自の斬新かつ独特な演出で魅せる技法のようだ。一般的な技法と”板野サーカス”の違いは比べてみれば一目瞭然なのだが、文章では精々「生命力と躍動感に溢れる軌跡が描かれ、よりリアルな表現を実現した技法」とでもいおうか、ありきたりな表現しか出来そうにない。
「(ファースト)ガンダム」や「イデオン」にも参加されていた板野氏。安彦氏や湖川氏を師に持ち、多大なる影響を受けたようだ。先日の「アニメ夜話(イデオン)」に登場された湖川氏からも感じられたことだが、今やアニメ界の重鎮と言われる方々は、”後進指導”を重要視され、尽力していられるようだ。重労働・低賃金といわれるアニメ制作業界。育成機関(学校)も、最近でこそチラホラと見受けられるようになったが、ジャパニメーションの後継者問題はゆっくりと、しかし確実に深刻な方向へと進行しているように思われる。今一番危機感を持っているのは、それこそ全盛期を築き上げた方々かもしれない。
近年の技術革新により、「ソフト」さえあればそれなりに作れたりもするようだが、やはり基本は基本として習得すべきことであり、体験や経験を積み重ねる事が何よりも大切ということは、どんな職業でも同じなのだろうね。
新人教育時の基本話として、”広角レンズ風”の手法についての話が「なるほど」というものだった。例えば、ウルトラマンの変身直後のグーのポーズ(板野作品ではないけれど)。大きさを比較すると「拳>頭(顔)>身体」となっている。遠近差はあっても、通常の比率としては不自然でしかない。しかしこの画(一連の動き)は、スピード感や臨場感に溢れ、そのまま迫力を強調した画として成立している。ただの視聴者は当たり前のように見てしまうけれど、カットの一つ一つにも科学・工学的な根拠があることを、作るものならば知っている必要があるし、一歩間違えると違和感(矛盾)を生み出しかねないものとして、これもリアルな表現の一つなのだ、と思った次第。(ほか、よりリアルを追求する為、河森監督と一緒にわざわざアメリカへ、戦闘機で戦闘飛行やブラックアウトの体験をしに行ったという仰天話も披露されたが省略。)

現在は、3DCGの世界に”板野サーカス”を融合(作画手法にデジタル技術を取り入れて発展)させる取り組みをされ、監督として作品制作されているとのこと。(確かにそのような作品に仕上がっているように思う。)
現役アニメーターとしても、後継の育成者としても、日本アニメ界の牽引役として、今後の活躍を期待したい。

アニメーターって、いかに敏感で繊細な感覚を持った人たちなのだろう~って、感性と能力で捉えたモノを、的確に再現・再構築してリアルへと写し取ることのできる人たちで、嘘を誠に出来る職人だよな~って、つくづく思う今回だった。

次回のゲストは、声優:釘宮理恵さん。
5/14 (水) 00:00~00:39 [BS2] (再放送:18:00~18:39[BShi])

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