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2008/02/07

『鴨川ホルモー』 万城目学(著)

HorumohTV放送に先立って『鹿男あをによし』を読んだらなかなか楽しめたので、万城目作品を遡って読んでみる事にした。
今度は京都が舞台。『鹿男・・』もそうだが、古都の慣わしを感じさせる物語を好んで読む私であり、また「式神(オニ)」が登場するファンタジーとなれば、間違いなく圏内な作品であることも理由のひとつである。
物語は、京都在住の大学(京都大学・京都産業大学・立命館大学・瀧谷大学の4大学)間における、伝統あるサークル活動”ホルモー”を主軸におりなすドタバタ群像劇である。

京大・京産大・立命館・瀧谷の4大学では、それぞれ10名編成の「京大青竜会」「京産大玄武組」「立命館大白虎隊」「瀧谷フェニックス(朱雀団)」なるサークルが存在する。その活動は古より伝わる”競技”を伝統に則った形で最後まで戦い抜くだけ。それすなわち「ホルモー」である。実際に戦うのは、”式神”として使役する「オニ」(仮名称)であり、学生は「オニ」を操るのである。人に見えざるモノ(この世のものならざるモノ)を呼び出し使役する。まさにファンタジーの世界だ。もちろん学生も最初から「オニ」が”視える”わけではない。サークルに勧誘され、狐につままれた思いのまま訓練を続け、やがて“視える“ようになった暁に初めて競技者の権利と義務を負うことになるわけだが、「オニ」も兵隊としてただ使役されるわけではなく”それなりの対価“が要求されることになる。しかも、学生と「オニ」は、決して”友好信頼関係”で結ばれているわけではなく、あくまでも“異形のモノ”との「契約」として認識すべき事であり、時に学生は途轍もないしっぺ返しに見舞われることになる。例えば”契約反故・違反”であり、例えば”敗戦”ともなれば、使役者(学生)に対する「オニ」の仕打ちはそりゃーもう、口に出すのもおぞましい!(笑)

作者の豊かな想像力が創り出した“ホルモーの仕組み”(ルール)が実に巧妙かつ愉快だ。新入生で何も分からぬまま「青竜会」に取り込まれていく主人公:安倍(かの安倍清明とは直接は無関係だが、因果を感じるネーミングではある)を中心に物語は進む。そのため安倍がなかなか事実を知らされないのと同様、「ホルモー」の実態もチビチビとしか明かされない。些細な(?)事件から”特別ルール”の適用が発議され、「第十七条 鴨川ホルモー」が成立してからは怒涛の展開を見せ始めるが、そこに行き着くまでの、必要以上に長く思える状況説明と前置きには少々ダルさを感じてしまうのが難といえば難なところかな?
それでも、全容が明らかになった時、誰もが“必然”という言葉が頭に浮かぶものと思う。長い前置きも、「そうであったか。」、となるところが心地よい。『鹿男・・』でも実に巧い”必然”の演出を見せてくれたが、この手の”必然”の設定はどうやら万城目氏の作風で得意技なようだね。是非”エピローグ”を楽しみにして欲しい。

『鴨川ホルモー』は、ほぼファンタジーのこれといって何もない話。辛口な言い方をすればくだらない話ともいえる。でも、人の日常生活なんてものは半分はくだらない出来事に占められているもので、くだらないけど真剣に取り組んだ何かをアツク語りたくなる気持ちは私にも良く分かる。不器用でも鈍感でも”真面目に大バカ”をやっていた時代をちょっと思い出させてくれる、懐かしさが甦る作品。たまには”ただ笑えるだけ”の読書も良いかな?って思える作品だった。
・・ということで、引き続き続編『ホルモー六景』を読むことにした。3回生となり”新人勧誘”の時期になったところで終わった『鴨川ホルモー』。今度はどんなトラブルに見舞われるのか、とても楽しみである。

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コメント

たいむさん、こんにちは♪
「インディ4」に向けて着々と復習が進んでいるようですね。
私もそうすべきなのはわかっているのですがなんせ時間が取れなくて。
1~3まであわせて100回以上は見ているであろう作品なので、記憶力だけを頼りに今回は復習ナシで臨みます。

>古都の慣わしを感じさせる物語を好んで読む私であり、また「式神(オニ)」が登場するファンタジーとなれば、間違いなく圏内な作品であることも理由のひとつである。
たいむさん的アプローチの理由はそこにあったのですね~。
私は単に「京都」が好きだからかな。
京都に詳しい娘とともに地理的なことなどを検証しながら読み進めました。
ライトノベルというジャンルではないのでしょうが、それに近い軽さを感じました。
表紙のイラストもいつも可愛くていいですよね。
大きなメガネの凡ちゃんはキャラが立っているし、「メガネっ子」として萌えキャラになりうる??

投稿: ミチ | 2008/06/12 08:21

■ミチさん、こんにちはsun
>1~3まであわせて100回以上
さすがミチさん!
私はそれぞれなんとか2桁程度かな?
何故かインディのDVDを買っていないからでしょうが、どうも買いそびれていました。

>たいむさん的アプローチの理由
あはは、そんなこと書いてますね(笑)
けど、京極・夢枕好きだし納得でしょ?(^^)

京都が好き、って何となく分る気がします。
日本の中でも古式ゆかしき地で、同じ日本だけど、そこだけ異質で歴史が深いような感覚が私にもありますから。といっても、寺社仏閣にさほど興味も造詣も深くないので(京極作品で唸りつつ、勉強している感じ?w)特別どうのって程ではないですが。
万城目作品は、『鹿男』もそうでしたけど、地理に明るいと余計に楽しめる作品かもしれませんね。そこが非常に残念!

かるーいノリさサクサク読めちゃうのは有川作品並みですよね。エッセイは作者と作品のギャップを感じやすいので読んでませんが、新作が出たらイの一番な作家さん名簿入りしました(^^)

>「メガネっ子」として萌えキャラ
そうそう、実写よりアニメ向きかなーって思っていました(笑)
映画は期待しないことにしています。

投稿: たいむ(管理人) | 2008/06/12 20:37

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