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2008/02/21

『ホルモー六景』 万城目学 (著)

Horumo6 『鴨川ホルモー』の続編であるこの『ホルモー六景』
別角度による6編のスピンオフ短編が纏められていることから『ホルモー六景』として後付されたタイトルなようだ。(「ホルモー六景」というタイトルの短編は無い)
完全に”安倍”の視点ひとつだった『鴨川・・』であり、描かれようのない(安倍の知らない)裏舞台や別のドラマが垣間見れ、どれも一見無関係のようでいてきっちり『鴨 川・・』の流れとリンクするのが面白い。常に中心に”ホルモー”がある。個性的なNewフェイスはもちろんだが、馴染みの顔や名前がチロチロと登場するのはやはり嬉しいところ。

基本的にどれも「古今東西ホルモーに関わった人、もしくはそれらに親しい人々の(ほのかな)恋愛譚6編」。それでいて少しずつしっかり続編が同時進行するニクイ演出が施され、スピンオフとは格あるもの!と思われる1冊だ。
続編としては”安倍”の第500代目会長就任(四条烏丸交差点の儀、直前)から始まり、4編までに「同志社大学:黄竜陣」復帰までの経緯が、少しずつ順を追って描かれている。そして5編目には「東京でもホルモー?!」であり、6編目には『鴨川・・』ではさらりと流された高村くんの”恋の馴れ初め”が収録。どれをとってもやっぱり「必然」を思わせる展開にニヤリとするものばかり。また、6編目では『鹿男あをによし』に登場する”狐のは”が出て来る(順番から言えば逆だが)。 さらに、これも万城目氏の作風だと思うが、唐突に”実在の著名人(歴史上の人物含)”の名前が登場し、思わぬところでリンクしてくるのが愉快なところ。事実とは思わないが「もし本当だったら面白いなー」と思わせてくれるユーモアが有る。(この作品でも、エーッという人物が何人か登場するのでお楽しみに!)
こうした地続感は、京極夏彦ワールドに(ちょっぴり)近いものを感じ、私が気に入った理由に納得が至った3冊目になったようだ。ただし万城目作品は、結末(結論・謎解き)に欠かせないヒント部分が妙に丁寧に書かれている為、作風に慣れてくると伏線そのものがバレバレというツメの甘さがあるのが非常に惜しいところ。次回作ではもう少し伏線の貼り方を不親切にして「ええっ!」っと驚く作品をお願いしたい。
それでも、とにかくココとココがこういう風に繋がるのね?って全体像が徐々に見えてくる過程がとても楽しいことには違いなく、次回作を楽しみに待ちたい作家さんの一人になった。

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