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2008/02/20

アニメギガ(11)~作曲家:田中公平

第11回目のゲストは、作曲家:田中公平さん。代表作は 『トップをねらえ!』『勇者王ガオガイガー』『サクラ大戦』『ワンピース』等とのことで、サントラ好きとはいえ、残念ながら私にはあまり馴染みが無い番組ばかり。知っているのはせいぜい『トップをねらえ!』。けれど見せ場でいつも掛かる「♪タララ~~ラ~」の曲は、音楽と場面がセットで感動のシーンとして印象に残るものになっていた。なんとなくバックで流れる曲ではなく、主張するタイプの曲を手掛ける方に思う。

ご自身はいたって陽気で朗らかな印象。「燃える作曲家」とあだ名されるくらいアツイ方のようで、何事も熱く議論されることがお好きなようだ。実に良く喋る(笑)
『トップ・・』では庵野監督に、パロディパートの場面とリンクした同じパロディでのオリジナル曲を要求され、『ガオガイガー』では米たに監督の綿密に書かれた”イメージ文”を音楽に変換する作業を要求されたという。特に「ツインピークスのようなシンセ&クイーンのような妙なエレキギター」だの「ディストレーション・ボトルネックで泣きのエレキギター」だのという微妙な表現をよくも音楽に出来るものと感心してしまう。まぁ”泣きのエレキ”が高音域での「ウゥィ~~ン」と言われれば「あ、そんな感じ」と思えるわけで、ある程度暗黙の了解的記述なのかも知れない。こうした作業は作品の全体像であり、流れと場面場面の細かい設定を熟知していなければ出来る作業ではなく、元来議論好きでトコトン話し合ってイメージを確立する田中さんの作曲にはあっていたようではある。(とはいえ、発注側も”音楽家のタイプ”に合わせた的確な指示で、こだわりの楽曲の提供を求めているだけかもしれないが)
作曲の仕事は、ほぼアニメジャンルに限定。それにしても「子供向け」「ロボットもの」「歌謡曲」の3本柱で幅広い活動をされている。限定した経緯は”音楽”もアニメの一部であり、作曲家もアニメ制作スタッフの一員なのだと主張し、一体感を求めた結果のことらしい。これまでの「完全別録」の常識を覆し、監督のみならず声優とのコミュニケーションを音楽にフィードバックさせ、よりマッチした作品の制作に尽力されているとのこと。その成功例が『サクラ大戦』らしい。(残念ながらよく知らないのだが、キャラソン大ヒットの立役者といったところか?)
新人の頃はそれこそ御用聞きに回って仕事を貰っていたという。そこで貰える仕事は、大きくも小さくも誰かの穴埋め仕事であり、状況は非常に切迫したものが多かったらしく、最難題は6日で80曲のオーダーだったとのこと。しかもフルオケのスコア。事実上、写譜の時間を差し引いて4日で80曲。実に45分に1曲のペースで仕上げる必要があったという。にも関わらず3日半で仕上げた田中さんとのことだった。田中さん曰く、そういう仕事こそが新人にとっての最大のチャンスであり、成し遂げれば信用得て次に繋がる、とモチヴェーションMAXに上げて、計画的に挑んだ結果の3日半だったとサラリと言われた。それにしても凄すぎ!当然期日厳守が必至のことだとしてもね(^^;

現在30周年も迎えるに当たって新たなる試みとして、ご自身のアルバムを製作中との事。弾き語りを披露される田中さんは、実に陶酔した歌いっぷり。本当にアツイ方だ。
アニメ作曲家としての活動は、今後も「美しいメロディと美しいハーモニー」を基本に、新しくも変わらない音楽を志していくとの事だった。アニメ音楽は、子供が母親の子守唄の次に聴く音楽。だから、常に本物・良質なものでなければならないと自負されている田中さんだ。
まったくそのとおりかもしれない。音楽家としての進化なのか、変異なのか、はたまた個人の本来の趣味なのかは分からないが、突然作風がガラッと、しかもネガティブな表現へと変わる音楽家が時々いるように思う。決して悪いことではないが、作品のジャンル(特に子供向け)を正しく表現することは、たとえマンネリでも大切なことと私は思う。大いに田中さんを支持したいと思う。

田中作品をほとんど知らないし、聴いても好みとは異なるのだが、やはりサントラ好きの琴線に触れる内容が多く、またしても長い感想になってしまった(^^; 今回もあっという間で楽しい40分だった。

次回は10分の拡大版で「声優大集合」、つまり、これまで出演された5名の声優さんの総集編とのこと。(日程は現在未定)

※このブロク内でのアニメギカ関連:過去ログは、こちら

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コメント

たいむさん、こんばんは。
今回はさすがに見れませんでした。そう何度も偶然の奇跡は到来しませんね(まぁ、日が変わってからの帰宅ではしかたなし。。(^_^;)

田中公平さん、私もよくは知りませんが、記事を拝見させていただく限り、この手の業界の裏側が覗ける興味深い内容だったようですね。

アニメの作曲家さんと言えば、菅野洋子と久石穰(漢字がちがうかな?)位しか知らない私ですが、裏方の仕事はやはり面白い!
4日で80曲!ほんと無茶オーダー(苦笑)。でもそれをやってしまう田中さんはさすがプロですねー。

いろんな業界の人がいますが、話を聞くと刺激を受けますね(^_^)

投稿: GAKU | 2008/02/20 19:59

■GAKUさん、こんにちはsun
>日が変わってからの帰宅
お仕事お疲れ様です(^^)

アニメギガはいつも面白いです。
「プロフェショナル」も業界裏話的で面白いですが、アニメギガは、アニメ業界話のみで色々と関連付けて楽しめますしねw
何であれ、好きなモノの裏話は面白いですし、より世界観が広がります。知らなくていいこと(知らないほうが良かったと思えること)もたまにありますが、知って損することは世の中にはありませんよね。無駄にも無駄の価値があるわけで。

どなたの話も「プロ」の意識と責任が感じられるもので、ほんと刺激受けちゃいますよね。

投稿: たいむ(管理人) | 2008/02/20 23:19

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