「犯人に告ぐ」みた。
原作は未読。やはり原作は知らないほうが”映画として”楽しめることが多いので、事前にわかっていてもあえて読まないようにしているこの頃。(気に入った作品は、後日原作で補完することは多くなってきているが。)
思うに、原作では心理描写の面などから、全体的にもっとドロドロしているのではないかと想像するのだけど、映画は、実に潔いというかアッサリしているというか、警察内部の上下関係や責任転嫁の仕組み、嫉妬や陰口、裏工作等、人の醜く厭らしい部分はぎっしり詰まってるのだけれど、「誰」も「理由」も、親切すぎるくらいにハッキリしていてとても判りやすく、例えば巻島のピンチでも、そんな陰湿さに嫌悪感を抱くことなく、巻島の奮闘だけに意識を集中し、かつては失脚した(させられた)巻島の逆転劇を素直に喜び、安堵する、ずっとそんな調子で事件の進展を見守り、常に愉快な気分で観ていたように思う。
冷静さを欠かすことなく、感情をむき出しにしない巻島警視がとにかくカッコよかった!
そして、本当に悪さは出来ないというか、キレイさっぱり「全部おわったのね」ということで、期待以上にヨカッタヨカッタであった。(最後の最後にはドキっとしちゃったけど)
児童誘拐殺人という卑劣な事件に対してであり、子供を誘拐された親の気持ち、事件を指揮する者の立場、担当する捜査員の心情、威厳と権威にこだわる警察上層部のモノの考え方など、様々な要素は盛り込まれており、考えるところもあるけれど、作品としてはぶっちゃけ(多少の障害はあれど)トントン拍子で出来すぎな、爽快感の得られる”エンタメ”だった(汚名返上は巻島だけじゃないってのもねw)。・・けれど、茶番劇に感じさせないところが俳優陣の力量ではないかと思う次第。トヨエツはもちろん、笹野さん演じる津田刑事には「踊る」での「和久さん」を彷彿。さすが!
後半はずっとニッコリしたままの私だった。
総評:★★★☆☆++ 好き度:★★★☆☆++ オススメ度:★★★☆☆++
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コメント
たいむさん、こんばんはー。
> 笹野さん演じる津田刑事には「踊る」での「和久さん」を彷彿。
それは最大級の賛辞ですね!すごい期待が膨らみます♪
やっぱり、脇役がしっかりしてる映画は断然面白いですもんねv
投稿: アビ | 2007/11/26 23:52
■アビさん、こんにちは♪
この映画、どこも上映期間が短いですよね。
なので、一目散って感じでしたw
けど、あんまり期待しないほうが良いかもしれませんよ(^^;
きっと原作既読者には、「えー」という作品なのではないかと予想してます。
ただ、巻島のカッコよさを味わう、そんな感じかもしれません(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2007/11/27 17:33