アニメギガ(7)~声優:朴璐美
第7回目のゲストは、朴璐美(パクロミ)さん。詳しくは知らないのだけど、東京出身ではあっても日系3世という微妙な異邦人とのこと。まったくそんな風には感じられず、見た目も態度もどこか貫禄があって”オーラ”が感じられる声優さん、というのが第一印象かな? 聞けば、声優デヴューは1998年で”ベテラン”というほどでもない。とはいえ「声優:朴璐美」 を見出し、育てたのがあの富野由悠季監督。そんな富野監督が(サプライズ)VTRにて登場し、当時を語られたのが面白かった。朴さんも「ヘンな汗が出た」と言い、暑くなったのか、本番中に堂々と袖を捲り上げるのが可笑しかった(^^)
実は、2.3年後に控えた『∀ガンダム』の”ロラン”を探していた富野監督。監督の娘さん(劇団)つながりから監督の耳に朴さんの声が届くこととなり、「こんなところにロランが居た」という出会いだったらしい。しかし、いきなりの抜擢ではなく、下準備として別の作品「ブレンパワード」でデヴューさせておいてシゴク、という念の入れようは流石(^^)。
朴さんもそれによく応え、確実に「ロラン」を射止めたからこそ”少年役者”の第一歩を踏み出し、地位を獲得したわけであり、決してエスカレータではなく本人の努力の賜物だと感じられた。確かに監督は朴さんにロランを見、「朴が演じれば(何でアレ)それがロランなんだ。」と、素(本質・自然)を求めたところがあるようにも思えたけれど、それだけで成功するほど甘い世界ではないハズ。女優経験など、これまでに培ってきた何かのなせる業だったのだと思う。
元地球人(ムーンレイス)と地球人の対立を描いた『∀ガンダム』。元来ひとつだったモノが分裂し、いがみ合い、争う。ムーンレイスで密かに地球に降り立ったロランの「同じはずなのに・・・なぜ?」という想いは、日系3世である朴さん自身とシンクロし、激しく感情移入していたと話されていた。
そして、「声」とは、「魂の音」と言う朴さん。ひとりひとりが積み重ねた人生の結晶がすなわち「魂」であり、それを表現できる音が「声」だ、という意味と私は解釈。日常会話であっても、発せられる言葉の裏にはそれぞれの人生が必ずある。なるほど、そうかもしれないよね。知らないことは言葉にすらならないもの。
『鋼の錬金術師』は観たことが無いのでよくわからないけど、「エド」に対しても全身全霊をこめて演じていたようだ。ご本人も言われていたがどうやら”成り切り”型らしい。
演じ手として”成り切る”ことの良し悪しは私にはよくわからないが、実際、『ハガレン』でも入り込みすぎて”ボツ”、落ちたテンションで”OK”というアフレコがあったとのこと。作品として全体を見たときに、”一人だけ暴走”という雰囲気は、私でもきっとわかると思う。どんなに良い演技でも全体との調和があっての事、普段の演技を役者に任せていたとしても、伊達に監督が居るわけではないってことだね。スバラシイ!
とにかく楽しいおしゃべり(暴露話?)と、濃くて興味深い内容に40分があっという間だった。(もっともっと色々な話をされていたのに、ここではとても書ききれない)
”虚構・創作の物語”という嘘の世界にそれ以上の嘘はなし。舞台女優としても声優としても、嘘の無い正真正銘の自分に挑み続ける朴さん、というとても魅力的な方だった。今後の一層の活躍を期待し応援したいと思う。
次回は、ご存知『ケロロ軍曹』などを手掛けているアニメ監督:佐藤順一さん。(といっても『ケロロ』も観たことないんだよね・・^^;)
朴さんの再放送は、9/19(水)18:00~18:39 [BShi] ・・・お見逃しなく!
| 固定リンク | 0
コメント
うわっ、よく朴璐美の『璐』が出ましたねw自分も以前声優関係の記事書いてた時、『璐』が出なかったから仕方なく『路』にしたんですが・・(汗
∀のロラン、懐かしいです。ガンダムの中では特に好きな作品ですし、この∀で自分は朴さんを知った事もあり、結構思い入れもあるかもしれません。
投稿: メビウス | 2007/09/19 21:57
■メビウスさん、どもども♪
>『璐』
おお、よかった。メビウスさんにはちゃんと表示されているのですね。私も勿論ちゃんと表示されているのだけど、文字化け覚悟で使用しました。
(けど、コメント通知のメールでは「真」に化けましたw)
『∀ガンダム』良いですよね~。
見た目はちっともガンダムじゃない(色だけだし)けど、ガンダムを知らない人に勧めるならコレかもしれません。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/09/19 22:47