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2007/09/27

「鵺(ぬえ)」~モノノ怪より

今度の”物の怪”は、見た者によって姿カタチが異なるという「鵺」。人が創りし物の怪が、人を支配し閉じ込める。ヒトは既に人に非ず。ヒトにあるのはただ欲望のみ。我が身に起こりし事実すら知らない。
今回の薬売りは、エゲツないことをしている割にイヤに楽しそうでいつも以上におちゃめさん。コレまでの”物の怪退治”とは、ちょっと違うぞ・・という気配が漂っている。
どこか悪趣味(いじめっこ風)な薬売りの本領発揮!だね(^^)

「組香」という香り中てのゲーム。「竹取香」や「源氏香」など、いろいろなルールがあるらしいが、「香」を嗜んだことのない私にはちんぷんかんぷん(前編に説明があってよかった)。それはさておいても、この話は、「源氏香」での薬売りの答えが「幻」だったことにさえ気がつけば、それで某かが分ってくる。おぼろげながらにも全容の想像がつくというものだった。
Nue ほとんどモノトーンで描かれている登場人物。薬売りだけがいつもどおりなのには、何か意味がありそうだと誰でも気がつくと思う。「香」をきくと、瞬間的に極彩色に変る登場人物の顔色や衣装、背景がそのまま定着しないことが決め手にもなる。そういうモノなんだと思えてくる。ポンっと登場して、ポンっと消えるのも今までにないパターン。全てにおいて、どうもソコだけ異世界・異空間な雰囲気なんだよね。
薬売りの確信めいたストレートなツッコミも珍しく、「オイオイいいのか?」という言動を繰り返す。やはりコレは”夢”か”幻”だからこそ出来る事、と思って見ていれば、あの種明かしにさほどの驚きはなく、やっぱり?である。(さすがに鵺が何に憑依していたかまでは読みきれないが)
”空家”に巣食っていたのは「鵺」と化した「東大寺」。”欄奈待”という貴重な香木だ。「伝説」のある香木で、「伝説」の為に人は香木に踊らされ、香木が原因で死して尚、香に迷わされ、踊り続けることになったのだった。(このあたりにホホォとなるのはいつもと同じ)
”物の怪”は人間の業が作り出すモノ。今回は、香木はただ香木でしかないのに、人間が与えた”価値”が物の怪を生み出したということになる。「東大寺」にまつわる各々のエピソードが違うからそれぞれが違う姿を見る。だから「鵺」、それが「真」。「東大寺」として「鵺」が存続し続ける為には、その”価値”を知る者、認める者、求める者が必要。香りで人を誘い、虜とし続けていた、それが「理」ということになる。
よって「東大寺」の物理的消滅が、イコール「鵺」の消滅となり、燃やして”香”を出し尽くしてオシマイ。
「香、満ちたようでこざいます。」 全てが御破算、無に還り、なるほど~となる。

いつもとは違って”泣かせ所”はない話だった。けれど相変わらずの唸るような美術・背景に大満足。独特の(意味のある)見せ方がやっぱり素晴らしい。
組香用の”積み木”をすーっと玩んでいる薬売りだったり、薬箱から色んなものを取り出して、何かを吟味している薬売りの後姿がなんとも可愛らしく、オモチャを一面に散らかしながら楽しそうに遊ぶ子供のように見えた、楽しそうな今回の薬売りだった。
白でも黒でも”薬売り好き”な私には嬉しいお話だったかな?(^^)

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