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2007/09/07

「のっぺらぼう」~モノノ怪より

今度の”物の怪”はなかなか正体(形)を現さない「のっぺらぼう」。
物の怪に取り付かれたお蝶さんの様子から、「真」と「理」は想像通りであり、コレまでの「形はあれど・・・」とは逆となるつくりに唸らせられた一作だった。
なにせ「のっぺらぼう」だから、最初から在るのか無いのか分らないモノであり、それを隠す為に数々の仮面を操っているわけで、
「コイツは、しぶとい・・・」
薬売りが愚痴るのも分るってものだ(^^)・・・以下ネタバレ

Nopperabou 「この笑い事のために、貴女は、いったい何人、殺したんです?」
「貴女が本当に殺したのは、誰だ?」
言われるがままに自らを偽り、封印した結果が”不幸”という”笑い事”に繋がり、自らに課した呪縛から逃げることもせず、閉ざされた世界に身を置き続けていたお蝶だった。つまり、お蝶が殺したのは”自分自身”。イイコちゃんを演じている自分を真実と思い込み、都合の悪い部分を切り捨て記憶の上書きをし続けてきたお蝶に取り付いたのが「のっぺらぼう」だ。
お蝶が隠し続けた記憶の封印が解かれた時、「のっぺらぼう」は姿を現す。面を被って演技していた”役者”の姿を。・・・物の怪はお蝶自身が作り出したもう1人のお蝶。他人(母親)の欲望のために己(面)を忘れた「のっぺらぼう」。
偽ることを止め、イイコちゃんが本当の自分だと信じて込んでいた自分への言葉が「バッカみたい」。イイコちゃんを辞め、自由を求めて家を出るお蝶の再起を祈りたくなるラストだった。

残った謎が”仮面の男”。コチラはお蝶が作り出した物の怪の類ではないとのこと。
相変わらず思わせぶりなラストで見せた薬売りが使用している”キセル”は、仮面の男のものと同じであり、更に時間が戻っていること、薬売りが佐々木家の炊事場に居ること、「形」を暴く為に全編が”芝居”として展開されたことを合わせて考えると、最初に牢で出会った薬売りとお蝶からして、全ては薬売り(退魔の剣)が見せた”幻(夢)”の世界であるとも考えられる。
他人(家人)を殺めていないお蝶であれば、時間が戻っている事も不思議ではない。
牢に入っていたのは、お蝶が「佐々木家」を「牢」だと思っていたから。
実際は、佐々木家にやってきた薬売り・・・というところから始まるのが本当だったのではないかと想像している私だ。
このままでは起こるであろう”お蝶による佐々木一家惨殺”を、”恋をした哀しき物の怪”が未然に防いだお話が、この「のっぺらぼう」ではないだろうか?
また、”退魔の剣”は物の怪の持ち物で、変身した薬売りもまた物の怪ではないかと思う私。そんな”哀しき物の怪”がお蝶の元へと薬売りを導いた、・・・とは考えられないだろうか?よって、仮面の男は・・・・考えすぎ?

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コメント

今更ながらモノノ怪友達に勧められてみました
のっぺらぼう最後涙がでるくらい一途で硬派だった・・・
無邪気さもあったけど笑

突然のコメント失礼しました><

投稿: runa | 2011/01/31 00:39

■runaさん、こんにちは
はじめまして。
OAは随分前の話ですが、近々ブルーレイboxも発売になりますし、私個人的にもオススメの作品ですw

「のっぺらぼう」がお好みですか?
切ないけれど希望の感じられるラストは良いですよね。

投稿: たいむ(管理人) | 2011/01/31 23:06

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