「夕凪の街 桜の国」みた。
広島には行ったことが一度もない。修学旅行は、「九州」・・ではなく、「奈良・京都」だったしね(笑)
もしいつか行くことがあったら、必ず平和記念公園と資料館には立ち寄りたいと思う。
原爆投下から、既に60年以上の歳月が経った今でも、残り続ける・・というよりは受け継がれてしまう負の影に、正直驚いた。
やはり無知は罪にも等しいと、そして分った気になることも、同じ位愚かなことだと改めて思い知らされた私だった。
原爆は、投下するに当たっての理由が何であれ、結果こうなることが分っていながら落とされた兵器と認識すべきであり、またその理由については、どれほど尤もらしい理屈をこねようとも、決して正当化してはならぬものとすべし。
原爆について語れるのは関係者のみであり、語らないのも関係者のみであることがこの作品で良くわかった気がした。
同じ日本とはいえ、さすがに広島も長崎も地理的に遠くはなれているが為に、身近とは言いがたく、それほど”被爆者”について考えたことがなかった。”被爆者の血筋”というものが今も尚残り続けていることも、少し考えれば当たり前のことなのだが、これも身近に該当者が居ないこともあり考えたことがなかった。ただそれだけは、考えることが偏見に繋がるのだとすれば、これまでどおり考える必要のないこととしたいとは思うが。
「夕凪の街」でも、「桜の国」になっても、被爆者は、ただ被害者にも関わらず、ずっと苦労や苦悩を強いられてしまうという理不尽さに何度も胸が痛み、涙が込み上げてきた。それでもその中にあるホンの少し幸せと、家族や友人の温かさにやはり涙が込み上ってくる私だった。
打越さん、すばらしいです。
形見の”髪留め”を中心に、フィクションともノンフィクションとも付かない物語運びがとても上手く、促されるまま最後まで見届ける感じになっていたような気がする。いままで触れることを避けてきた何かに触れた瞬間、触れて良かったと思える、穏やかで優しい作品だった。観てよかった。
総評:★★★☆☆++ 好き度:★★★☆☆++ オススメ度:★★★☆☆++
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感動度[:ハート:][:ハート:][:ハート:] 2007/07/28公開 (公式サイト)
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満足度[:星:][:星:][:星:][:星:]
【監督】佐々部清
【脚本】国井桂/佐々部清
【原作】こうの史代 『夕凪の街 桜の国』(双葉社刊)
【時間】118分
【出演】
田中麗奈/麻生久美子/吉沢悠/中越典子/伊崎充則/金井勇太/田山涼成/粟田麗/藤村志保/堺正章
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試写会にて「夕凪の街 桜の国」
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おはなし:昭和33年広島。皆実(麻生久美子)は同僚の打越(吉沢悠)から求愛されるが、彼女は被爆した心の傷と生き残った罪悪感に苦しんでいた。やがて皆実に原爆症の症状が現れ始める。半世紀後、皆実の弟の旭(堺正章)は家族に黙って広島へ向い、父を心配した七波(田中麗奈)は、後を追う内に家族のルーツを見つめ直す。
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閣僚による「原爆投下しょうがない」発言が世間を賑わせた今夏。さらに原爆症認定問題もクローズアップされているなか、素晴らしい映画が登場したように思う。 [続きを読む]
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» 夕凪の街 桜の国 [to Heart]
製作年度 2007年
上映時間 118分
監督 佐々部清
出演 田中麗奈/麻生久美子/藤村志保/堺正章/吉沢悠/中越典子
昭和33年広島、皆実(麻生久美子)は同僚の打越(吉沢悠)から求愛されるが、彼女は被爆した心の傷と、自分が生き残った罪悪感に苦しんでいた。やがて、皆実に原爆症の症状が現れ始める。半世紀後、皆実の弟の旭(堺正章)は家族に黙って広島へ向い、父を心配した七波(田中麗奈)は、後を追う内に家族のルーツを見つめ直す。 (シネマトゥデイ)
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コメント
たいむさん、こんにちは♪
ほんと観て良かったと思える素晴らしい作品でした。
僕、広島に住んでいたことがあるんですけど2世、3世の話って聞いた
ことがなかったんですよ。
原爆の勉強もしたし色んな話も聞いてたのに
このことはこの映画で知って驚きました。
ちょっと考えれば当たり前のことなんですけどね。
やっぱり今を生きている人にも関係のあることだから
触れたくないっていうのがあるのかもしれません。
投稿: こーいち | 2007/09/02 14:09
■こーいちさん、こんばんは♪
8月ギリギリセーフで鑑賞でした。
こーいちさんは、広島にお住まいになった事があるのですか?
私も知人は何人かいるのですが、さすがにその手の話題はしませんからねぇ。。
まだ終わらない、というより、終わることってないのかもしれませんね。
それを知らず、わかったような発言はするものではないですねぇ。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/09/02 18:51
こんばんは♪
私も広島には行ったことがないんです。
修学旅行は東北でした(泣)
遺伝子レベルの負の遺産っていったい何代まで続くのか、本当に怖いことです。
「その手の話題」はやはりしにくい事ですね。
たとえば身内に(祖父とか)従軍経験のある人がいたとしても、戦場で何があったかはやはり聞き辛いものだと友人が言ってました。
銭湯のシーンが一番ショッキングだったかな。
あれを見るだけで無言のメッセージが伝わってくるようでした。
投稿: ミチ | 2007/09/02 22:29
追記です。
見るかどうしようか迷っていた「デス・プルーフ~」を見に行ってきました!
エロでグロで下品でしたが、凄く面白かったです!(オイ!)
おススメかも!
投稿: ミチ | 2007/09/02 22:31
■ミチさん、こんばんは♪
東北ですか~(笑)
コチラでは学校によっては、広島にも行く高校があるんですが・・。
銭湯のシーンは私もビックリでした。
アレが普通の光景だなんて・・・その場に居合わせたらきっと目のやり場がなくって、オロオロしそうです。
穏やかな作品でしたが、ヒシヒシと伝わってくるモノがありましたね。
>デス・プルーフ~
エログロ下品の三拍子ですか(爆)
監督が来日した時のTV番組の特集を見て、面白そうだと思ってチェックしていましたが、やっぱりですかっ!?
「ツォツイ」が上映時間の都合(夜の上映がないの)で観られそうにないので、今週はこちらにしようかしら?(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2007/09/02 23:19