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2007/08/11

「河童のクゥと夏休み」みた。

Kappa これといって不満はないけれど、とびっきりご機嫌でもない毎日。なんとなく同じペースで生き、同じものからはみ出さないように暮らす。そんな日常に舞い込んだ非日常。同じものから違うものへ、立場が変って初めて気がつくことができる何か。
寂しくて悲しくて、でも優しい物語。忘れてしまったこと、見過ごしてきてしまっていたことに気がつかせてくれるような、愛のある作品だった。
(以下、若干ネタに触れています)

普通のサラリーマンのお父さん。(たぶん)専業主婦のお母さん。小学生高学年の康一と(嵐を呼ぶかもしれない)幼稚園児の妹、そして「おっさん」という名前の老犬が一頭。東京の郊外にやっと念願のマイホームを手に入れたような、ごくごく普通の核家族が上原家だ。
康一の通う小学校もふつうにイジメがあり、康一も出来れば関わりたくないと思っているその他大勢な男の子。家庭内でも「仕事が・・」を言い訳にする父。愚痴っぽくなってる母。主役は自分でなくちゃ気がすまない妹。そこに康一が河童(クゥ)を拾ってしまったことから、物珍しさに早々に帰宅する父。末っ子の座を奪われた不満を新参者に当り散らす妹。どれもこれも言動の一つ一つ、仕草までもがとても自然に描かれ、「そうそう、あるある」と思わず自らを振り返り、笑みがこぼれてくる。”日常”を描きたいと宣言されていた原監督なだけに、さすがこだわりが良くわかるし、とても出来ている。
クゥと康一、上野家の穏やかな日々は長くは続かない。やがて「クゥ」の存在が世間を賑わすのはお約束。執拗に追いかける記者やレポーター。そこも”お馴染みワイドショー”そのものという”日常”であり、リアルだ。騒動や反応を、こうして傍から見れば馬鹿馬鹿しくて不愉快にも思うけれど、誰しも覚えがある言動であり、光景ではないだろうか。だから、クゥを守ろうとしていていながら、逆とも言える悪気のない上原家の態度も、ちょっと解かる気がしてしまう。
恐怖で逃げ出したクゥが東京タワーを登るシーンは、何もかもが『キングコング』と被り、悲しくなってしまう。もちろん戦闘機は登場しないし、クゥも戻ってくる。けれど、東京一円を見渡して「ここは人間の巣だ」(自分が生きる場所ではない)と悟り、”生きる”覚悟をしたクゥに泣けた。とにかく、掛け替えのない犠牲も含めて、この一連のエピソードを綺麗事にしなかった原監督に拍手したい。
当然のように別れは突然やってくる(これもお約束)。芽生えた友情や絆。別れのシーンは無条件で泣ける。でも、ここでは終わらず、クゥの意外な新天地がきちんと描かれ、締めくくられている。それがとてもあたたかい。希望に満ちている。嬉しくなって最後の涙をこぼした私だった。

感動・・というよりは、嬉しいまま席が立てる映画が好きだ。この作品はそんな作品だった。一言でいうなら「思いやりのこころ」。何にでも、誰にでも、いつまでも持ち続けたいものだ。

総評:★★★★☆  好き度:★★★☆++  オススメ度:★★★☆☆++
やはり約2時間半の大作。子供に媚びない作品なだけに小さな子供には向かない。前半には子供向けの笑いもあるのだけど、後半は寝ちゃう子、飽きて騒ぎ出す子が続出していた。
毎度タレント声優には否定的な私だけど、今回は悪くなかった。(特にゴリ。彼の方言は素敵だ。) 子供は子供が演じていたのも自然で良い。逆に、ほんのちょい役にそうそうたるメンツ(本職の声優さん)が代わる代わる登場するのに気がついてしまい、瞬間的に意識がそれるのだけど、それはそれで楽しかった。(強いて言うなら、藤原啓治&矢島晶子コンビに笑った)

そうそう、入場特典で「キュウリのキューちゃん」という漬物を貰って苦笑い。初日にはどこでも配っていたのかな?(笑)

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コメント

たいむさんこんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪

子供は純粋にクゥ目当ての鑑賞かもしれないので、後半のシリアスな展開は確かに眠気を誘ったり『飽き』を誘発するかもしれませんね。自分が観ていた時も落ち着きの無いお子ちゃまがちらちら目に付いていたのを覚えています。

クゥはラストにキジムナーのおっさんの所で新たな生活を始めてホッとしましたけど、自分はその前のコンビニの兄ちゃんが妙にうさんくさくて、『この兄ちゃんが最後にとんでもない事やらかすんじゃないだろうか・・』なんて事も思ってしまい、康一のようにちょっとびくびくしてしまいましたね(笑

投稿: メビウス | 2007/08/11 22:28

■メビウスさん、こんにちは♪
コンビニの兄ちゃん、あやしかったですね(^^;)
でも、その前に「ワレモノ」じゃなくていいの?ってドキドキでした。思い出してくれてホッとしたけど、「生モノ」だし、クール便(冷蔵)はいいの?とか少し(笑)

大泣き作品じゃないけど、じーん残る作品でしたね。

投稿: たいむ(管理人) | 2007/08/12 08:08

こんにちは♪
TB&コメントありがとうございました!
ほんと優しくていい作品でしたね。
かなり評判がいいですけど興行的にはどうなんでしょう?
こういう作品をたくさんの人に観てもらいたいなぁ。
画がもっとかわいければ客も増えそうだけど(笑)

僕も「キュウリのキューちゃん」もらいましたよw
でもキュウリが中国産だったので未だに冷蔵庫で眠ってます^^;

投稿: こーいち | 2007/08/12 14:00

 この作品が単に「楽しい日々」を描いただけの作品なら
子供向けで終わっていたでしょーね。本当は、現実に起き
ている色々な問題から目を逸らして生きている大人たちが
観るべき作品。上原家の中では、ひーちゃんが一番リアル
なキャラに感じました(小さい頃のうちの妹にそっくりw)

 クゥの声優の子、すっごい上手いなぁ~と思いました。
最初は、ベテラン声優がやってるのかと思ってましたしw
確かに2時間越えは、中学生?ふらいにならないとツラい
ですねw

投稿: たましょく | 2007/08/12 19:43

■こーいちさん、こんばんは♪
作画はちょっとカワイイとは言いがたいものでしたね。
宮崎アニメの魅力はそこにもありますしね。
映像はマッドハウスなだけに素晴らしいのだけどなぁ。

>中国産
ああ、気がついてませんでした。
でも、やっぱりどこでも同じなんですねwww


■たましょくさん、こんばんは♪
冒頭あたりは子供向けにしては少々鮮烈でしたね。
内容は大人がみて「アイタタタ」と思うものばかり。より多くの大人に見てほしい作品ですね。

>ひーちゃんが一番リアル
でしたね=。もうそこらじゅうに転がってる女の子の要素を全て持ってましたね。

クゥの声、上手かったですね。
ジョイ君を彷彿しました(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/08/12 20:50

こんにちは♪
終了ギリギリで見に行ってまいりました~。
アニメはなかなか触手が伸びず、「絶対おススメ!」という強力プッシュが無ければ見逃すところでした(汗)
いや~、これは大人向けでしょうね~。
子供たちには二時間越えはキツイでしょう。
トイレに立つ子がたくさんいて集中力をそがれました(汗)
あれはトイレに行きたいというよりも飽きてるんでしょうね。
河童のクゥの絵柄はワタクシ的にはオッケーで、「カワイイ!」とさえ思いました。
ここだけの話、香川さんに似てるなんて思っちゃった(汗)(汗)

投稿: ミチ | 2007/08/27 11:02

■ミチさん、こんばんは♪
どなたかにプッシュされましたかー(^^)
子供は、昨今の妖怪人気であり、”かっぱのくぅ”などという可愛らしいタイトルに騙されましたね(爆)
原監督でしたから、最初から大人向けと思って鑑賞しましたが、あまりにも小さな子供が多くって苦笑いしてました。
そそ、トイレじゃなくってつまんない。ですね。「もう、みたくないーっ」って聞こえきましたからww
子供向けでもある(大人な)アニメの場合、レイトショーに限ります。
私も今回は失敗でした。

>香川さんに似てるなんて思っちゃった
ぶははっ!
そう言われてみればそんな気も・・・
私も、クゥはOKです。
全体的に可愛くない作画、などと言われてもいますが、平凡・日常を描いた作品ならあんなものでしょうね。10人並みってねw

投稿: たいむ(管理人) | 2007/08/27 17:27

 こんばんは♪
 TB&コメント、どうもありがとうございました。

 日常のいろいろな描写が、とても自然でしたよね。
 強いメッセージを伝えつつ、けっしてきれいごとには終わっていず、
 教訓くさいこともない。
 すばらしかったです。

 ラストもよかったですよね。
 幸せそうなクゥを見て、ほんとうにうれしく思って、
 またしても泣けてしまいました。

投稿: miyukichi | 2007/09/02 19:01

■miyukichiさん、こんばんは♪
ミエミエのお涙頂戴ではなく、全てにおいてごく自然。
メッセージを受け取るか否かも受け取り手次第みたいな作品でしたね。

>幸せそうなクゥを見て、ほんとうにうれしく思って、
嬉しくなって泣ける作品って大好きです。
ゴリのキジムナーに私も癒されました(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/09/02 22:47

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