「精霊の守り人」~第21話:ジグロ・ムサ
ジグロの話が聞きたいとチャグムの頼まれ、幼き日の出来事を語り始めるバルサ。
バルサの父カルナは、カンバル王付きの医師だった。母は5歳の時に他界。
カルナはカンバル王の弟ログサに脅迫され、王毒殺を命令されていた。所詮、ログサの言いなりになろうとも、毒殺成功の暁には、自分もバルサも殺されると直感したカルナは、親友である”王の盾”の長:ジグロにすべてを話した上で「バルサを託したい」と申し出た。もちろん拒絶されることは覚悟の上で。当然のように断ったジグロ。・・しかし、ジグロにどのような心境の変化があったのかは分らずじまいだが、結局バルサを連れて国を逃げ、追われる者となったジグロだ。ワケのわからないバルサも、幼いながらも危機感を持ち、ジグロには命を救われたことを感謝しつつ、付いて行く覚悟を固めたのだった。
追っ手は残り8人の”王の盾”。ジグロにとっては誰もが仲間だ。既に腹を括ったかのジグロは躊躇することなく第一の追っ手を瞬殺した。第二の追っ手
は”王の盾”の中でも一番ジグロと親しい友だった。激闘の果てにジグロはタグルを討つが、友の死、「お前も、守るべきものを得たな・・」という友の言葉に
泣き崩れるジグロ。そんなジグロの姿が理解できないバルサでもあった。
以後、追っ手の目を逃れつつヨゴで暮らすジグロとバルサとなったが、ある日、バルサは父カルナの死を知ることとなる。その時にジグロは、父カルナが殺された理由、自分たちが逃亡し続けなければならない理由のすべてをバルサを明かしている。
全てを知り、「憎しみ」を心を宿したバルサはジグロに武術の教え希う。当初は断固として拒否し続けたジグロだった。しかし、独学で武術を吸収するバルサの才能を見、やがては”生きる術としての武術”をバルサの教え、鍛え始めることとなる。
トロガイ師やタンダと出逢ったのもその頃。そこからの10年間がジグロにもバルサにも厳しくも楽しい日々だったことだろう。一般的に武術とは”格
闘”のみを教えるものではない。けれど、もともと寡黙な男であるジグロだし、言葉では一切語っていないに違いない。それがそのまま今のバルサでもあるよう
に思う。
そんなバルサの話を聴きながら、どこかで自分とバルサを重ねるチャグムだった。いったい何を思うチャグムだろうか。
・・10年後、ジグロには最後の戦いが待ち受けてた。残り6人の”王の盾”との戦い。その時にはすっかり成長していたバルサだったが、「手出し無用」とひとり戦いに挑むジグロだった。
ジグロに対しては一言で形容する言葉が見つからない私だ。それだけの男、器量が計り知れない者だとしか。
次回「目覚めの季」、話を聴き終えたチャグムの心に変化はあるのか?そして、成長した卵がナユグとサグを繋ぎはじめる。チャグムはどこまで耐えられる?・・・春は近い。
思い出しながらの落ち着いたバルサの語りにすっかり釘付け。3話での、死闘の果てにバルサがみた幻影がそのまま登場する作りが実に上手い。
そして・・・、チビバルサの姿に”コドモトコ”を期待した私だったが、実際は”カガリ”だった♪ それはそれでちょっと嬉しい(^^)
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