「主人公は僕だった」みた。
「○○はまだそのことを知る良しもなかった・・・。」
”全知の存在”、それが小説に於ける作者であり、現実にはありえない存在。でありながら、小説の中にもその存在はない。実に興味深い。ヒルバート教授の講義には是非参加してみたかったものだ(笑)
そんな語りが”天の声”のように頭に入り込んできた、しかも現在進行系&未来予告。これは悲劇なのか、喜劇なのか?そんなお話。なかなか面白かった。
以下、若干ネタに触れます。
大笑いするところはほとんどない。ププっとクラスは多数。予想外なことにドッキリしたり、予想していても度肝を抜かれたりする部分あり。涙も(私は)あり。とにかくいろいろと忙しい作品だだった。(ツッコミどころも満載)
四角四面で正確無比、毎日毎日ハンコを押したかのような、型に嵌った生き方しか出来なかった男がハロルド・クリック。数字に強いだけあって頭は良い。賢くはないが、鈍感でもない。”天の声”が聞こえだすまではね(笑)
”天の声”はハロルドの言動の同時通訳(しかも豊かな描写)をするわけで、実は、(ありえないのだが)執筆中の”ハロルド・クリックの人生”を描いた小説そのものだった。同時通訳のようなものが、いきなり「ハロルドの死亡予告」をしたことで、ハロルドの人生そのものが様変わりしていくのだが、それが面白いといえば面白いし、上手くいきすぎといえば上手くいきすぎ。
小説が人生なのか、人生が小説なのか・・・。 果たしてどっち??という感じだね。
小説でのキーマンとなる少年と女性、そして後に恋人となるアナ・パスカル。これも必然か、偶然か。
現実なのか、小説なのか、構想なのか、本当の事故なのか、観ているものをも騙し惑わす構成がとても上手いと思った。特に電話のシーンがお気に入り。(想像通りでw)
涙があった私だけれど、主人公が知らずに死を迎えた小説、ではたぶん泣かなかったと思う。「現実がミックスされた小説」が一番の傑作であり、そのお話に涙した私だった。
悲劇は主人公が死んで終わる。喜劇は結婚で終わる。さて、ハロルドの場合は・・・そこは、ご覧になってお確かめください。
総評:★★★☆☆++ 好き度:★★★☆☆++ オススメ度:★★★☆☆++
ハロルドが、どうも石原良純に見えちゃって・・・・(^^;)
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サタデーナイトフィーバーと無縁な俺には、コメディー意外で主人公をする程ウィル・フェレルが魅力的な俳優なのかどうか微妙な印象。
でも、最近良い映画にばかり出ているし、エマ・トンプソン狙いも有ってこちらも期待して観てきました。
★★★★
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この映画の中では小説... [続きを読む]
受信: 2007/05/20 11:08
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「主人公は僕だった」 2007年 米
★★★
ちょいと期待しすぎました^^
予告で観たらとっても面白そうだったんだけど・・・・。
ハロルド・クリック(フェレル)は、真面目で堅物な独身男。
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時...... [続きを読む]
受信: 2007/05/20 11:49
» 主人公は僕だった [悠雅的生活]
愛する彼女に‘フラワー’を… [続きを読む]
受信: 2007/05/20 20:01
» [映画]主人公は僕だった [落とし穴には気をつけろ!]
超が付くくらいオカタイ国税局職員のハロルド(ウィル・ファレル)は、毎日毎日、判で押したように同じ行動を繰り返して生活しており、友達も同僚一人きりという人物。ある日、自分の行動を説明する女性の声が聞こえてきて、しかも「。。。このささいな行動が死を招こうとは、彼には知る由もなかった」と言われて恐怖する。彼は自分が直面しているものが何なのか、必死で探り始めるのだった。。。というお話。
大人のファンタジーという感じの話ですね天からの声は、作家が物語を語る声であり、その主人公がハロルドな訳です。何で?などと... [続きを読む]
受信: 2007/05/20 21:23
» 映画:主人公は僕だった 試写会 [駒吉の日記]
主人公は僕だった 試写会(新宿明治安田生命ホール)
「主人公のハロルド・クリックです」
本日はJ-WAVEのご招待。フライヤーなどと一緒に「甘いクッキー」もいただきました。携帯サイトではこのレシピもあるそうです。
GW明けの週中でややお疲れモードだったせいもあっ... [続きを読む]
受信: 2007/05/20 22:23
» 「主人公は僕だった」 [しんのすけの イッツマイライフ]
予告編を観て、
すごい面白そうだったので
楽しみにして試写会に行きました。
「主人公は僕だった」
これはコメディなのか?
はたまたシリアスドラマなのか?
それともラブストーリーか?
フェンタジーでしょうか?
なんにしても、
私には...... [続きを読む]
受信: 2007/05/21 23:02
» 主人公は僕だった [★YUKAの気ままな有閑日記★]
予告を観て面白そうだったので鑑賞してみた―【story】国税庁の会計検査官ハロルド(ウィル・フェレル)は、ある日突然聞こえてきた女性の声に驚いた。その声は彼の行動を同時進行で描写している。そして、事もあろうにハロルドはもうすぐ死ぬ・・・と語ったのだ!不安に駆られたハロルドは、大学の文学部教授ジュールズ・ヒルバート(ダスティン・ホフマン)に相談して、何とか声の主を突き止めようとする。そして、人生の期限を突き付けられたことで、意中の人アナ・パスカル(マギー・ギレンホール)に告白したり、子どもの頃の夢だっ... [続きを読む]
受信: 2007/05/22 13:49
» マーク・フォースター監督「主人公はぼくだった」 [詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)]
監督 マーク・フォースター 出演 ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティ・ホフマン、マギー・ギレンホール
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受信: 2007/05/22 20:44
» 主人公は僕だった(評価:◎) [シネマをぶった斬りっ!!]
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国税庁の... [続きを読む]
受信: 2007/05/22 22:37
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ウィル・フェレルは嫌いな俳優さんなんだけど、本作では押さえた演技をするよう監督に言われたっていうのを小耳に挟んだので、チャレンジ
確かにいつもの過剰な演技は皆無。
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【映画的カリスマ指数】★★★★☆
奇妙な悲劇がもたらした、色めき艶めく我が人生
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封切りしてすぐのレディースデーという事で甘かった。満員。
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ウィル・フェレルと言えば、これまでぶっ飛んだキャラしかお目にかかったことが無く、
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主人公は僕だった (出演 ウィル・フェレル 、エマ・トンプソン)
原題: Stranger Than Fiction (2006)
2007年5月19日 日本初公開
公式サイト: http://www.sonypictures.jp/movies/strangerthanfiction/
池袋HUMAXシネマズ4 シネマ3
2007年5月29日(火)11時40分の回
ゴウ先生総合評価: B-
画質(ビスタ): B+
音質(SRD?): A
英語学習用教材度... [続きを読む]
受信: 2007/06/01 13:00
» 主人公は僕だった [明け方シネマ]
監督が「チョコレート」「ネバーランド」と一作ごとに異なる趣の映画を撮っているマーク・フォースター、主演は「プロデューサーズ」の強烈なナチ信奉者が記憶に新しいウィル・フェレルと聞いて異色の取り合わせがどう出るか?楽しみにしていた今作。(以下ネタバレビュー....... [続きを読む]
受信: 2007/06/04 16:27
» 「主人公は僕だった」 [着物アロハ・茅kaya日記]
久々の遠出の映画です。
川崎まで行ってきました。
こういうのがもっと地元で見れるといいなぁ〜〜って、
おもってます。
苦悩の作家のエマ・トンプソンに大満足。
[続きを読む]
受信: 2007/06/04 21:43
コメント
こんばんは。
エマ・トンプソン大好き♪と、
マーク・フォースター作品への興味で
公開を楽しみに待ってました。
わたしって、つくづくこんな映画が好きなんだなぁと思います。
しつこい演出や大笑いがなくて、
内容は観方によって、如何様にも受け取れるって、
あれこれ考えるのが面白いです。
投稿: 悠雅 | 2007/05/20 20:11
■悠雅さん、こんばんは♪
>エマ・トンプソン
狂気じみた苛立ち加減といい、主人公の実在知って苦悩するところとといい、素晴らしい演技でしたね。
確かにしつこ過ぎない演出が好印象ですが、メリハリのあるコメディも私は好きですw
シリアスと見ればシリアスにもなり、コメディと見ればコメディでもある。おっしゃるとおり引き出しの多い作品ですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/20 21:21
たいむさん、こんばんは!
いつの間にやら、gooからのTBが復活してました(よかったあ♪)。
どうぞ引き続きよろしくお願いします。
>ハロルドが、どうも石原良純に見えちゃって・・・・(^^;)
ははは、私もですよ(^^) もし日本でリメイクするなら、ハロルド=良純、アナ=土屋アンナ、教授=緒方拳、カレン=大竹しのぶ、ですかね?まったくの独断と偏見ですが。
投稿: アビ | 2007/05/20 21:40
■アビさん、こんばんは♪
サポートからはまだ連絡が来ませんが、復活が嬉しいです。
またコケないければ良いのですが。。
コチラこそ、宜しくね!
>ハロルド=良純、アナ=土屋アンナ、教授=緒方拳、カレン=大竹しのぶ、ですかね?
いい線ですね。
大竹しのぶは、もう10年若かったら、アナも行けそう!
投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/21 18:12
たいむさん、こんにちは!
TBが引き続き順調で嬉しい限りです。
この映画ですが、たいむさんは楽しまれたようですね。
私はイマイチでした。途中が退屈で・・・寝ちゃいそうになりましたよ(汗)
「自分の行動を同時進行で語る声」なんて題材が面白いのですから、もうちょっとお話を広げて欲しかったです。
投稿: 由香 | 2007/05/22 13:56
■由香さん、こんばんは♪
TBいただけて嬉しいですw
そうですね、本当は「もしも昨日が選べたら」ばりの大笑いを期待していたのですが、ちょっと大人し目の肩透かしではありましたね。
テーマは面白いのに、ちょっと勿体無いですね。
けど、まぁ、それなりに楽しかったですよ。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/22 18:09
たいむさんこんばんわ♪TB有難うございました♪
あ、確かに石原良純に似てますねーw特に髪型がソックリ(^▽^;)指摘されるまで気付きませんでしたが、ピンと来たたいむさんの観察力もなんか凄いw
でも『良純』として観ちゃうと、この映画はかなりつまらなくなりそうです(^^;)いやー、気付く前に観て少しホッとしてしまいました(笑
投稿: メビウス | 2007/05/22 23:01
■メビウスさん、こんばんは♪
あのファッションとか、髪型とか、なんだかひと目で「良純」でしたよ。確かに興醒めではあったかも・・・(^^;)
メビウスさんの、”デスノート”こそ、笑いましたぞw
本当のコメディなら、アナと上手くいく前に作者を発見して、まず遣りたい放題、だと思いませんか?作者を納得させるお試しとして。アナとラブラブを書いてもらう(アナを操るみたいになっちゃうけど)
それが「3回コール」だけだったのがちょっと残念でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/22 23:12
こんばんわ。
TB&コメントありがとうございました。
しばらく不在にしておったためにウチの方にもらったコメントにお返事が出来ておりません・・・すみません。
この作品、素敵な1作でした。ファンタジーベースの人間ドラマという感じで、地味ではありますが、ジンワリと心が温かくなるような展開に心地よさを感じる作品だったと思います。
キャスト陣も皆良かったですね。
こんなウィル・フェレルは初めて観たような気がします(笑)。たしかに石原さんに似ております(苦笑)。あの眉毛と目の感じとかそっくり(爆笑)。
投稿: 睦月 | 2007/05/23 00:09
■睦月さん、こんばんは♪
羨ましいですね~長期のお出かけ!
戻ってきたらきたらで、パイレーツ色一色??(笑)
コメディというよりはファンタジーなのかな?
確かにコメディとしてはジミでしたね。
でも、私は好きですよ、こういうのも。もっと大笑いなのも好きだけどwww
この作品は地味なぶんだけ・・キャスト勝ちかな?
皆さん良かったですから。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/23 19:00
全体的に抑え目のコメディで、大笑いはできなかったですね。
アホアホ・コメディだと、劇場公開スルーされちゃうんでしょうけど。
投稿: ひらりん | 2007/06/01 00:35
■ひらりんさん、こんばんは♪
アホアホコメディでも下品でなければ公開してほしいですねw
ただ大笑いしたい時ってありますからねぇ。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/06/01 18:22
こんばんは~~♪
最近、映画を何週か遅れて観ています。
確かに大笑いはできなかったけど、けっこう好きです。
いろんなふうに考えてしまって・・・。
自分にも、エマのような作家がいて、
自分の話を考えていたらどうしょうなんて
思ってしまいました。
投稿: kayamariyon | 2007/06/04 21:45
■kayamariyonさん、こんばんは♪
自分が主人公だったら・・・面白くない本だろうなぁー(笑)
でも、自分では思いも付かない、描写の表現ってちょっと興味があるかも。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/06/05 20:08