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2007/05/23

DVD「パプリカ」みた。

Photo_39 劇場で見損ねていた為DVDにて鑑賞。来週の『アニメ・ギカ』のゲストが今敏監督でもあり、鑑賞が間に合ってよかった。毎月ぞろ目のレンタル半額デーにレンタル開始前日にも関わらずゲットできたのはラッキーだった。
林原めぐみ、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一...豪華声優陣が実に嬉しい。ベテラン揃いで安心。安定感は抜群だ。それだけでも見た甲斐があったものだ。
・・・・なんてことは言わない。(それ以上だったしwww)

夢とは何か? 
実現してしまった夢はもはや夢ではなくなる。だからまた新たなる夢を持つ。実現できなかった夢は悔いとなって夢となる。実現するまで夢はいつまでも繰り返し、続く。
夢とは、知恵と記憶の玉手箱であり、果てしない迷路と化したものが悪夢か? 何であれ、現実の夢も、睡眠下での夢も、人間が自分自身の手で自分自身の為だけに創り出すもの。無防備で丸裸な自分そのものが夢だ。
元来、他人の夢と自分の夢が交じり合うことなどありえないわけで、もし、そんな事態が起こったら・・・、更にそんな夢を誰かに支配されてしまったら・・・・。
そういったものがこの物語では描かれているのだが・・・・、原作未読のため、”DCミニ”やキャラの関係性など、基本的なことが想像の域を出ないまま話が進んでいくので、若干、置き去りにされたまま、そのまま終わってしまったかのように思う。(会話の早さについていけないとも言う) けれど、原作を知らない分だけいろいろな部分での衝撃は大きかったかな? 毎度のことだが、未読既読の良し悪しを論じても意味がない。視点こそ違えど、同じ作品には違いないのだし。
ただ原作は独特なSF作品だから、原作ファンの頭の中では、それこそオリジナルな想像と妄想の世界で満たされていたのではないだろうか? どのくらいリアルな映像として本領を発揮できていたのか、そこのところの評価にはちょっと興味があるかも。
未読な私は、曖昧となった現実と夢の世界の間には見事なまでに”音と映像”で幻惑された。圧巻だと思った。(色取どりの”夢のパレード”や、赤い着物のおかっぱの日本人形の「どこかでみたような・・・」は仕方が無い??)

音楽が実に良い。まずOPで一気に盛り上がった。”パレード”は映像と合わせて「夢」に出てきそう(笑) とにかくメリハリが素晴らしい。これは劇場の大音響で聴きたかった。
ものすごい量のオモチャや人形たち。細部まで手を抜かない映像とその技術も素晴らしかった。
万人ウケする作品ではないとは思うけれど、夢と現の間に興味のある方などにはオススメいたしましょうかw。

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コメント

たいむさん、こんばんは。
TBさせていただきました。

>音楽が実に良い。まずOPで一気に盛り上がった。
平沢進のテクノテイストな音楽は、作品にピッタリでしたね。
何でも今監督に曰く、作品が出来上がる前から音楽は決定していた
とのことで、もしかしたらこの妄想が溢れてくるような感覚の
音楽を聴きながら、日本人形やら招き猫やらを描き出したのかも。
エンディングテーマの「白虎野の娘」では、しばらくその夢の世界に
心を持っていかれていたのを思い出しました。

投稿: GAKU | 2007/05/24 01:52

■GAKUさん、こんばんは♪
テクノは守備範囲ではないので、平沢さんのお名前も存じませんでしたが、この作品には実にマッチしていて良かったです。
「ラブソング・・」では、歌詞も曲も大切!って言ってましたが、映像と曲も切り離しては考えられませんよねw
ほんと、相乗効果が抜群でした!

投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/24 18:16

うーむ。原作、既読で望んでしまった今作。十分に楽しめた…とは言えなかったんですが、音楽はキッチュ!でとても良かったと思います。
「夢」の映像化って、そら、イメージを展開させるのは、たいへんだったでしょうし、マッドハウスならでは、の素晴らしいアニメでした。
でも、でも…。同じようなシーンの繰り返しは、やっぱり禁じ手でしょ? アニメセル(?)の使い回し、と思われてしまう。<ない、と思うけど、もしそうなら、安易過ぎるでしょ? おかっぱの人形少女は、ありがちなイメージで、ちょっとがっかり。最後の理事長も、「でいだらぼっち」(「もののけ姫」)みたいなイメージでした。オリジナリティを期待しすぎたのかな?>自分

投稿: あかん隊 | 2007/05/25 03:13

■あかん隊さん、まいどども♪
あかん隊さんは、原作を高評価されてましたよね、そういえば。
意味不明で何でもありという「夢」のイメージはなかなかよかったのでは?と私も思います。
同じモノの繰り返しについて・・・、これは「時かけ」でもたくさんありましたよね。こっちは”タイムリープ”という特異な現象による必然ではあったけど。DVD特典での監督インタでも、”繰り返し”に”節約”は確かに有る、と話されていました(笑) でもそれだけじゃない。監督の感性による”さじ加減”で決まる、そんなところでしょう。私はさほど気にならなかったし、間違い探しが面白くもありましたよ。
やはり、原作の既読・未読の差ですか?
想像の占める割合が大きい小説の映像化はとても難しいということでしょうねw 

投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/25 22:10

こんばんは~
原作は、鑑賞後に読んでみました(笑)
やっぱり、ちょっと感覚が違うのね。
でも結果論として、猫はこの映像化は凄いなとは思います。
何よりも、インパクトがね(笑)
サントラは、観た直後しばらくは頭の中でリフレインしてました。^^;

投稿: にゃんこ | 2007/05/26 23:10

■にゃんこさん、こんばんは♪
おお~、原作読まれましたか!
んで、やっぱり違った印象なのですね?

私も、この映像は凄いと思います。
私は「イノセンス」を彷彿しましたが、「千と千尋」もこんなでしたね。ってことは、実は人間の空想力ってこんなもの?なのかも~と思うとちょっと失望??(爆)

サントラ、今更ながらにちょっと聞きたい。(サントラ好きなものでw)
レンタルあるかしら??

投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/26 23:23

こんばんは♪
コメントありがとうございました!
ほんと映像と音楽は素晴らしかったですよね~。
オープニングからガッシリと心を掴まれました。
夢のような現実なような、フワフワした訳分からなさが心地良かったです。
これは劇場で観たかったです(泣)

投稿: こーいち | 2007/06/13 23:42

■こーいちさん、こんにちは♪
>オープニングからガッシリ
どこか意味不明??なんだけど、がしっってねw
私も劇場で観ればよかったです。やってたんだけどなぁ・・・(><)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/06/14 07:57

たいむさん、おじゃまします。TBは不調のようです。

作品のことより、新作が半額でレンタルできる事に、羨ましさ
を感じてしまう私(笑)。以前は新作も半額デーでレンタルで
きたのですが、去年あたりから、新作は除外になってしまいま
した…。

ラスト近く、パプリカが乗るポスターの馬の隣に、ディープイ
ンパクトと武君がいたのに、ちょっと感激。(^^ インフルエ
ンザはいつ沈静化するのかなぁ。

っと、作品とは関係ないことばかりで、失礼しました。林原め
ぐみと山ちゃんといえば、ナンダカンダ言っても、あの作品を
思い出しますな。なんちゃって(さーびすさーびすぅ!)

投稿: ラフマニノフ | 2007/08/21 15:30

■ラフさん、まいど♪
奥様リクエストなのね。相変わらずお優しい~。
・・・ん?ウチも似たようなものか(^^)

新作半額は嬉しいですよね。TUTAYA全店半額では、旧作のみ。頑張って準新作までですもんね。ありがたいです。
ただ、新作は24日以降が多いので、ピチピチはなかなかみられません(笑)
11日は、みんなが同じ事を考えてるの競争率が激しいし(爆)

>ディープインパクトと武君
うぉ~!まじっすか?これは再チェックしなくては!

>ナンダカンダ言っても、あの作品を思い出しますな。
ナンダカンダ言いつつも、結局初日に行くんじゃない?(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/08/21 19:01

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