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2007/05/22

「ブラックブック」みた。

Black 女スパイと”黒革の手帳”をめぐるドロドロのスリルとサスペンスの物語と思いきや、「”ブラックブック”は何時出てくるの?」という話の進行具合。 ドイツ軍占領下でのユダヤ人迫害、武力に物を言わせた略奪・横領が蔓延していた終戦末期の物語。いつの間にか”ブラックブック”のことも忘れてしまうしまうほど引き込まれた作品だった。
(以下、若干ネタに触れています)

裕福なユダヤ人家庭に生まれ育ったがラヘルだったが、ナチから隠れて生活することを余儀なくされ、遂には偽レジスタンスに騙されて家族を皆殺しにされ、レジスタンスのスパイとして活動する”エリス”となる。
自分に残されたモノは「命」のみ。憎しみと悲しみ、苦しみに強く支配された彼女の心は、彼女自身にどんなこともさせた。すべてが命を賭けた真剣勝負であり、綱渡りでありながら、ハッタリでも毅然とした態度を崩さず、知恵と機転で危機を切り抜けていくエリスだ。
その強さは、女だてらに・・・と言うよりは、女だから、という印象。スパイとして近づいたドイツ軍将校と恋に落ちるのも、また然り。並大抵の覚悟で「敵」と恋が出来る時代ではない。何が真実かを見抜く、彼女も彼もそれだけの器量を持ち合わせていたから愛し合えたのだろう。
時代が変われば立場も変わる。戦争が終結しても、「戦争」という大義名分が無くなるだけ。巷では差別と暴力の対象が逆転するだけという、むなしい光景が繰り広げられる。怒りと喪失を報復でしか癒せない人々。戦争は人の心をどこまで荒ませるのだろうか・・・。心が痛くなる。
敵味方が入り乱れ、騙し騙され裏切られ・・・復讐の連鎖の中で、真実が掻き消され、上書きされていく。
「人を簡単に信用してはいけない」、、、ラヘルに対する最初の忠告が、そのまま全てを物語っていた。この時代がそうなのか、現在でもそうなのか、『違う、人も捨てたもんじゃない!』 と断言したいが、そうできない自分がちょっと悲しい。
このセリフであり、切手やチョコレート等々ちらちら見せられた伏線がやや分かりやすかったが、エンタメ性が高くて全体に勢いがあるため先読みできても興醒めしたりはしない。
最後の最後まで目の離せない展開に、ずっと引き込まれていた。

総評:★★★★☆   好き度:★★★☆☆++  オススメ度:★★★★☆

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コメント

こんばんは! やっぱり、良かったですか?>実は、観てない。。。
確か、「善き人のためのソナタ」に出ていた男優さん、これに出演してませんでしたか?=セバスチャン・コッホ 渋い、オトコマエですよねぇ。「イケメン」ていうのは、軽い感じがするけど、「オトコマエ」だと、ぐっと重みがあるような…。<そうでもないか。。。
DVDで、と思っているとすっからかん、と忘れることの多いこの頃です。どこかにメモしておかなくちゃ…(T T;)。

投稿: あかん隊 | 2007/05/23 00:04

こんばんは♪
エンタメ性の高さはさすがにバーホーヴェン監督だな~と思いました。
最後の最後まで目が離せなかった。
「人間って捨てたもんじゃない」って思える作品と、「やっぱり人間って弱いものだよね・・・」ってガックリきちゃう作品があって、どちらが好きってことじゃないけれど、映画を見ることによっていろいろ考えさせてもらえるな~ということに感謝感謝です。

ところでメールの件ですが、届いていないみたいなの(泣)
私のところにもう一度アドレスを書いておきましたので、お手数ですがよろしくお願いいたします。

投稿: ミチ | 2007/05/23 09:03

■あかん隊さん、こんばんはー♪
あらら、ご覧になっていなかったのですねー。
>セバスチャン・コッホ
相変わらず、外国人俳優さんの顔と名前が覚えられないので、わかりませ~ん(><)
そうっすね、イケメンは軽そうw
私もイケメンよりシブいオトコマエが好きです(笑)

>メモ
忘れないようにメモするから、忘れるんですよー。
忘れる為にメモをすると、忘れても大丈夫だったりします。メモしたことを忘れなければ(笑)
お試しを~。


■ミチさん、こんばんは=♪
もっとリアルで、胸が締め付けられるような作品かと思ったら、案外エンタメ性が強くって、悲壮感に打ちひしがれなくても済む爽快感がありましたね。
これはちょっと嬉しい誤算でしたよ♪
私もどちらが好みということはないですね。キツイのばかり息が詰まっちゃうし、弾けてばかりじゃただの娯楽だし。
いろいろな作品に触れられて私も嬉しいです。

メールの件、ありがとうございます。
早速、送りなおしマース!!

投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/23 18:50

こんばんは☆
あまり過剰な演出があると萎えてしまうこの頃なんですが;かえって重くならずにいいのかもとも思えます。映画はこういう感じのほうがたくさんの人を感動させますかね。
そうそう、女だからこその武器を持ってるというか。やはり「涙」と「体」ですかねー。笑
体は自信がないので涙で勝負のワタクシ。あ、誰もなびきませぬ・・・爆殴

投稿: シャーロット | 2007/05/23 20:43

■シャーロットさん、こんばんは♪
過激でリアルなのはそれだけで、感情が乱されて興奮状態になって、精神的には萎えるし、体力的にはぐったりしますねぇ。
雰囲気的には「ブラッド・ダイヤモンド」に近いでしょうか。あの作品も適度なエンタメ性が相乗効果を発揮していたように思いますし、観やすいですよね、こういう作品は。後味も悪くないどころか、良くなってるし。

>やはり「涙」と「体」ですかねー。
ぶはは!エリスは正真正銘「女」でしたねー。私にはとーてー真似できませんっ。

彼女は信じることを止めなかったから、何度も命拾いしたのかな?なんて思い始めました。
騙すより、騙されるほうがナンボかマシ、かしら?

投稿: たいむ(管理人) | 2007/05/23 22:59

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