「アルゼンチンババア」みた。

吉本ばななって、いつから「よしもとばなな」になったんだろう？　EDを見ながらそんなことを思っていた。
原作。。というか、吉本作品は一つも読んだことがない。かつて、小泉今日子の「吉本ばなな」発言から大ブレイクしたことが、読まない理由になったことは間違いない。
（以下、ネタに触れてるのかな？）

死から始まって、生で終わる。一つの何かが去って、また一つの何かを得る。
実は、根底にシリアスなテーマが存在しているのが分るのだけど、全体としては軽め軽めに仕上げられていた。その”軽さ”にも意味は込められていたのだろうし、それは分るのだけど、なんだろう？イマイチのり切れなかった、というのが正直なところ。中途半端なコメディタッチが好みじゃない。というごく個人的な嗜好の問題だとは思うが。
摩訶不思議な”アルゼンチンババア”には好感がもてた。が、愛するものの死を受け入れられずに現実逃避を図り、あま～いマイワールドにどっぷりと浸る父親が受け入れがたく、母親の葬式にも出ず、すべてを放棄し腑抜けた父親を眼前にしながらも、何故か父親に固執する娘の心理が良く分らなかった。一般的に考えれば、もっと怒りをぶつけるものではないか？であり、なんか違う、なんかヘン。
けれど、その疑問を最後の最後で解決してくれた。娘は母親に対して罪悪感とも言える想いを抱え込んでいたわけで、すべてを吐露して懺悔できる相手は父親しかいない、ということだったのだと分った。とりあえず納得できたし、スッキリさせてもらえてよかった。

んー。今思うと、観方を失敗したかもしれないな。”ファンタジー＞リアル”として寛大な気持ちで鑑賞すればもっと楽しめたような気がする。そこを切り替えるタイミングを逸したのが敗因かな？
折角だたっびろい野原と”アルゼンチンビル”がとっても幻想的で素敵だったのに。
独自の世界を纏い、時間の流れすら操っているような年齢不詳な”アルゼンチンババァ”だったのにね。

総評：★★★☆☆+　　好き度：★★★☆☆　　オススメ度：★★★☆☆