BS2「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」
待ちに待った「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」が遂にオンエア。・・・さすがに3時間は長かった(^^;)
なにぶん”NHK”なものだからCMがないし、映画を見慣れている私でも「まだ11時?」とか感じちゃったわ(^^;、とはいえ、『攻殻機動隊S.A.C.:2話』は何度となく観ているし(といいつつ今回も泣いたw)、『メイキング』のほとんどは、1/19に放送された「にんげんドキュメント:対話がアニメを作り出す~監督 神山健治~」の内容であり(これも何度もみたしw)、『トークイベント』は会場にいたわけで、3時間釘付けにならなくて済んだというのはある。ただチョコチョコ追加挿入されていた目新しい話題を見逃さない為に一生懸命ではあったかな?(笑)
ということで、目新しいトコで印象に残った部分をご紹介。
まずは・・・”神山組の合宿”
「カタツムリの寄生虫」話が面白かった。けど、参考映像がなければ、監督が言ってることが誰にも理解できなかったかも。あんなに細くて小さいカタツムリの目に虫が寄生すること事体、イメージがわかないのに、それが床屋の看板(”サインポール”もしくは”アメンボウ”と言うらしい)のようにクルクル回る・・・と言われてもてもねぇ(笑)
別のところではあったけれど、『リアルじゃないけど”リアリティ”あるものを目指す。』と神山監督は言っていた。
この寄生虫は、”人間に精霊が卵を産みつける”というファンタジーのならではの設定に、現実に在るもの・近いものを探しだすことで”リアリティ”を生み出し、全員のイメージの共有化も狙いとした情報収集の中での発見らしい。
寄生されたカタツムリは、寄生虫によって鳥に食べられるように仕向けられ(それがクルクルのサイン)、カタツムリが食べられると今度は食べた鳥に寄生する。それが虫の最終目的であって、カタツムリは謂わば当て馬みたいなもの。直接鳥に取り付けば・・と思うのだが、この虫は”まずカタツムリに寄生する”ことが第一条件であり、必要不可欠なのだそうだ。カタツムリにしてみれば、寄生されるは食べられちゃうわでまるっきり迷惑な話なのだけど、実は、チャグムはカタツムリとほぼ同じ運命にあるという設定だったりする。「ふぉ~」って思ってしまった。※運命はあくまでも運命ってことで
”ファンタジー”が”リアル”に近くなる大発見。一体、どこをどうしたらそんなコアな資料を見つけられるのか。やっぱり神山監督って凄いわ。
もう一つは「言語」について。どこまで”英語”を入れられるか?
諸国を旅するバルサは、おそらく様々な言語に精通しているだろうと想像できるけれど、ではどこまでOKか?ということ。全体的に”アジアン”な雰囲気でありながら、アジアのどこでもない世界観を目指しているとのことでもあり、「英語?」っていうのは確かにある。この話題には結論がなかったので本編の中で拾いながら楽しみたいと思った。この”アジアンでありながらどこでもない世界観”は、風景や町並み、しきたりや食文化、雑貨に至るまで監督はこだわりを見せているので、合わせて要チェックってことで。
次なるの初ものは”鍛冶屋さんへのロケハン話”
とにかくスタップの着眼点には”プロ”を感じた。また、監督や脚本チームと美術やデザイン系のスタッフの視点の違いにも唸るものがあった。さすがです。
実際にやってみなくちゃ気が収まらない風の監督の鍛冶屋体験には、「サマになってないなー」と思いつつ微笑ましく思ってしまうのだが(笑)
最後に「にんげん・・」でのメイキングの”その後”が追加されていたのは嬉しかった。
『精霊の守り人』の軸なるテーマは「泥臭い、人間臭いひとの生き様」であり、心情を反映させているものが「水」であり、「空」であり、ポイントは「雲」かなーと感じられた。
”青い空と白い入道雲”と言えば、昨年の『時をかける少女』の映像が抜群だったが、”入道雲”という躍動感あるそれとはまた違う、こだわりの”チリチリ雲”には、”女子高生”と”30女”の大きく異なるモノを感じずにはおられず、ここでもやはり「監督って凄いなー」と絶賛してしまうのだった。実際、『精霊・・』での「雲」の映像は、『時かけ』の「雲」に勝るとも劣らない素晴らしい出来であり、その効果も1話を見れば納得できるというもの。OPでも「雲」のカットの多用は歴然であり、どのように活用されていくのか、変化も含めて要チェック項目にしたい。
あまり書くことないかな~と思っていたけれど、簡潔にかけない為にやはり長文になってしまった(汗) 第1話「女用心棒バルサ」の感想はまた後ほどに。雑感としては、原作のセリフがだいぶ省略されているようには感じられた。けれど原作にはないセリフも多く、でもそれは原作の心理描写文や状態の説明にあたる部分をセリフで補足しているようでもあり、また、後の伏線となるセリフも組み込まれていたりで、練りに練られた脚本の上手さを感じる。正直、原作を知らないほうが楽しめる作品、ぶっちゃけ、原作より面白くなるかもー。。。なーんてね。・・・・これは、激しい贔屓目のせいかな?(笑)
※MY関連記事
『精霊の守人』徹底トークイベント、観覧。
NHK:にんげんドキュメント「対話がアニメを作り出す~監督 神山健治~」
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コメント
眠ってません! 携帯入れてくださいな。たいむさんの声を聴けるだけでも嬉しいし、なにより、「これから始まるんだね!」と期待の気持ちをシェアできるではありませんか!
カタツムリの話、びっくりでしたね。その内容より、それを知っている神山さんって何者!っていう感じでした。調査が凄いんだなぁ。
背景の方が、操作しているソフトやマシンに興味津々でした。絵コンテでも1枚に5コマなんだな、とか、監督の誕生日シーンの後ろにあったのは、Macintoshだな、とか、背景はレイヤーで分けてるな、タブレットを使ってるな、とか…情報満載ですごくハッピーでした。
バルサの似顔絵、トレスしてセル画起こそうかと思ったんだけど、そう言えば、アニメカラーはみんな処分してました。(爆) 今からやるなら、デジタルで彩色ですね。彩色も、どうもWindowsだったようなのですが…気になるなぁ。。。
バルサの声、いいですね。先行で見た第一話には、会話に「英語(カタカナ語)」が入ってましたね!(なんと言っていたか、忘れちゃった)
放送開始の日に、もう一度見て確かめます。今週末までにHDDのレコーダーを接続します。(汗)
投稿: あかん隊 | 2007/03/28 01:50
たいむさん、こんにちは。
テレビをつけたら偶然、神山監督が出演していたので
途中から見てました。
「たぶん、たいむさんはチェックしてるだろうなぁ」
なんて思ってはいましたが(笑
神山組の長時間会議に原作者の方が往復4時間かけて通ったという話に、
「この長時間会議、恐らく監督のことだから1日中やってんだろうなぁ」
などと思いつつ、この神山スタイルがファンタジーを絵空事で終わらさず
人間をリアルに描く秘訣なのだと改めて実感。
後半のみだったので、ビデオチェックしておけばよかったです。
失敗しました。
投稿: GAKU | 2007/03/28 06:56
こんにちは^^。
>「カタツムリの寄生虫」話
これ、「へんないきもの2」をお読みになったのかな?と思いました。
第1話はおとなしめの導入という感じでしたね。
冒頭で何気に謎解きの○を入れてあったのには思わずニヤリ。
投稿: shamon | 2007/03/28 13:43
こんにちは、先日はどうもです(^^)
す、すみません。。。アフリカマイマイとちょっと記憶が混同ぎみでしたが、存在だけは知ってましたレウコクロリディウム、あは、あはは(^◇^;)
BS2でやっていた海外ドラマ「エイリアス」の主人公シドニーの吹き替えで、安藤麻吹さんの名前は覚えました。素子ばりのCIAエージェント役で、憂いがありつつカッコイイ雰囲気がぴったりの声で良かったです。
あと同じくBS2の「FBI失踪者を追え」のサマンサという女性捜査官の吹き替えもされていて、4月から第3シーズンも放送されますね。
神山監督の好みが、なんとな〜くわかるような気もします(笑)
投稿: A-ten | 2007/03/28 16:19
■あかん隊さん、こんばんは♪
そうですね。今回は特に昨日の今日だったわけだし、「見てる~」って電話すればもっと楽しかったかもしれませんね。
以後、この手の件に関しては情報の共有化を致しましょう! 他の個性はそのままに(爆)
あかん隊さんには、別の意味でもお宝映像満載だったようですね。
私には、どれもただのパソコンでチンプンカンプンでしたが(ペンタブレットくらいなら知ってるけど)、メイキング作業は興味深かったです。
私はどちらかというと、壁に貼ってあるモノとか、山積みになっているモノに目がいったかも。
そうそう、おかげで神山語録が思せましたね(笑)
鍛冶屋のロケハンじゃないけど、同じ光景を見ているのに人によって視点が異なるのって、当たり前だけど面白いですよね。それは価値感にも繋がるし。
カタツムりは、チャグムの設定を知っていたのでほんと、良くそんな虫を見つけたな~って、感動でした。神山監督の守備範囲の広さ、情報収集の手腕には頭が下がりまくって地面に届きそうです(笑)
>英語
うわ~私も、覚えてない!ここで”チェックポイント”とか言っておきながら、やはり一度見ただけでは見落とし、聞き落としがありますね。私も再確認するとします!
それは、1話の感想にて発表かしら?(笑)
■GAKUさん、こんばんは♪
はい、勿論です!
しかし残念でしたね、後半だけとは。ここでは折に触れて番組告知の記事を書いたのですが、目にとまらなかったかな?
とはいえ、全体の1/3は「にんげんドキュメント」の内容なので、後半のトークが見られれば殆ど大丈夫ですよ(そういう問題?)
>ファンタジーを絵空事で終わらさず・・・・
ほんとにそうですよね。
とにかく、まず視聴者第一。更に持てるものを全て注ぎ込むという姿勢には感銘すら受け、改めて監督の偉大さを感じましたね。
1話の評判も上々だし、4月からのO.A.が楽しみですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2007/03/28 17:01
■shamonさん、こんばんは♪
>「へんないきもの2」
shamonさんも「へんなもの」をよくご存知で(^^;)
私は初めて知りました。昔なら「野生の王国」とか、「わくわく動物ランド」など番組で仕入れることもだったでしょうが・・・
>謎解きの○
耳慣れて着始めていたアレは、コレにもなっていたなんてねー!
私も、フフフでした♪
■A-tenさん、こんばんは♪
先日はこちらこそどーもでした(^^)
>レウコクロリディウム、あは、あはは(^◇^;)
皆さんしてなんでそんなもん知ってるのか?しかもこれって学名?σ(^_^;)アセアセ...
>安藤麻吹さん
外画の吹替えが多いのは知ってました。
バリバリでカッコイイ女性が似合いますよねw
バルサにはピッタリでした。
素子は「だわ」の語尾だけど、バルサは「だよ」なので、少年に近い低めの声がバッチリ。
二ノ妃には、何気に一休さんの母上様を彷彿したのですが、「増山江威子」さんだったら面白かったかも・・・でも、そういうお遊びをする監督じゃないですしねw
投稿: たいむ(管理人) | 2007/03/28 17:17