« BS2「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」 | トップページ | 「ホリデイ」みた。 »

2007/03/28

「精霊の守り人」~第1話:女用心棒バルサ

アニメ『精霊の守り人』は全26話。アニメは、原作を忠実に再現するものではないし、半分は原作にないオリジナルストーリーになる予定(実はそっちこそが楽しみなのだが)。できれば毎回レヴューを書きたいとは思っているが・・・まだ未定。(なにせ土曜の朝の番組だしねぇ)
原作は一応一回だけ読んだ程度。よって原作に特別な思い入れはまったくないと、まず最初に断言しておこうかな。けれど読んでしまったので”差異検証”はしてしまうと思う。でも、だからといって、ただどっちか良いとか悪いとかいった感想にはしたくないと思っている。※ただし、神山監督贔屓なので、アニメを高評価することは多いかもw

さて、「徹底研究」にて先行放送された第1話:「女用心棒」
雑感は「徹底研究」の感想で書いたとおり。全体としては、気合の入っている第1話でもありなかなか良かったと思った。

と言っても、第1話は大抵の作品と同じで、主要キャラクターの紹介や時代背景を見せる部分が多く、そこにキャラ同士の”出会い”があり、物語の発端をチラと見せるところで終わるというお約束な展開。
とにかく主人公:バルサな第1話。バルサ説明に時間をたっぷり費やした感じ。”心の声”を”独り言”に置き換えたことも含めてバルサのセリフは倍増か? ”バルサを見せるためのオリジナルエピソード”も何気に追加されてた。
勇敢にも激流に飲まれる皇子を救出するだけでなく、二ノ妃の刺客と一戦を交えさせ、一方的な強さを見せ付けることで”凄腕”を証明&強調。更に寝室でのやり取りからは優れた洞察力や的確な判断力が披露され、頭の回転の良さや誠実さを印象付けるという、”強き・賢き・情け深い女用心棒バルサ”の3段落とし。(褒めすぎ?w)

バルサを説明するセリフの追加で一番ドッキリしたのが、原作にはない二ノ妃の最後の問い、『チャグムは何番目か?』について。(原作ファンには賛否論争がありそう??)
『8人の大切な人を死なせた償いに、8人の命を救う誓いを立てた』という意味の言葉をバルサ本人の口で語らせたことには、「ええっ?いいの?」って。
この”誓い”についてのエピソードは、原作では後に明かされる新事実みたいなものであり、「ここで本人に語らせるか~」とビックリだった。けれど、『8人目』だと即答させたことで、何となくこのセリフを入れたワケが理解できた気がした。それは、いずれ”誓い”のエピソードはタンダからチャグムへと語られるだろうけれど、初回でバルサが「8人目」と言い放っていた事実は、バルサのより強固な意志と逃れられない宿命を表現したものとして、その時になって「そーいえば。」と思い出すことになるのでは?と思う次第。
・・・まぁ、バルサの中に”8”以上はない、ということなんだけどね(笑)※決してそれ以上は”いっぱい”という意味ではないw
原作では未登場のタンダやトーヤの”チラ見せ”も、第2話を考えれば良いタイミング。特にタンダは、原作での唐突な登場を上手く補完させることになるしね。

映像や背景美術、3Dと2Dの融合は言うまでもなく。。。
「雲」は勿論、今回は「水」が凄かった。激流はもとより、”チャグムの不思議な力の発動”もバッチリだったし、”田んぼにはった水とそこに映る空と雲”も素晴らしい。
”アジアンテイストなどこでもないもの”では、湯あみ用の衣装だったり、酒ビン(徳利なのかな?)の形状、和風なお膳なんだけど中華っぽい雰囲気、クイーンサイズな寝具等々、「頑張って崩してるなー」と見ていてとても楽しい。やはりこれらは今後も要チェックってことでw

第1話の本放送は、4/7(土)午前8:06~(NHKBS2)
先行を見逃した方は勿論、興味を持った方は是非ご覧になって下さい。BSとはいえ、「攻殻」のように有料ではないし、一見の価値ありとオススメしたい。

| |

« BS2「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」 | トップページ | 「ホリデイ」みた。 »

コメント

うーん。たいむさん、さすがです。
細かい演出や監督の手法を読み解く勘の鋭さ! 感服しました。
こちらの記事を読んで、ますます期待度アップですね。

第一話の「英語(カタカナ語)」は、冒頭の部分で、バルサが「もう若くないよ」「今年で30だ」と言うセリフの少し前に、通行人と話すところで出てきてたと思います。本番の時には、絶対チェックするんだぁ!(爆)

投稿: あかん隊 | 2007/03/28 22:56

■あかん隊さん、こんばんは♪
いや~、全然纏まんなくって・・・(^^;)
今後も原作をどこまで引き合いに出すかという”さじ加減”が難しいレビューになりそうです。できるだけネタバレは控えたいですしね。
とはいえ、以前から「所詮原作は児童文学」と言っているとおり、贔屓目を差っぴいてもアニメの方が洗練されているし、ずっと面白そう。原作ありでコレですから、オリジナル分の期待度は高まる一方です(笑)

>第一話の「英語(カタカナ語)」
探したのだけど発見できなくって~(汗)
そうか、冒頭も冒頭なんですね。もう一回チャレンジしてみます!!
ヒントに感謝です!!!

投稿: たいむ(管理人) | 2007/03/28 23:46

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「精霊の守り人」~第1話:女用心棒バルサ:

» 精霊の守り人 #01『女用心棒バルサ』 [シチュー鍋の中の混沌]
先行放送に続き、二回目の放送です。「メンテナンス」が馴染んで聞こえて、慣れとは恐ろしいものです(笑)。 落ち着いて見ると、背景や作画のクオリティの高さに、改めて驚愕。腰を据えてじっくり作り上げた作品であることが、よくよく理解できます。初見では「かたい」と感じた作画も、これはこれでいいと思える。「方向性を手探り状態の1話より、流れが決まって走り出した2話3話の方が、作画が良くなる」との話も聞こえてくるので、今後に期待できます。特に3話はアクションがメインなので、対狩人戦が楽しみ。 キャラデザで... [続きを読む]

受信: 2007/04/08 10:18

» TVアニメ 精霊の守り人 第1話 女用心棒バルサ [サプリで萌えな彼女の秘密ノート]
「精霊の守り人」の第1話感想です。うん、面白くなりそうな予感ですね。 そして、これからの私の感想は前に書いた徹底研究と同じような書き方で進行していきます。 「TVアニメ「精霊の守り人」の徹底研究を見てみました... [続きを読む]

受信: 2007/04/08 15:20

» 精霊の守り人 第1話 [孤狼Nachtwanderung]
第1話「女用心棒バルサ」 三十路で悪いかーっ!!! 実感こもってるでしょ?(*≧m≦*)ププッ ・・・ってことで始まりました「精霊の守り人」。 バスから降りてきた太ったオバサン・・・じゃなくて、用心棒バルサの物語。 第1話を見た私の印象では宮崎アニメに匹敵する... [続きを読む]

受信: 2007/04/08 15:24

» 精霊の守り人 1話「女用心棒バルサ」感想(新) [月の砂漠のあしあと]
わたしの今期NO.1作品決定☆これはすごい 名作の やかん!☆原作は読んでないですが、これは素晴らしい。 息を呑むような美しい美術に冒頭から圧倒され、作画も演出も一分の隙もない。はいらべるな完成度。 そのままスクリーンに映しても、粗が出ないのではないか....... [続きを読む]

受信: 2007/04/08 22:20

» アニメ「精霊の守り人」第1話 感想。 [ぎんいろ(旧夢の日々)。]
第1話「女用心棒バルサ」 NHKBS2で放送開始の精霊の守り人。原作は未読。 このアニメは先行放送が存在したのですが、私はあえて本放送を待って、感想を書いてみる。先行放送も見たんですけどね……。 1話なので簡単に話の流れを書くと。 短槍使いであるバルサは、2年ぶりに新ヨゴ皇国を訪れた。 そこで牛車が突然の暴走を見せる。川に落とされた人間を助けるバルサだが、それは新ヨゴ皇国の第二皇子だった。 皇子を助けたために宮へ招かれたバルサはそこで、二ノ妃からチャグムを追っ手から守って欲しいと... [続きを読む]

受信: 2007/04/09 00:53

« BS2「アニメ『精霊の守り人』徹底研究」 | トップページ | 「ホリデイ」みた。 »