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2007/02/08

「魂萌え!」みた。

Tamamoe_1 萌え・・・ここのところ、某小説のヒロイン”萌絵”に苛立っていたりするので、(理不尽であっても)最初はタイトルだけでパスしようと思っていた作品。でも、劇場備え付けチラシを読んでみたらやっぱり面白そう。周囲の評判も上々。ということで、この作品はなんだか(逆に)”レディスディ”でみるのが礼儀かな?とばかりに観てきた。
(以下、若干内容に触れます。)

自分の年齢や立場からしても、さすがに”共感”とはいかない。しかし(これも年齢的にやや合わないけれど)自分の母親のような感覚で敏子をずっと見ていたように思う。
60 歳間近にして夫が突然死。次々と「寝耳に水」な事が発覚し、それは何?あれは誰?何がどーしてこんなことに?自分はいったい何だったの?悲しみ以上に戸惑いであり、怒りであり、憤りであり、虚しさであり、様々な感情に押し潰されそうになりながら右往左往するしかない、ありのままの敏子が実によく描かれ、演じられていたと思う。
敏子は結婚してからというもの、”ただ主婦”として、家庭と家族を第一に暮らしてきたのだろう。どこか世間知らずなのは、必要がなかったから知らなかっただけ。知る必要がなかったから知ろうともしていなかったことのツケとも言えるのかも知れない。妻を”家内”という言葉の通りであり、それが当たり前という時代がそうさせたのだろうが。
しかし、男って・・・。家具にしておきながら家具でしかないとは。しまっておきながら、使わないなら...と、誰かが欲しいと言えば、絶対に手放さない身勝手なものだよなーと改めて思ったりもしてw 
愛人だ、遺産相続だと、夫の突然死による波紋からの泥沼を脱出せんともがく敏子であり、やがて見えていなかった事が見えたことで、変わる努力をはじめる前向きな敏子。
”女”のたくましさ、したたかさ、生命力を感じる作品だった。

俳優陣が豪華だった。ベテラン揃いでパワーと安定感がある。男性陣もイメージどおりでありながら、やはり女性の為の作品か。女優陣、あっぱれ。
やっぱり素晴らしいな、と思ったのは友達4人組。圧倒的。歌もさすがにお上手でいらっしゃる。「こげよマイケル」の替え歌には涙がでた。友達って有難い。
2度にわたる”正妻(風吹)VS愛人(三田)”の腹の探り合い、息を呑む対決ももちろん素晴らしかったが、さらに詐欺師まがいの加藤治子が印象深い。「宮里さんの自伝」には引き込まれ、ついつい聞き入ってしまった。次が聞きたいと思ってしまった私も1万円だろうか?(笑)

総評:★★★★☆  好き度:★★★☆☆++  オススメ度:★★★☆☆++ 

今から遺言だの、身辺整理なんてまったく考えていないけれど、「突然死」はありえなくはない。もちろんとんでもない隠し事なんてしていないけれど、それが今だとしたら・・・
「いつの間にこんなDVDが!」だの、「こんなところにオモチャが!」だの、「なんだこのブログは!」とかなりそうだ(笑) 呆れて苦笑いしつつ、爆笑遺品整理になるだろうなぁ~(縁起でもないがw)
いろんなユーザーIDとか、パスワードとかで溢れかえっているこの頃だし、後々に困らないようにそのあたりだけでも整理しとくかなー。

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コメント

何時もお世話になっております。
確かに突然というのはありますからね。
私の場合はBlogかな・・・CDやDVDは目立っているから気になりません。唯一オフで知っているのはたいむさましかいませんので・・・
パスワードは確り自己管理しているので一応大半は覚えていますが、一部はやはり忘れている事はありますね。
しかしこれ観ておくんだったな・・・
この作品にしておけば要らぬ発言や要らぬ取り下げ再掲載せずに済んだだけに珍しくテイクミスしました。
陛下さえ鑑賞しなければ間違いなくこちらを選んだと思います。
今週は本数あるので休日を活かしてゆとりを持って鑑賞する予定です。

投稿: PGM21 | 2007/02/08 22:25

たいむさんには、まだまだ…の世界だったかもしれませんね。(^^;)
私には、ちょっとだけ先のこと。それでも、専業主婦だった期間は、ほんのわずかでしたし、「世の中」との戦いは、継続中。「愛人」がいるなら「熨斗」つけて差し上げたい…と思うほどすっかり醒めてます。でも、この映画は、坂本監督の手腕が存分に発揮されて「とても映画らしい映画」になっていたと思います。樹木希林、加藤治子、あたりは自分が目指す「熟年女性」のモデルです。<言っちゃっていいのか?

投稿: あかん隊 | 2007/02/08 22:28

■PGM21さん、こんばんは♪
ご覧になってないのですね。良い作品ですよ。
ワーナーで2/16まで上映してますから、週末にでもご覧ください。間違いなく空いてます(笑)
こういう作品はスクリーンが大きくなくても問題ないので、終わる直前にゆったり見るのがイイ感じです。
けど、私もそうですけど、共感できるのはPGM21さんならあと最低10年は先じゃないかなーと。


■あかん隊さん、こんばんは♪
>まだまだ…の世界
まだ、くらいかな?(笑)
分らないではない世界だけど、ピンとくるほど実感は持てないかな、やっぱり。
>「とても映画らしい映画」
まさにそんな感じ。隙がなく、ベテラン勢の格の違いを感じられる作品だと思いました。
若者の中に、一点ベテランが混ざって深みを出す作品が多い中、コレだけのキャストを惜しげもなく使い、それだけの見せ場がある作品って久しぶりな気がします。

>樹木希林、加藤治子
どちらも、一筋縄ではいかないクセモノに思いますが?(笑)
でも、きっとあかん隊さんなら・・・
なにせ、「××です」だもの(笑)


投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/08 23:31

えー? なに? なに?>××(わからない…。まだ、バツイチでもないし…)何か変なこと、また言ってたんでしょうか?(大汗)
ニフティ同士なのに、TBが返せません。(泣)後で、もう一回やってみます。(もし、二重になったら削除してくださいませ)

投稿: あかん隊 | 2007/02/08 23:56

■あかん隊さん、おはよーございます♪
うー、あかん隊さんのユーモアあふれるお言葉のつもりでしたが、××そのものではなくって、とっさにそんなお言葉がでてくる回転の速さ、機転を言いたかっただけです。
妙な想像をさせてしまったでしょうか?
ごめんなさい。です。

TB削除しときましたぁー。

投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/09 08:06

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