「後巷説百物語」文庫化
第130回直木賞受賞作品『後巷説物語:(著)京極夏彦』が文庫化される。(角川文庫)
※2006年2月には中央公論社からノベルス版が出版されている(→お気に入り書籍:参照)
はぅ~・・・とちょっと溜め息。文芸作品とはそうしたもので、まずはハードカバーで出版。数年後に文庫化するのが一般的。(ノベルス版はともかく)
私が「巷説(又市)シリーズ」を読み出したのは遅く、『巷説物語』の文庫化と『続巷説物語』のノベルス版の発売くらいの頃。よって、どちらもハードこそ持っていないが「巷説・・」は文庫のみ、「続・・」はノベルス&文庫を愛蔵している。その後『後巷説物語』はハード&ノベルスを購入し、なんとも収まりの良くない格好になってしまった。
ここは統一する為にも、やはり文庫を買うべきだろうか?
また、現在「怪」で連載中の『前巷説物語』のことも考えなくてはならない。「本」でゆっくりと堪能したいため「怪」の購読していないが、『前巷説物語』もそろそろ終了。最終話の書下ろしを執筆中とのこと。(※週刊大極宮287号「厨子王の逆襲」より)
”おアツイのがお好き???”・・・といわんばかり京極作品。
このシリーズ以外でも、ハード・ノベルス・文庫・文庫(分冊)etc...様々な形態で出版されているが、私の経験から言えば”ノベルス”が一番扱いやすいように思う。
ハードはいうまでもなく大きくて重い。机に向かって読む分には良いが、寝転がったり携帯したりするには不向き。携帯を考えると一般的には文庫となるが、一概に言えないのが京極作品。「巷説シリーズ」はまだマシだが、辞書並みの厚さがある『鉄鼠の檻』以降の「京極堂シリーズ」は、文庫でもとても携帯向きとは思えない。”いつかバラバラに崩壊するかもしれない”という恐怖心も頭によぎる。そういった意味では文庫(分冊)が最適か。が、しかし数が多い分お値段が割高となる。収納でも余計に場所を取る。
以上の理由から、やはりノベルスに注目することになる。
携帯に不向きという点ではノベルスも大差はない。しかしサイズや重量はハードの半分程度であり、紙質もハードには敵わないものの劣化の激しい文庫に比べれば満足のいくもの。ということで、総合的にみて「ノベルス一歩リードか?」となる。
「京極堂シリーズ」での文庫購入は既に『塗仏・・』で止めた。今後は初版となるノベルスのみと決めた。ってことは、「巷説シリーズ」も「後・・」の文庫を買うのではなく、「巷説・・」のノベルズを買えば良いことになるのかな?(笑) 「前・・」はハードが初版だろうからそれは買うとしても、ノベルスを待ってそこで止める、とね。
ほほぅ。なるほどな。(あらら、書いてるうちに自己解決しちゃったw)
イヤイヤ、これにはいろんな意見を聞いてみたいもの。いつぞや京極氏自身も、この問題?について言及していたことがあったような・・・・(結局は読者のスタイルに合わたものを、単に「好み」で良いのでは?と一段落したんだっけな?)
とにかく、文庫版『後巷説物語』(角川文庫)は、4月25日発売!!
寂しくなって涙が出ちゃうけど「完」がとて似合うラスト。時間さえあれば、読み直したいのだけどな。
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