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2007/02/24

「不都合な真実」みた。

An_inconvenient_truth アル・ゴア氏の『地球温暖化講座』と氏の『自分と環境問題への取り組み』についての語り、とを交互に見せるドキュメンタリー作品。
講座の内容は興味深いものの、少しでも「地球温暖化現象」について知っている人であれば、愕然とするような”新事実”というものはない。
もちろん、「このまま行けばとんでもないことになる」という”危機感の啓発”としては、とても重要な内容なのだけど。

さすがは大統領候補にもなった政治家であるアル・ゴア氏。喋りはお手のもの。スライドでわかりやすく図解したものを見せながらの現状説明。「使用前・使用後」として、「過去と現在」をこれでもかというくらいに対比させ、そして絶望的な「未来予想図」を見せ付ける。時にはアニメーションやジョークを交えながら笑いを誘う心得もバッチリ。講座も回数を重ねているだけに洗練されているのだろう。映画での講座は「標準的なアメリカ国民」を対象としたようなものだったけれど、実際は開催地域によって若干の内容変更をしているだろうと思われる。
楽しい講座だった。(といっては何だけどw)

だた、ちょっと違うんじゃないかな?という点が2つほど浮かんだ。
1つは人口問題。あと数十年で地球の人口が今の倍になるという予想。
日本を見ても、「少子高齢化」が問題視されている昨今であり、既に片鱗を見せ始めている温暖化の影響での問題で、第一に考えるべきは農作物被害。”人間の生”にとっての一番切実な問題は”食糧問題”ではないかと思う。この問題がある以上、人口が増え続ける・・とは考えにくい。
2つ目は、「地球温暖化現象」に懐疑的な人間は、既に極少数ではないかということ。
誰もが「おそらく間違いない」と思いつつ、自分勝手な理由と立場から承認を拒絶しているだけの事。確信犯に講義は無意味。この講座(映画)は、最終的に「解決するのはあなたです」と”個人のレベル”に訴えている。ならば、一般的には恐怖を見せ付けるやり方はそろそろお終いにして、具体的な策の提案と結果のシュミレーション、それを見せるべきなのではないだろうか?と思う次第。「希望」がなければ人は動かない。

講座の中で、私が一番納得した部分は、「カエル」の例え話だった。
「熱湯に跳び込み即座に跳び出すカエル」と「ジワジワと温められ、熱さを感じ始めても慣れちゃう、我慢しちゃうカエル」の話。
私たちは、すでに”我慢ガエル”になり始めている。多少の事ではビクともしないかもしれない。”どうしたら、自分から進んで脱出させることができるか?” アニメーションのようにカエルを救出してくれる”神の手”はどこにもないのだから。
”我慢ガエル”体質の改善。まずそこを考え、攻めていく必要性を感じた。

EDで「こうしましょう、ああしましょう」と啓発事項が次々と表示された。
直ぐにでも出来ること、出来そうなこと。まず、そこからはじめることが、”我慢ガエル”脱却の第一歩かな。
とりあえず、現在私のしていること。
”マイバック”は通常使いのカバンと、車の中には常備している。
ヒーターの設定温度は16度。「暖冬で助かってる・・・」と言っては本末転倒か?(笑)

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コメント

たいむさん、こんばんは!
TBありがとうございました^^・
ゴア氏のプレゼンテーションは見事でしたね。
分かっているはずの事を、改めて思い知らされました。
私は、温暖化についてアメリカや中国などは思っているよりも認識不足なのかな。。。と感じました。
地球とお金が天秤に乗っているアニメが印象に残り、アメリカの京都議定書の批准がなされていない現実を思いました。
ところで、京極夏彦が大好きですが、まだ『邪魅の雫』は未読です。→を見ましたら榎木津の意外な過去が明らかにされるのですね。早く読みたい!!

投稿: 由香 | 2007/02/24 21:16

■由香さん、こんばんは♪
お返しありがとうございます。
>アメリカや中国などは思っているよりも認識不足
中国辺りは、おそらくそうかもしれませんね。それに、散々化石燃料を使いまくってきたアメリカやEU諸国に言われたくはない、って反感を喰らう可能性も。
それこそ「中国潰し」と捉えられ兼ねない微妙な問題であり、デリケートな対応が必要かと思います。
けど、アメリカ人はどーでしょうね。
自動車関連会社などに勤める人々がどのくらいいるのか、とか考えると、個人として直結する死活問題でもあり「わかっているけど止められない」なのでは?と思えます。
今は、出来る人が出来る事を、が限界なのかもしれませんね。
それでは遅いのかも知れませんが。。。

追伸:おお!京極ファンですか!!
京極作品は、あの本の厚さに引くかハマルかのどっちかですよね(笑)
『邪魅』も面白いですよ。あの榎さんにも・・・という驚きが待ってます。お楽しみに!
ハコも映画化ですし、今年も京極ワールドが楽しめそうで嬉しいです♪

投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/24 22:41

たいむさん、こんばんは。
ゴアさんが提案されているのは、何も難しくはないことばかり。
エコバッグはもちろん、
古紙を廃品回収に出し、再生紙を使うこと。ペットボトルやアルミ缶も然り。
そうして、リサイクルの輪を閉じて、生活することも大事なことですよね。
身の回りには、まだまだ見直しが必要なことばかりです。

ところで、わたしも京極ファンなのに、
映画ばっかり観ていて、最新刊を読んでいない大馬鹿者です。
匣も映画化なんですよねぇ。
あのお話をどのように映像化するのでしょうね・・・

投稿: 悠雅 | 2007/02/24 23:54

環境問題で鍵を握るのは経済大国アメリカと、
人口大国の中国・・でしょうね。
自由主義経済の妨げになる??環境保護をどうするアメリカ??
共産主義的経済成長に突き進む中国に環境問題を止められるのか???
中国の指導者も解っちゃいるけど、圧倒的数字(人口)に、
なすすべなし・・・な現状なのでしょう。
そこが、問題なんでしょうけど。

投稿: ひらりん | 2007/02/25 02:19

TBとコメント、いつもありがとうございます!
アメリカと中国。何かと意識が対立しそうですけど、環境汚染問題では、同じような雰囲気があるかもしれませんねぇ。

『邪魅の雫』途中です。読んでいるそばから、その前の部分を忘れてしまいそうで…。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2007/02/25 03:02

こんばんわ!
TB&コメントありがとうございました!

たいむさんの記事を読んで、私自身のこの作品に対する見解や意識に多少の変化がありました。
私は、映画を受け止めて「ぬおおお!?」と唖然とするばかりだったので(苦笑)。

個人的には表をはみ出るグラフが印象的でした(苦笑)。
それを追って、ゴンドラで上まで上がるゴアさんがなんとも可笑しくて・・・。イエイエ・・笑ってはいられませんが・・・。

私も最近はめっきりエコってますよ!
とりあえずエアコン温度を3度下げました。
そして、故郷の岩手に大雪が降っていると親から聞くと
少し安心するようになりました・・・(それっていい迷惑でしょうか?)

投稿: 睦月 | 2007/02/25 04:33

■悠雅さん、こんにちは♪
困ったことにリサイクルは手間とお金がかかるのですよね。
近頃「勿体無い」が国内外でクローズアップされていますが、”使い捨て文化”これも何とかしないとですねー。
100円ショップもね、危険なんです。
製品を作っているのはほぼ某国であり、そのためにどれだけの燃料が使われ、CO2を排出していることか・・・
しかし大事な外貨獲得産業・・・どの国にもあの天秤があるようです。

追伸:あら、悠雅さんも京極ファンですか!
仲間がたくさんいて嬉しいですね♪
京極シリーズの次回作までに読めば十分ですヨ。(ブ厚いし時間かかるしw)その次回作だっていつになるかわかんないし~。大丈夫!

ハコはね、どーでしょう?姑獲鳥があれでしたし、期待はしてません(爆)


■ひらりんさん、こんにちは♪
ひらりんさん、資本主義とか自由主義とか社会主義とか共産主義とか・・・それらに造詣がおありでしょうか?とても詳しそうですね。(私は教科書程度の知識しか・・^^;)

中国の人口は、実は発表されている倍は居るって話ですしね・・・(大汗)

大量発生した何かは、何かを切っ掛けに正常値に戻る。自然界の自浄作用・・・
地球は人間を・・・・とSFホラーチックに考えてる場合じゃないのですが(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/25 10:14

■あかん隊さん、こんにちは♪
最近、映画の世界でもアメリカの敵は中国・・・みたいなものが増えてきてるような気がしてます。
ヘンなところだけ意気投合しないでほしいなーと思うのですけど(笑)

>邪魅
相変わらずあっちこっちにぶっ飛びますからねぇ。
登場人物単位で戻り、つなぎになる部分を読み返したことは私もありましたねw


■睦月さん、こんにちは♪
この記事が、どのような影響を睦月さんに及ぼしたのか気になるところですが(笑)、私の場合、現在の仕事がそれなりに関係があるので、講座内容は既知の事であり、ある意味では常識になっていたことからちょっと違う感想になっていたかもしれませんね。

>ゴンドラで上まで上がるゴアさん
見せ方上手でしたよね(笑)
笑いを取って心を掴む。さすがですね。

ここは新潟です。ずっと暮らしていて、年を追うごとの小雪傾向は実感しています。
けれど、こんなにも天気予報に”雪だるま”が登場しない年は初めてです。こわいなぁ~。


投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/25 10:35

たいむさん、こんばんは。

ゴア氏のプレゼン、洗練されている感じしましたね。
素人にもわかりやすく説明する、日本の政治家が最も欠けている点かもしれません。
茹でカエルのエピソードは、僕の上司から前に聞いたことがありました。
現状に安穏としていると、環境が変わっていくのに気付かないので、危機感を持てという話だったですが、ゴア氏の話と同じですね。
有名なエピソードなのかな?

投稿: はらやん | 2007/02/25 20:51

■はらやんさん、こんばんは♪
>茹でカエル
そうでしたか!新人教育の「ほうれん草」並みに有名な話をパロッたのかもしれませんね。
カエル話は知りませんでしたが、”危機感”という意味では”惰性”ほど恐いものがないと口酸っぱく語られ、語った覚えも。。。

安倍首相も鑑賞されたようですけど、内容とは違う部分でも学習し、見習って欲しいところですね。

投稿: たいむ(管理人) | 2007/02/25 21:02

こんにちは♪
「地球温暖化」の認識って浸透してるのかな~?ってたいむさんの記事を読んで考えました。
今イケイケ状態の国(あえて国名は書かない・汗)などは見てみぬふりだろうし、そもそもあの国で国民の末端にいたるまでそういう情報がいきわたるとは考えられず・・・。
ゴア氏のあまりにこなれた講演に少々違和感を持ちつつも、それと個人的なエコロジー意識改革は別だと思いました。
私も一応エコロジー頑張ってますよ!
マイバッグ持参は当然だし、リサイクルもね。

京極作品、前作から読んでいません(泣)
それまでのはズラーっと揃ってるんだけどな。

投稿: ミチ | 2007/03/02 08:54

■ミチさん、こんばんは♪
「温暖化」という言葉の認知度はかなり高いですよ。7割は超えてます。認識となると少し下がるかな?
でありながら浸透していかないのは、「何をしたらよいのかわからない」であり、やったところで「貢献度がわからない」ということなんですね。
そこんとこが、EDのみでしかも文字の羅列、っていうのが残念でした。

リサイクル・・・といえば、最近はやりの金属の盗難(ゴミステーションのものまで)、しかも行き先が中国とは嘆かわしいことです。

何故か京極の話題がオマケで満載(笑)
ミチさん、読んでる暇なしですか?1冊で3冊分ですしねw

投稿: たいむ(管理人) | 2007/03/02 18:00

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