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2007/01/19

NHK:プロフェッショナル「浦沢直樹」

1/18夜、NHK総合:『プロフェッショナル』にて漫画家:浦沢直樹氏が取り上げられた。
私が浦沢作品を読み始めたのはほんの数年前からで、既に「MONSTER」の単行本が全巻出揃った頃の話。意外に日は浅い。それまでは浦沢直樹の名前すら知らず、アニメ化されていた「YAWARA!」や「マスターキートン」を例えられて「ああ・・」という程度のものだった。会社の先輩に「MONSTER」を勧められて読んだのが切っ掛け。最初の最初は古本屋での立ち読みだったけれど、あっという間にストーリーに引き込まれ、作品にはまるのに時間は掛からなかった。
「MONSTER」は、謎はたくさんあるのだけど犯人は決まっているわけで、ミステリーではない。番組では”サイコスリラー”と紹介されていたけれど、ヒューマン色も強く、人間の裏表であり、特に闇の部分が鋭い観点から描かれ、それでいて人と人との出会いや、ふれ合いの温かさが心に沁みるエピソードが随所に盛り込まれ、作品全体のトーンは全然明るくないのだけど決して暗くはなく、絶妙なバランスで成立している”リアルな魅力”がある作品だと思う。そして、同時進行的に絡みついた謎がほぐされる度に、張り巡らされていた伏線に驚かされ、どこまでも油断ができない面白さが最後の最後まで続く作品だ。

バラバラになったパズルを組上げる、足りないピースを探すというよりは、最初から全部あるんだけど、グチャグチャに絡まり縺れた糸をときほぐすような感じだろうか。浦沢氏の作品は、どれもそんな感じに思う。
「解けそうで解けない謎と、時折タイムリーに繰り出されるセンセーショナルな出来事」
これはある作品での”世間をいつまでも惹きつけ、熱狂させる事件とはどんなものか?”についての答えだけど、確かに頷ける。浦沢氏の作品は正にそういうもの描かれていて、とにかく面白い。読者を魅了し続ける。

番組では、浦沢氏がロック歌手になる夢を持っていたことや、しかし夢破れ漫画家の道を進むことになったこと。それでも”漫画家:浦沢直樹”をずっと支え続けているものが、ロックであり、”ボブ・デュラン”であることなどが語られていてた。
浦沢氏は、ロックに転向したことで、ファンから罵声を浴びせられながらもロックを唄い続けた、”孤高のロッカー、ボブ・デュラン”は、自分のやりたいこと、自分の信じた道を貫き通す勇気を与えてくれたと言っていた。
浦沢氏の見た目・話し方・話された内容から私が受けた印象は、ご本人も言われているとおりで「自信のひと」。けれどそれは「驕り」につながる「自信家」ではなく、いつでも”自分を信じる心を持ってる人”という意味でのこと。進行役の茂木博士も話されていたけれど、天才が才能に胡坐をかくような傲慢な態度がまるで感じられないように思えた。とはいえ自信による”こだわり”は強く感じられるので謙虚さとはまた違い、やはり良い意味で「全てが自信」で落ち着くように思う。確かに、その位の自信がなければ、これだけたくさんの素晴らしいの作品を書き続けることなんて出来ないのかもしれない。と思えた。

浦沢氏曰く、キャラクターの表情が「読者に、どのような感情にも捉えられる画が描けたときが良い出来。成功。」だそうだ。作者の意図はありながら、キャラクターは生きている。生きているばかりに一人歩きし始めたり、読者が妄想を膨らませてしまい、”思い通りにならないと怒り出す”といった弊害も生じてしまっているとのことだが、「これは俺の作品」と、「俺の描いたものが面白くなるのだから、今に見てろよー」と言う、自信に満ちた浦沢氏の表情が、やはり印象深く残っている。なんだかすごい。圧倒的。プロです。
実際、そのとおりだし・・・と、連載の進捗状況はややのんびりながらも、待つだけの価値のある作品を、これからも期待しつつ応援していきたいと、番組を見て改めて思った。

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コメント

こんばんは(^^)

なかなかドラマチックなドキュメンタリーになってましたね。
今日は神山監督だぁ(^0^)/

投稿: A-ten | 2007/01/19 19:49

■A-tenさん、やほ~!
A-tenさんもご覧になったのですね!!
ここのところNHK頑張ってるジャン!ってね。

>今日は神山監督だぁ(^0^)/
はいっ!!今から楽しみにしてます♪
↑は見ただけで録画もしなかったけど、こっちはスタンバイOK(笑)


投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/19 20:25

おいらは見損なった・・・。
「MONSTER」おいらも一気に読みました。
あの独特な世界に吸い込まれた感じでしたね。
アニメにもなりましたし、良い作品だと思います。
今の「20世紀少年」は「MONSTER」と違って、犯人(悪)役の正体が分かりませんよね。(笑)

投稿: Brian | 2007/01/20 06:52

■Brianさん、こんばんは♪
「MONSTER」はスゴイ!って思った作品でした。
カルチャーショックに近かったですね。それまで青年漫画は読んだこと無かったですし。
アニメも良かった。見事に再現していたし、音楽や効果音が絶妙で抜群でした。思わずDVDがほしくなりましたからw

「20世紀少年」は、ざーっと一度通したキリです。
実写で映画化が決定したようですし、おさらいしとかないとなーという感じです。
個人的には「MONSTER」の方がすき♪

投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/20 20:01

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受信: 2007/01/19 22:29

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