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2007/01/06

「敬愛なるベートヴェン」みた。

Copying_beethoven 愛すべき、偉大なマエストロ・ベートーヴェン!
昨年12月からの順次公開であり、やっと地元公開となった。待ってたよぉ~。”第九”の初演に至るまでが中心の物語であり、出来れば年末のラストを飾りたい作品だったけれど、年明け最初の作品として「ブラボー!」であり、十分満足!。感動!!!
(以下、若干内容に触れます)

アンナとベートヴェンの出会いは、”第九”の初演を4日後に控えた、切羽詰った状態の中だった。この時点でスコアが完成していないって・・・間に合うものなのかしら??(今なら到底ムリだよねぇ)
ベートーヴェンは、最初こそアンナを拒絶するも、その実力を知り、何事にも怯まず媚びない彼女に次第に心を開いて信頼を置くようになる。アンナはアンナで、”女性”だというだけで低評価されてしまう現実に焦りを隠せず、時代遅れの落ちぶれた芸術家とは言われても、ベートーヴェンはベートーヴェン。彼を間近にし、師事できるチャンスだと虎穴に飛び込む覚悟を固める。
二人三脚での『交響曲第九番』初演は素晴らしかった!!
第1楽章の冒頭に始まり、途中第2・3楽章を経て、第4楽章からは数箇所を順に2-3分単位で抜粋。全体では15分くらい?第九にしては一部分でしかないけれど、堪能度は高い。
必死に指揮棒を振るベートーヴェン。フォローのために影で合図を送り続けるアンナ。最近のベートーヴェンを侮っていた聴衆の態度の変化。出番を待つ合唱隊の表情。合唱部への突入で最高潮に達するホール。偉大な叔父と壮大な曲に心が洗われたカールの涙。終演後の大歓声・・・・・
劇中の聴衆と同様に、私も途中から震えが体を襲い、涙が溢だした。とにかく感動!!ベートーヴェンの聴覚を追体験させる憎い演出も含めて、何もかもが素晴らしかった。

第九初演後、アンナとベートーヴェンの絆は一層深まる。時にはベートーヴェンの横暴から、アンナを酷く傷つけたりもするけれど、信頼関係はベートーヴェンの最期まで続くことになる。音楽は”魂”そのものだと彼は言う。ベートーヴェンの卓越した感性を理解できたアンナの審美眼であり才能の賜物かもしれない。
愛すべき偉大なるマエストロは孤高の人。音のない世界に独り、音の湧き上がる世界で暮らしていた。凡人の理解の範疇を超えた天才であり、有り余る才能を表現しきれない難聴が彼をより偏屈にしたのだろうが、敬愛すべき人物だった。飲み屋のオヤジ、アパートのお婆さん、数こそ少なくとも彼の理解者は確かにいた。アンナに看取られた彼の魂は、おそらく幸福に満ち溢れていたに違いない。

多少美化した脚色であったとしても、ベートーヴェン本人を(少しでも)理解出来そうな、気難しいだけのイメージを払拭する素晴らしい作品に仕上がっていたと思う。とにかく良かった!!最高!!

評価:★★★★★  好き度:★★★★★★  オススメ度:★★★★☆
のだめで”ベト7”にハマリ、クラッシックに興味を持った方なら必見でしょう!!

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コメント

子供の頃から、難聴のベートーヴェンがどうして素晴らしい音楽を作り上げることができたのかがずっと不思議でした。
その理由が神と会話していたからだなんて、なんとも神秘的な話。すっかりこの設定にはまりこんでしまいました。だからこそ終盤の詩的なやりとりが生きてくるんですよね~
凡人の俺には衝撃的だったかもしれません・・・

投稿: kossy | 2007/01/06 18:37

■kossyさん、こんばんは♪
私も、伝記を読むは子供の時から好きで、TV番組の「知ってるつもり」なんかも好んでみていたクチで、ベートーヴェンの才能であり、病気も含めその生涯などはとても興味がありました。
神を冒涜していたはずの異端児が神と会話とはねぇ・・・ほんと神秘的なお話ですね。神に愛され、耳を神に捧げたからこそ持ちえた才能なのか、夢に見た”聖歌”は、彼の頭ではすべて♪だったのでしょうね。
凡人の私にもカナリ衝撃的でしたが、わからないなりに納得できたように思います(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/06 21:57

こんばんは☆
たいむさんのレビューでなんか涙がー。爆
先先行で早々見ちゃったのでもう一回は必ず見ようと決めていたのに、正月は魔物です。腰が重くて動けません。殴
・・・ゲイリーオールドマンの作品と比べられると思うのですが、私的にはエド@ベトが好きです。
天才ってホントにいるんですよねー。クラシック界の天才って本当に天上の世界から舞い降りてきたような人物ばかりで、それに値する人達を日頃から目の当たりにしてる私は、もうそれこそひれ伏してしまい音楽こそ嫌いにはなりませんが、サリエリのような嫉妬の気持ちとアンナのような敬う気持ちと、ゆれにゆれてその葛藤に心がおかしくなってばかりなんですよっー。涙…と、愚痴ってすみません。蹴

第9は第二楽章も古典楽器でちゃんと当時のまま再現されていたシーンが少しありました。第三楽章は…記憶にない!爆…なので早く見に行かねばーー。長々失礼しましたー。

投稿: シャーロット | 2007/01/06 23:50

たいむさん、こんばんは。
TBとコメントありがとうございました。
こちらでは、12月中旬に公開されたのはいいけれど、
あっという間に上映が終わってしまい、再見が叶いませんでしたが
できたら、もう1回(といわず何回も)観たいです。

誰からも本気で理解され愛された実感がない、
孤高の天才に舞い降りた天使のような彼女が、
本当にいてくれたらいいのに…
フィクションだとわかっていても、今後は第九を聴くたびに
二人の演奏シーンを思い出すと思います。

後半の静かな展開、潔い閉じ方がとても好きです。

投稿: 悠雅 | 2007/01/07 00:43

たいむさん!
あけましておめでとうございます!

周りの目さえ気にすることがなかったら、迷わずに「ブラボー!」とスタンディングオーベーションをしていたであろうこの作品。
ホントにホントに素晴らしく、そしてまさに圧巻でした。

感動とか悲しみとは別の種類の涙というのを体験しましたよ。
音楽の持つパワーのすごさに心が見事に揺さぶられました。

ではたいむさん。
今年もどうぞよろしくお願いいたしますね!!

投稿: 睦月 | 2007/01/07 02:14

何時もお世話になっております。
たいむさま今年第1弾はこの作品でしたか。
のだめを観ていないのでなんともいえないのですが、音楽やクラシックに興味ある人には必見でしょうね。
私も昔ピアノをやっていたからその筋は結構色々聴いて読んだものですけれどね。
私は13日が今年映画鑑賞第1弾になります。
いきなり問題作ですが、問題作が4周連続続くので周りと相当違ったレビューになりそうです。

投稿: PGM21 | 2007/01/07 09:40

■シャーロットさん、こんばんは♪
文章はともかく、思い出されましたか??
私も、未だに思い出すとウルウルしてきますよぉ。
シャーロットさんはお仕事柄、そういった天才を目の当たりにする事があるのですね(すごっ!)
私なら、嫉妬するネタすら持ち合わせていないので、ただ羨望のまなざしで遠くから見つめるしかなさそうですw

>第2楽章
ありましたか!私の耳も難聴か。。。。(^^;)
DVDでもう一回・・って気にもなるけれど、音響は劇場ですよねぇ。私ももう一回いこっかな?


■悠雅さん、こんばんは♪
やはりもう一回みたいと思う作品ですか!!
これは行かないと後悔しちゃいそ~(でも、来週から公開目白押しですしねぇ)
>今後は第九を聴くたびに二人の演奏シーンを思い出すと思います。
ああ!分りますその気持ち!!
私もきっとそうなると思ってました。
中盤の絶頂から、クールダウンの後半が私も好きです。
ホントにホントに素敵な作品でした!!


■睦月さん、こんばんは♪
今年もヨロシクです!!
>迷わずに「ブラボー!」とスタンディングオーベーション
ですね、ですね!
私は大泣きしてましたが、他にもグスグスと鼻をすする音が聞こえてきたので、みんな同じなんだなぁーと嬉しくなりました。

喜びの涙、悲しみの涙、怒りの涙・・・成分も違うようですよ(笑)
今回の涙は感動の涙!正月明けにいい涙を流すことが出来てよかったです。


■PGM21さん、こんばんは♪
クラッシック好きは言うまでもなく、そうでなくても感動する作品だと思います。
音楽は偉大ですよ。心が揺さぶられます。
13日の問題作は私も見ます。たぶん。
それ以降の問題作は何を指すのか良くわかりませんが。。

投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/07 16:21

突然で申しわけありません。現在2006年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票に御参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.mirai.ne.jp/~abc/movieawards/kontents/index.htmlです。

投稿: 日本インターネット映画大賞スタッフ | 2007/01/07 16:43

いつもどうもです。
クラシックファンならずとも、ベートーヴェンの「第9」は超有名ですからね。
CDを「第9」が収まる74分のサイズにしろと言ったのがカラヤンだとは知りませんでした。
カロヤンだったら・・・毛髪だけに、「もう82(はつ)」で、
82分になってたかも・・・
なんておやじギャグかましてしまいました。

投稿: ひらりん | 2007/01/12 00:54

■ひらりんさん、こんばんは♪
>カラヤン
でも、カラヤン指揮の「第九」は67分だそうです(笑)

>カロヤン
なつかし~~(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/12 20:39

たいむさん、こんばんは~♪
たいむさんも今年最初がコレだったんですね。
あれ?
去年最後が「シャーロットのおくりもの」でしたよね?

なんて気があうんでしょう!!
お正月過ぎのレビューに気が付かなくてごめんなさい

今、ちょっとバタバタしていますが 今度リンクさせてくださいませ。
そうすれば、直ぐにこれますので(笑)
(RSSとかのハイカラな奴のやり方わからないので^^)

しかし、この映画最高でしたね。幸先のよいスタートが切れて良かったですね~~(^.^)

投稿: とんちゃん | 2007/01/15 21:23

■とんちゃんさん、こんばんは♪
そちらで第九のメロディーを聴くまで、私も気がつかなくって失礼しました。
鑑賞パターンが似てますね。今後ともご贔屓に(笑)
私も、映画好きさんのリンクを貼らせていただきたいと思っているのですが、このありさまでして。。。こちらこそ、その際にはお願いさせていただきますね。

そう、うかうかしていると終わっちゃうんですよね~
いい作品だったぁ~

投稿: たいむ(管理人) | 2007/01/16 00:04

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